『○○大学には行きたくないんです!』なんて言いますが・・・(新高校3年生のみなさんへ)

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雑談

当塾の塾生からは一度たりとも聞いたことがありませんが、以前勤めておりました塾では、生徒からよくこんな声を聞きました。

 

『○○大学には絶対に行きたくないんです。』

 

なるほど・・・でもなんでなんだい??

 

『いや~Fランだし、恥ずかしいじゃないですか。』

 

 

ちなみに山口、このFランという言葉があまり好きではありません。

その大学で頑張っている学生に対して失礼極まりないですね。

それに厳しい話、そういうことをいう受験生に限って、その本人が行きたがらない大学すら厳しいという現実があったりします。

本当に頑張っていて、結果を出している受験生の口から、『Fラン』だの『○○大学には行きたくない』なんて言葉は聞いたことがありません(もしかしたら思ってはいるかもしれませんが・・・)。

 

 

さて、問題はここからです。

次の長文にさっと目を通して見てください。

(多分見にくいと思いますのでタイピングします)

 

右下に『多摩大』と書いています。

 

※『リンガメタリカ(Z-KAI)より抜粋』

この多摩大学の偏差値ですが・・・。

偏差値37.5 または35と発表されています。

 

ではこれから画像の長文をタイピングしていきます。

心して読んでみてほしいです。

 

【Globalization and Japan】

One of the most pressing question Japan is now facing is how to restructure its postwar economic and business systems in a rapidly changing external and internal enviloment . “Globalization” is the key phrase that describes the direction in which the Japanese economy is heading . There are , however , many problems that Japan must overcome in order to win the trust of the global community .

For a long time , internationalization was associated with Westenization or Americanization in Japan . Japan borrowed what it saw as the necessary parts of Western culture , science and technology and used them to pursue its own development for its own benefit . However , the current trend of rapid globalization demands that Japan must assume its relvant economic and political responsibilties in ordet to achieve world peace and prosperty.   ・・・・・.

 

ちょっと疲れてしまったのでこの辺で!

でもこれだけあれば充分ですね。

みなさんスラスラと読めましたでしょうか??

 

まだ語彙力が充分でない高校1年生は読めなくても大丈夫です。

高校1年生でこれがスラスラ読めたなら、おそらく塾や予備校などに通う必要はありません。

 

ただしこれから受験生になる新高校3年生、諸君の中でこれが読めないのであれば、真摯に今の自分の英語力を再確認し、検挙な姿勢で学習することをお勧めします。

みなさんセンター試験まであと10か月ほどですよ??

 

そして先ほどお伝えしました通り、この長文はおそらく受験生のみなさんが行きたがらなないような、偏差値40を切っている大学なのです。

みなさんの第一志望の大学の偏差値はいくつですか??

 

この長文を読むのに、もちろん精読のテクニカルな技術が必要になりますが、そもそも単語をやっていなければ手も足も出ません。

ちなみに余談ですがこのリンガメタリカ、長文と訳と各テーマのまとめが載っているだけで、読解の手助けは一切ありません。

もし精読に自信がなければ、ある程度の精読のルールを身に着けてから手を出すことをお勧めします。

 

 

それでは一行目だけ精読してみましょう(そもそもその一行目が相当長いのですが・・・)

あ・・・先に言い訳しておきますが、文字だけの解説だと分かりにくい部分があることをご了承ください。

(ただし口頭での解説ならば、100%理解していただけるはずですので、もし興味がございましたら遠慮なく声をかけてください。)

One of the most pressing question Japan is now facing is how to restructure its postwar economic and business systems in a rapidly changing external and internal enviloment .

 

まずは主語の特定から。

当塾の塾生ならご存知の通り、主語は単語一語で特定してください!

『ここからここまでが主語な~』というのは混乱を招くだけです。

ルールは簡単で『前置詞がついていない最初に出てくる名詞を探す』これだけです。

・・・なんていうと、『いや、倒置とか分詞構文だったらどうするんですか??』なんて声が聞こえてきそうですが、それは見た目ですぐに分かりますのでまずは基本ですね。

基本があっての例外ですから。

 

この原則に従うとこれが主語になります。

 

One of the most pressing question Japan is now facing is how to restructure its postwar economic and business systems in a rapidly changing external and internal enviloment .

 

簡単ですね。

でこの文章ですが学校の先生がよく言う『頭でっかちな主語』なのです。

でもそれを特定する前に、次は主節動詞を探してみましょう。

主節動詞とは文章の中で核になる動詞です。

 

主節動詞はこの『is』です。

ちなみに手前の『is』は主節動詞ではありません。

なぜでしょうか??

 

One of the most pressing question Japan is now facing is how to restructure its postwar economic and business systems in a rapidly changing external and internal enviloment .

 

理由は簡単で、『関係詞が絡んだ動詞は絶対に主節動詞にはならない』というルールがあるからです。

高校2年生以上の塾生ならご存知ですね。

 

(いや、でもこれ手前の『is』に関係詞なんてついていないんですけど・・・。)なんて声が聞こえてきそうですが、こうなっています。

 

One of the most pressing question(that) Japan is now facing

 

そうなんです。

questionを先行詞としていて、同格のthatが省略されているんですね。

というわけでこの is は、that絡みの動詞ということで主節動詞にはなりません

 

ちなみにですがthat以下は完全文になっていますので、このthatは関係代名詞ではなく同格です。

ただ、同格のthatが省略されることは稀です(※この辺はかなりマニアックですので、本当に英語を研究したい方だけがこだわってみてほしいです)。

 

そう、だから2番目に出てくるisが主節動詞なんですね。

 

One of the most pressing question Japan is(これはおまけ) now facing is(こっちが主役) how to restructure its postwar economic and business systems in a rapidly changing external and internal enviloment .

 

これでOneからfacingまでが主語だと分かりました。

主語の訳は『現在日本が直面している最も差し迫った問題の一つ』となります。

 

これでSとVが特定されて、なおかつ動詞がisであることから、次に来るのはC(補語で)あることがわかります。

”how”が作る固まりは必ず名詞節というルールがありますので、うんもすんも言わさずこの”how”のかたまりが補語です。

 

ちなみに、『前置詞がついた名詞は絶対にSVOCにはならない』というルールがありますので、後半の『in a rapidly…』部分

までが、how節が作る補語のかたまりです。

 

One of the most pressing question Japan is now facing is how to restructure its postwar economic and business systems in a rapidly changing external and internal enviloment .

 

この赤字部分が補語ですね。

細かい説明をしたいところですが、すでに4000字を超えてしまいましたので、ここは訳だけです。

『戦後の経済とビジネスのシステムをどのようにして再構築していくのか』みたいな感じです。

 

後半の『前置詞がついた名詞のかたまりはM句(修飾句)』ですので、文章に付け足すだけでOKです。

 

One of the most pressing question Japan is now facing is how to restructure its postwar economic and business systems in a rapidly changing external and internal enviloment .

 

『国内と国外の環境の急激な変化の中で』

 

というわけで、この精読したものを頭から訳していくと、

 

One of the most pressing question Japan is now facing is how to restructure its postwar economic and business systems in a rapidly changing external and internal enviloment .

 

現在日本が直面している最も差し迫った問題の一つは / 戦後の経済とビジネスのシステムをどのようにして再構築していくのかということである / 国内と国外の環境の急激な変化の中で

 

きれいな日本語にまとめると『現在日本が直面している最も差し迫った問題の一つは、急激に変化している国内および国外環境において、戦後の経済と美辞セスのシステムをどのように再構築したらよいかということである。』

 

 

・・・すいません、口頭でならもっときちんと説明できるのですが、いかんせん文章ですので分かりづらい部分もあるかと思います。

 

しかしながら、みなさんが10か月後に戦う相手というのは、これくらいのレベルの長文は想定しておかなかければなりません。

 

出なければいいんです。

でも出てしまったらどうしますか??

もう一度お伝えしますがこの長文を出題した大学は、偏差値40を切っている大学なのです。

もしこの長文に手も足も出なかったのであれば、厳しい話、今の君は大学を選り好みする立場にありません。

 

これくらいの文章を読もうとするならば、精読のための文法知識はもちろん大切なのですが、それ以前に大前提として、『英単語の意味を知っておくこと』はマスト中のマストです。

 

どれだけ精読の知識やスキルがあっても、単語を知らなければ手も足も出ません。

 

そしてその単語の暗記は、指導する側ではなく、ひたすらに君たちが頑張らなければならないことなのです。

 

遊んでいる暇はありますか?

今日はいいやで先延ばしにするほどの余裕はありますか??

 

みなさんと同じ大学を受験するであろう全国のライバルたちは、きっと今この瞬間も勉強しているはずです。

『明日から頑張ろう』ではなく、今日から頑張ってください!

 

 

 

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