後ろから訳していては絶対に訳せない英文

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教室長ブログ

わたし以外わたしじゃないの~♪

以前ちょっと話題になりました『ゲスの極み乙女』というバンドの代表曲ですね。

 

昨日西高生から英文和訳の質問がありまして、出題している大学名を確認したところ『東京農工大』。

そう、ゲスの極み乙女のギターボーカルの方の出身大学の問題なのでした。

 

 

さあそんな山口のしょっぱい雑学はさておき、質問の英文はまったくしょっぱくない。

正直高校3年生以外は手も足も出ないような英文ですが、もし頑張って挑戦してみたい諸君は読んでみてください。

難しいかもしれませんが、学校で学ぶ『英文を後ろから訳す』やり方ではまったく何にもならないことは分かると思います。

早速見てみましょう!

 

 

 

We can identify behavior in animals similar to the human behavior that enables us to assert that humans possess

concepts.

 

 

 

前もってお伝えしました通り、これは高校3年生以外は手も足も出ないはずなので、読んでみてちんぷんかんぶんでも仕方がないです。

でも1つ今後の心構えとして、こういった英文をきれいな日本語に和訳するという作業は、『国語の問題』であるということです。

断じて英語の問題ではない。

 

 

 

英語は英語のまま、英語の語順で読んでいくことが正しいはずなのに、最後に無理やりきれいな日本語にするのはもはや英語の問題ではないですよね?

ですからしっかりと、頭から読んでいく習慣をつけていってほしいと思います。

 

 

ちょっと前にお話しした通り、いくつかある例外を除いてはきれいに『主語 ⇒ 動詞 ⇒ 目的語や補語 ⇒ 前置詞句や副詞』の順番で並んでいます。

一見難解そうな上の例文もそう。

 

 

We can study English.

 

 

We (主語)

can study(動詞)

English(目的語).

 

 

 

 

とまったく同じなのです。

 

訳す順番も 『私たちは ⇒ 学ぶことができる ⇒(何を?)英語を』と訳す習慣をつけてください。

 

 

 

それでは本文に戻りましょう。

その前に単語チェックですね。

 

 

identify = 特定する

behavior = 行動

similar to = 同様の

enable 人 to = 人にto doを可能とする

assert = 断定する

 

 

 

さあこれを踏まえてやってみましょう!

 

 

We can identify behavior in animals similar to the human behavior that enables us to assert that humans possess

concepts.

 

 

さて・・・前回お話した通り、そのまままずは文の要素そうでないものに分けてしまいましょう。

そして肝心の文の要素、『主語 動詞 目的語』は最初に全て出てしまいます。

 

We can identify behavior (S V O の第3文型)

 

We = 主語

can identify = 動詞

behavior = 目的語

 

これをそのままきちんと頭から訳して、『私たちは 特定することができる 行動を』がこの英文の骨格になります。

前回お話しました通り、前置詞を伴ったフレーズは『形容詞のように名詞を修飾する』か『副詞のように動詞や文章を修飾する』と決まっています。

働きしてはおまけみたいなものです。

 

そのまま順番に訳していくと・・・

 

 

We can identify behavior(私たちは特定することができる/行動を)

in animals(動物の中に)

similar to the human behavior(人間と同様の行動を)

 

 

ここでいったんストップ。

名詞”behavior”の後に”that”が続きますが、名詞のあとの”that”はその名詞を修飾すると『決めつけてください』。

では本文に戻りまして・・・。

 

 

 

《behavior》 that enables us to assert 《どんな行動かというと・・・》私たちに《that以下のことを》断定することを可能とする

 

that humans possess concepts. (人間が概念を所有するという風に)

 

 

 

ではもう一度。

 

 

We can identify behavior in animals similar to the human behavior that enables us to assert that humans possess

concepts.

 

 

私たちは特定することができる/行動を ⇒ 動物の中に ⇒人間と同様の行動を (それはどんな行動なのかというと・・・)

⇒ 私たちが《that以下のことを》断定することができる(行動である) ⇒(そしてそのthat以下とは…)人間が概念を所有するということである

 

 

これをすっきり日本語の語順に直すと

 

 

『私たちは、概念を有すると断定することができる人間と同様の行動を、動物の中にも特定することができる。』

 

 

みたいな感じでしょうか?

 

 

でもこれ・・・英語の語順でそのまま左から右に訳した方が早いですよね?

そして意味が諸君の頭の中だけで分かっていればそれでよい。

長文を読むときは絶対にその意識を忘れないでくださいね!

 

 

 

中高生問わず、長文読解に時間がかかってしまう生徒諸君は、みな正確な日本語にこだわってしまっています!

 

①とりあえず1回読んでみる・・・

②???よく分かんないぞ?今度は後ろから訳してみよう・・・

③・・・やっぱりよく分からないな・・・。とりあえず、先に進んでいこう

 

 

・・・のまま長文を読み切ってしまうのです。

見ての通り、英語を英語の語順のまま訳せば1つの工程で済むのに、返り読みをすると2倍の時間がかかる上に、よく分からないという本当に最悪な現象が起きるのです。

 

 

センター試験の大問4~6で時間が足りない諸君、身に覚えがありませんか?

そして国立を受験する予定の諸君、ほとんどの国立大学の2次試験で上のような英文和訳問題が出題されます。

しっかりと備えておいてくださいね!

 

 

何ですと?

 

 

文章ばかりで分かりにくい??

 

 

 

そりゃそうです。

文章だけで理解できるなら、そもそも塾なんて必要ない。

万能な参考書が一冊あればそれで事足りるわけですが、現実は違いますよね?

 

 

上の英文和訳にしても、本来は面と向かって授業をやりながら、諸君がつまづいたところでその都度その都度解説をしていくわけです。

そんなわけでもし興味がありましたら、いつでも教室の方へお越しくださいね!

 

 

大丈夫!

『中3で英検4級に落ちて、英語の点数が20点以下』だった山口でもこれくらいのことはできるようになったのですから、みなさんなら楽勝ですよ!

 

 

さてそれでは最後に、先ほどの英文の赤本の模範解答を載せておきますね。

 

 

 

 

We can identify behavior in animals similar to the human behavior that enables us to assert that humans possess

concepts.

 

 

『人間には概念を有すると断定することを可能にする行動があるが、それと似たような行動を、動物の中にも見て取ることができる。』

 

 

 

見ての通り、日本語と英語では『主語 動詞 目的語』の位置がまったく違うのです。

そりゃ訳すのに手こずるわけですね・・・。

 

 

 

いや!でもね、こういうの読解できるようになると本当に気持ちいいですよ!

それまで読めなかったものが、日本語を読むようにすいすい読めるようになるわけですから。

 

 

 

さあまだまだやれることはありますよ!

 

本日も最後までお読みいただきまして、ありがとうございました。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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