高校受験英語と大学受験英語は、中国語とドイツ語くらいまったく異なります
おかげさまで、山口の冬期講習は定員に達したので締め切らせていただきました。
厳密に言えば、まだ予備で2枠ほど空けておりまして、現塾生から希望があれば指導できるような状態です。
まだ現生徒面談の真っ最中ですので、そこが埋まり次第終了となります。
さて、そんなわけで昨日は久しぶりに中学2年生の男の子の冬期講習がスタートしました。
久しぶりと言いますのも、普段は学生講師の板倉先生が数学を指導しておりまして、英語は夏期講習や冬期講習で受講していただいております。
当塾のブログの『成績優秀者発表』でも時々紹介させていただいております。
その彼なのですが、現在は中学2年生であるにも関わらず、高校1年生の内容を学習しています。
夏の10コマで『現在完了形』や『関係代名詞』『分詞の後置修飾』などが終わってしまい、正直もう高校受験レベルではやることがない、と思っていたのですが、面談の際に『今講習をやる必要はまったくありませんが、やるとすれば高校の内容まで進めていきましょう。』とお話したところ、ご両親も塾生本人もご快諾いただいたのでした。
山口の計画ではこの冬の10回で、『5文型とM句』『過去完了形』『仮定法過去完了』まで終わらせてしまおうと目論んでいます。
さて、正直申し上げますと、彼は冬期講習なんて受ける必要はまったくありません。
今の時点で中学校の内容は全て終わっていますので、もうこれから先は中学校の授業が全て復習になっていきます。
公立高校受験レベルであれば、もうやることはありません。
では、なぜこんな先取り学習をやるのでしょうか??
ここで先日ブログで紹介させていただいた、刈谷高校に通っている塾生の話に戻ります。
彼が中3の冬に入塾してきたとき、実のところ高校受験のことはまったく心配しておりませんでした。
これも正直に言ってしまえば、彼は当塾じゃなくても全然合格できる、と心の中で思っていました。
ただ、彼の第一志望は刈谷高校でしたので、せっかくだから刈谷高校に合格した後を見据えて、中学校の内容は数回の指導で終わらせてしまい、すぐに高校英語に入っていきました。
この時点で、彼が刈谷高校に合格した後も続けるかどうかわからなかったので、春までの4か月で可能な限りの指導をやってしまおうと考えたのです。
そして刈谷高校に無事合格、嬉しいことに塾も続けてくれることになったので、引き続き指導をさせていただくこととなりました。
これは嬉しい悲鳴なのですが、中3の終わりにはセンター試験の問題に取り組んだりしていたので、もう今は旧帝大の二次試験をやったり、4技能対策に取り組んでいます(刈谷高校の授業でやるであろう英文法は、すべてやってしまいましたので)。
さて、ここからが本題です。
刈谷高校の中間テスト・期末テストや実力テスト、とんでもなく難しいです。
もうびっくりのレベルです。
夏の実力テストですが、絶対に授業でやっていないであろう『否定の倒置』がシレっとテストに出ていました。
“Little did I dream that I would pass the exam for Kariya high school.”みたいな文章ですね。
これを訳すにしても、並び替えするにしても、『動詞の強調』『否定の倒置』『過去からの未来予想』などの単元を理解しておく必要があるのですが、当然刈谷高校の授業ではやっておりません。
少なくとも『否定の倒置』は確実に。
これは英語に限った話ではありませんが、こういったテストに直面したとき、高校生は2つに分かれます。
『よし、この問題は理解できなかったから、しっかりとテスト直しして分かるようにしよう!』
『・・・やってもいないのに、できるわけないじゃん・・・。』
大学受験をゴールとするならば、どちらが取るべき思考かは一目瞭然だと思います。
実際に後者の思考を取る生徒は、厳しい話その後まったくついていけなくなると思います。
少し理不尽に思われるかもしれませんが、みなさんの1年後・あるいは2年後の受験のことを考えれば、これが厳しさであるどころか優しさであることが分かると思います。
書店などでご自身の第一志望の過去問に目を通してみてください。
おそらく、今の時点ではまったく理解できないのではないでしょうか?
しかし受験本番に、『やったことがないから分からない』『自分が勉強した内容よりはるかに難しかった』なんて言っても、『そうですか。では違う大学に行くなり、浪人するなりしてください。』てなもんでしょう??
そしてここからが結論なのですが、高校受験を突破するためのための勉強だけでは、高校に入ってからついていけなくなる可能性がかなり高いということです。
断言しますが、
“I’m going to go abroad to study English.”を
『私は英語を勉強するために、海外へ行くつもりです。』
と訳している中学生は、高校に入ってから一気に脱落してしまう可能性が高いです。
高校受験くらいの文章は、一つの文章が5単語程度、長くても15単語程度で構成されているので、この返り読みでも全く問題がないのですが(というよりは対応できてしまうという表現が正しいです)、これくらいの長さになるとお手上げのはずです。
And only by combining toghether , passing on acquired knowledge , and making plans could men conquer this fear and turn what had been cause of terror to their own advantage.(29words)
愛知県の某中堅大学の長文より抜粋しました。
この文章、長いですがきちんと正しい学習法で学んだ高校生なら訳せるはずです。
逆に、高校受験を突破するためだけの勉強をしてきた高校生では、まず太刀打ちできません。
しっかりと文の要素であるSVOCと、修飾句であるM句、そして準動詞の知識と前から訳すという習慣ができていれば、ストレートに読み下せるはずです(単語は言わずもがな、学習しておく必要がありますが)。
西尾高校や西尾東高校、岡崎高校や刈谷高校、刈谷北高校、安城東高校など、いわゆる進学校と言われる高校に入って、スタートの時点では同じくらいだったのに、大きな差ができてしまうのはそのためです。
さあ長くなってしまいましたが!(笑)
大学受験までを見据えているなら、中学生の内からそこに合わせた学習をしておいた方が絶対に楽です!
この山口担当の刈高生と今でも、『つくづく先取りしといてよかったね。』と話すことがあります。
高校受験のための英語学習だけでは、いわゆる英語に力を入れている高校の授業にはまったくついていけなくなる可能性があります。
特に、『中学校の頃は得意教科だったのですが・・・』と言う高校生のほとんどがこれです。
はっきり言ってしまえば同じ英語なのに、中国語とドイツ語くらい違うことをやっていると思ってもらって構いません。
まだまだ書きたいことがありましたが、授業が始まりますので今日はこの辺で!