数年前の三者面談のお話

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教室長ブログ

今日のお話はどちらかというと、保護者様に読んでいただきたいです。

早速本題に入る前に、僕の地元の写真を貼っておきます。

普段似たような写真ばっかりでうんざりされてる方もいらっしゃると思いますので・・・。

 

 

何にもないですね(笑)。

すみません・・・。

それでは早速本題に入ります。

 

先に断っておきますが、合格体験談や成績アップ報告、面談のお話などは全てお子様と保護者様の確認をいただいて紹介させていただいてります。

その点予めご了承くださいませ。

そしてこれが最も大切なのですが、今回登場するTくん、最終的に第一志望に合格します。

 

タイトルの通り数年前のお話です。

 

Tくんは中学2年生、小学校の頃から通塾していたのですが、とにかく落ち着きがなかったです。

ゲームが大好き、勉強は大嫌い。授業は10分くらいで雑談になり、うまいこと勉強の話に戻して・・・、を繰り返していました。

 

中学に上がってから最初の期末テスト、何と5教科の合計が100点未満・・・。

それでも当の本人はケロっとしたものでした。

お母さんは元々小学生の頃から、Tくんに『勉強しなさい!』とことあるごとに言っていましたし、悪いテストの結果が返ってくればものすごい雷を落としていたと言っていました。

 

そんなお母さんに、面談の時に『Tくんの良いところを見つけてほめてあげてください。』とお声がけしていたのですが、『この子に良いところなんてありません。』の一点張りでした。

 

当然中学校に入ってからは、学年の順位なども目に見える形で分かるようになるので、お母さんの雷は激しさを増すばかりでした。

 

しかしそんなTくんに大事件が起こります。

中学2年の理科のテストで90点を取ったのです!

他教科は相変わらず20点を切っていましたが、これはものすごいことですよね。

Tくんに理由を聞いたところ、

『○○教師(すみません、これはうろ覚えなのできちんと覚えていません)っていう漫画があって、すっごい面白いんだけど、その主人公が理科の先生なんだ。だから理科に興味が出て勉強してみたら、理科も面白く感じて90点取れたんだ。』

 

山口の指導関係ない(笑)。

 

でも単純にすごい嬉しかったですね。

『すっげーじゃん!これ今からコピーとるからさ、原本は大切に保管して、コピーを自分の部屋と冷蔵庫に貼っときなよ!』と伝えました。

Tくんもとても喜んでいます。

このことで分かったと思いますが、生まれながらにして勉強ができない子なんていません。

Tくんは化学に興味を持ち、最終的に3年生の時点では高校生が学ぶような化学式を覚えていました。

ちなみに余談ですが、山口がTくんに教えてもらった化学式で、

【(C6H10O5)n + nH2O → nC6H12O6】というものがありました。

デンプンを、加水分解でグルコース、と覚えるのだそうです。

ほほぅ・・・。

 

少し話が反れましたが本題に戻しまして、そのテストのあと三者面談を行いました。

Tくんもいつもと違って少し嬉しそうです。

理科で・・・というよりテストで初めて90点を取ったこと、それが嬉しかったのだと思います。

 

ところがお母さんの言葉は、僕やTくんの予想とは異なるものでした。

でも先生、上がったのって理科だけなんですよね??それに塾では英語と数学をやっているのに、関係のない理科が上がっても・・・。

一応何度も念押ししますが、Tくんは最終的に第一志望に合格しますし、このお話もお母様の許可をいただいた上で紹介させていただいております。

 

このお母様の発言を読んでみて、みなさん信じられないと思うでしょうか?

 

しかし僕が見る限り、このお母様はいたって普通で、日本全国の8割の保護者様が同じ反応をする気がします。

得てして自分の子どものこととなると、良いところは見えずに悪いところばかりが見えてしまうそうです。

 

とにかく、この三者面談のあと、Tくんは心を閉ざしてしまうことになります

言うまでもありませんが、お父さんやお母さんは、子どもにとってとても大きな存在です。

学校のとても素晴らしい先生のたくさんの言葉も、塾で大人気の先生のたくさんの励ましも、お父さんお母さんのたった一言には勝てないのです。

 

この時お母さんが、『よかったね!難しい理科でこれだけ成績が上がったんだから、英語や数学も頑張ればきっと同じくらい上がるよ。頑張ろうね!』と褒めてあげていたら、あるいはTくんが心を閉ざすことはなかったのかもしれません。

 

でもこれ、言うは易く行うは難し、ですよね。

今これを見て、客観的に『そりゃそうでしょう。私なら褒める。』と思えるかもしれませんが、ご自身の大切なお子さまとなるとどうやら難しいようです。

 

結果を見て『怒る』という行為は最も簡単な行為です。

いや、正直山口もですね、テストの結果を塾生が持ってきたとき(え!これ直前にめっちゃやったとこやん!)とか、(あれだけ口を酸っぱくして言ったのに同じミスしてる・・・)、と思うこともありますし、直接言いたくなることもあります。

 

でも言っても何の意味もないです。

そんなことは本人が1番分かっているからです。

悪いテストの結果で、心底なんとも思っていないお子様は1人もいません。

 

だからどんどん良いところを見つけて褒めてあげてください。

なんでもいいじゃないですか。

『前より5点あがったね。』でも

『字がすごい丁寧に書けてるね!』でも

『最近勉強時間が少し増えたんじゃない?』でも

『お風呂掃除、やってくれてありがとね。』でも

本当に何でもいいと思うんです。

とにかく子どもの良いところは何でもいいので褒めてあげてくださいね!

そして悪い成績が返ってきたら、一緒に悩んであげてください。

『あんなに頑張ってたのに・・・、思ったような結果が出なかったよね?一緒に考えてみようか!』と励ましてほしいな、と思います。

 

ただ最後にですが、何でもかんでも褒めましょう、と言っているわけではありません。

怠惰怠慢が招いた結果や、約束を守らなかった時には、当然しかってあげる必要があります。

 

 

さてそのTくんですが今は大学2年生、大学も見事第一志望の東京理科大学に合格しました。

中学時代、5教科100点を切っていた生徒とはとても思えませんね。

 

子どもはあるきっかけや環境、周囲の言葉で想像もつかないような劇的な変身を遂げることがあります。

ただしそれは1人一人違いますし、一朝一夕で得られるものではありません。

両親が大切なお子さまのことを案ずる気持ち、当然ですよね?

だからこそ言いたくなる気持ちもすごく分かります。

でも大切なお子さまのことですから、もっともっと可能性を信じてあげてください!

 

・・・と、いつも以上に長くなってしまいました。

いつもいつも最後までお読みいただきまして、本当にありがとうございます。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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