英単語を推測するという謎の幻想と、速読に対する誤解
山口担当の塾生のみなさんはご存知の通り、山口の単語チェックは大分厳しいです。
どの進学校の英語の先生も必ず一度はこういいます。
『分からない単語に出会ったら、その意味を推測できるように!』
ご多分に漏れず、高校時代の山口も英語の先生にそう言われたのですが、これ誤解してはいけません。
『基本的な単語は一通り覚えきったうえで、それでも本番では分からない単語には遭遇するから、その時は止むを得ず単語の意味を推測しなさい』という意味なのです。
なんか文構造だの、前後の文脈からだの推測できるような、そんな魔法のようなテクニックがあるわけではありません。
エスパーかっての!
ですからみなさんも、学校や塾の先生の言葉を鵜呑みにしてはいけません。
単語を覚えなくてもいい免罪符にしてはいけないのです。
そもそも長文読んでて分からない単語に遭遇して、右往左往しながら合っているかどうかも分からない単語を推測するのに時間を割くより、今この瞬間に同じ時間を使って、さらっと覚えた方がはるかに楽ちんだし早いと思いませんか?
そして、ここでいう覚えなければいけない基本的な英単語というのは、ターゲットならターゲット、シス単ならシス単、DUOならDUOを隅から隅まで派生語まで含めて全て覚えつくすことです。
で、これは真剣に単語学習に取り組んだ中高生なら分かりますが、本当に莫大な時間と労力がかかります。
だから英語は毎日やらないといけないのです。
今日勉強した内容なんて明日には忘れていますし、1か月後なんてかけらほども覚えていないでしょう。
私たちの脳は実に都合がよくできており、嫌なことは片っ端から忘れるように作られているらしいのです。
本当かウソかは分かりませんが、もしも人間が目にしたこと、聞いたことを全て暗記してしまうと、脳がオーバーフローしてしまい正気を保てないのだそうです。
・・・で、何度も何度も積み重ねて、初めてみなさんの脳が(あ、これは覚えなければならない重要事項なんだな)と認識してくれるのだそうです。
『どうしても覚えられない!』なんて言っている理由のほとんどが実はこれ。
ただ単純に、勉強量が足りていないだけなのです。
あと、覚えるってのも本当にクオリティにこだわってほしいです。
山口の英単語チェックは実に厳しく(自分で言うなという感じですが)、3秒以内に答えられなければ、できていないものとみなしています。
Dogと聞いて『犬』と答えるのに3秒かかる人はいないでしょう?
もちろん、Dogという単語は私たちにとってあまりにも馴染み深いですし、難しい単語と比較するのは少々酷かもしれませんが、覚えるというプロセスにおいてはまったく同じなのです。
何度も見て、何度も聞いて、何度も『Dog=犬』を連想してきたから、考える間もなくDogが犬だと答えられるのです。
同じレベルで、『apprehension=心配、逮捕、理解』が反射的に出るまで覚える練習が必要となります。
・・・で、これをやるのに遅いも早いもないんです。
さきほどの英単語は英検準1級レベルのものではありますが、これを中学1年生の時に取り組もうが、高校3年生になってから取り組もうが、英単語の難易度が変わるわけではありません。
だとするならば、『英単語の暗記』などという原始的、かつ時間も労力もかかってしまうものは、できるだけ早期に終わらせておいた方がいいに決まっているんです。
『英語は単語ではない』という人もいますが、それは単語をやらなくてもいいという意味ではなく、『単語なんてのはやってて当たり前』という意味であることを肝に銘じていただけたらと願います。
あと『速読多読』ですね!
これはもちろん大切です。
早慶上智、G・MARCH、関関同立、南山大学などをはじめとする英語に力を入れているような大学(旧帝大は言わずもがなとして)では、単語の質も数も桁違いなので、当然最終的には速読力は必要になります。
でも口を酸っぱくして言っておりますが、それは『慣れ』などで体得できるものではありません!
例えばですよ?
あまり日本語が得意ではない外国人のお友達ジョニーが、あなたの目の前にいるとします。
その外国人が日本語を勉強しようとしていて、何やら難しそうな本を読んでいます。
どれどれ・・・ちょっと覗いてみましょう。
【現在では地球を覆いつくし、われわれ地球の住民がそのなかで生きることを余儀なくされている近代的な国民国家は、たとえばフランス革命期や明治維新期などその成立期の文化政策や言語政策が示唆しいるように、強力な国民統合を行うために一言語・一文化主義(したがって多言語・多文化の抑圧)を強行せざるを得なかった。】
だめだめ!
いきなりこんな難しい文章に挑戦しちゃダメだよ!
もっと簡単で、言い回しも難しくない表現から学んで、少しずつ難しいものに挑戦していかなきゃ。
きっとそう伝えるのではないでしょうか?
まさか『日本語も同じ言葉だから慣れなんだよ。たくさん長文読んで慣れていけば、きっと読めるようになるよ。』なんて教えないでしょう?
でも、多くの受験生諸君が直面しているのはまさにこの状況。
こうやって完全1対1で中高生のみなさんを指導させていただいていると、学校で本当に無茶ぶりを要求されているんだな~と本当に痛感する場面に何度も出くわします。
断っておきますが、学校批判ではありません。
本当に適切な過程を踏んで、単語も文法も、読解の技術も積み上げてきた高校3年生に対しては、『土台は出来上がったから、あとは数をこなして慣れていくだけだ。』と言っていいと思うのです。
ただ、それは本当にごく一部の生徒だけ。
ほとんどの中高生のみなさんは、『毎日の積み重ね』と『基本から応用までの段階的な学習』が必要なのです。
『単語は推測だ!』『英文読解は慣れだから数をこなせ!』
これらは英語学習に苦しんでいる中高生のみなさんにとっては、耳障りが良く聞こえるかもしれませんが、断言します。
本当に今英語で苦しんでいるのであれば、そのやり方では絶対に英語力は向上しません。
もちろん、何を信じるかはみなさん次第です。
でも少なくとも、私たちにはみなさんの成績を必ず向上させる環境と、これまでの実績があります。
ただしです。
私たちが提供する環境というのは、決して楽な道ではありません。
むしろ茨の道です。
『毎日勉強しなくてもいいよ!』『完全1対1だから至れり尽くせりで、君が努力する必要なんて何もないよ!』なんて言うつもりはサラサラありません。
みなさんの夢と目標がかなうように、私たちも全力でサポートしていきますので、少なくとも有り余るやる気だけは持ってきてください。
これも断言しますが、やる気がなければ成績なんて上がりません。
やりたくもない、興味もないカバディを練習したってうまくなんかならないでしょう?(すみません、毎回カバディ取り上げて本当にすみません。悪意はないです)。
だから、『絶対に成績を上げるんだ!』『絶対に自分が一番行きたい学校へ行くんだ!』という強い信念を持って来てくださいね!
ちなみにですがもうすでにみなさんご存知の通り、山口は営業めいたトークは一切しませんのでご安心を・・・。
もしも他の塾が良いと思うのであれば、そちらへ行くべきというスタンスです。
体験授業はぜひぜひお気軽に来てくださいね!
では、本日も一日頑張りましょう!