冗長な英作文は百害あって一利なし

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雑談

冗長な文章・・・。

 

分かりやすく言うと、いつもの山口のブログのような文章は『冗長な文章』と言えます。

 

とにかく回りくどい(笑)。

 

 

ですがとかく日本語の文章は冗長なものが多いと思います。

それは直接的な表現が相手に対して失礼であるとする、日本人の美徳のようなものも密接に関連していると思います。

 

政治や国際的なシーンでも、マイナスな場面では『その件に関しましては前向きに検討を・・・』『この度の結果については誠に遺憾に・・・』などと、ストレートな表現は避けられがちなのを見たことがあると思います。

 

ただし英語は別です。

 

英語はできるだけシンプルな表現が好まれます。

もちろん受験英語も、英検やTOEFLなどの、スピーキングやライティングが必要になる試験でも。

 

例えばこんな日本語の文章があったとします。

『典型的な新興企業の場合、大手銀行からは融資を受けられない可能性が高い。』

 

In the case of typical startup,the posibility is high that it will be unable to get loans from major banks.

 

ちなみにですが、このような『一回きりの行動』に対しては、”can”よりも”be able to”などが望ましいです。

canを使うのは能力や習慣(例えばplay や speakなど)の場合ですので、今回は使わない方がベターです。

 

さて、それにしてもこの文章はどうでしょうか??

もちろん、日本語をそのままに英語に直し、文法の間違いなどもありませんが、英語的には非常にまずいと言えます。

 

まずシンプルに長すぎですね。

 

あとは主語をそのまま、『可能性=the possibility』にしてしまったので、何がテーマなのかぼやけた文章になってしまっています。

 

ここはシンプルにこう!

 

A typical startup will probably fail to get loans from mejar banks.

 

大切なのは『可能性』ではなく、『新興企業が融資を受けられない』ということ。

主語を可能性にして文章を考えると、どうしても最初のような冗長な文章になってしまいます。

加えて、in the case ofもこの文章なら必要ありませんし、be unable to もfail toにすることで、すごくすっきりしたと思います。

 

何よりも、聞き手や読み手が分かりやすいですね。

 

プレゼンやディベートの目的は、長ったらしい難しい表現を使うことではなく、その場にいる人全員に、『いかにシンプルかつ迅速に自分の主張を伝えるか』なので、回りくどくて小難しい表現は好まれません。

 

というより、そもそも自分が不利になるばかりです。

 

 

 

 

次の例。

 

『私はストレスを感じていたため、眠れなかった。』

 

 

①I could not go to sleep because he was under stress.(11語)

もちろんこの文章は間違っていません。

しかし日本語の主語は『人』が多いため、今主流となっています『100~300単語で自由英作文』みたいな課題になると、最初から最後まで『I』が主語の文章ばかりが続いてしまうことになります。

 

 

ちなみに山口はこんな感じで書きました。

②Stress prevented me from sleeping.(5語)

 

 

定番の『無生物主語』を使った表現です。

これなら『I』が連発する文章から脱出できます。

もちろん、prevent は keepでもOKです。

 

ちなみにこれもOKですね。

Stress caused me to lose sleep.

 

もちろんcauseの基本的な意味は、『引き起こす』なのですが、実は『get O to do』と同じ用法があり、ターゲットやシス単などの単語帳を開くと『cause O to do=Oにdoさせる』と載っています。

 

余談ですがこのように、動詞の語法は多岐にわたるので、『単語の意味を覚える』という作業は入り口のさらに入口です。

細かい動詞の用法まで覚えて初めて受験で使えるレベルと言えますので、高校3年生においては、『単語の意味を覚える』という過程は今の時点で終わっていないと相当厳しいということをお伝えしておきます。

 

受験生は今は単語帳やネクステは複数周回していて、授業や模試で覚え忘れがあったら都度都度修正していくという段階に入っていなければなりません。

 

 

さて、話が反れましたが先ほどの問題、模範解答はなんとこう書いてあります。

 

Stress gave me insomnia.

 

なんと驚愕の4語(笑)。

 

でもグダグダ書かれるよりも、シンプルで非常に力強く、何よりも誰が見ても一瞬で理解できる文章ですね。

 

 

国立二次の文章などで、『日本語を直訳した英文』や『本来シンプルで伝えるべきところを、冗長に書いてしまった英文』は嫌われます。

採点者は何千人もの英文を読んでいくのです。

 

それも『100~300単語の英作文』を。

 

ダラダラと書かれた文章は読み手にいい印象を与えませんし、何よりもミスを生み出す可能性を増やしてしまいますので、まさに『百害あって一利なし』なのです。

 

 

最後に受験生の神様、竹岡広信先生の『ドラゴンイングリッシュ』から一文抜粋させていただきます。

交通量の多い通りを、信号が青に変わらないうちに横断するのはとても危険です。』

これは先に模範解答を書かせていただきます。

 

It is very dengerous to cross a busy street before the light turns green.

 

細かい解説はぜひぜひ本書を手にとっていただくとして、今回はこのbusy streetの部分だけ。

 

この部分はもちろん a street where many vehicles come and go hastily ・・・なんて書いてもいいのかもしれませんが、日本語をそのまま英語にした感は否めません。

 

都築先生に確認したところ、『本当に車が行ったり来たりしているという印象を与えるだけ』とのことでした。

 

busy一言の方がよっぽど力強くて、相手に伝わりやすいですよね。

 

 

日本語と英語は構造も、生まれた背景も全く違うので、同じ土俵で考えるのがそもそも厳しいです。

英語独特の表現に慣れる、色々なパターンの主語で文章をかけるようにする、形容する言葉を極力シンプルに置き換える・・・みなさんがやるべきことはたくさんありますが、それは独学では厳しいものがあります。

 

ぜひぜひ学校や塾の先生に添削してもらうなどして、『シンプルで力強い表現』を手に入れましょう!

 

 

そんなわけで塾生限定となりますが、『都築先生の4技能対策』のモニターを募集しております。

ただしまだ準備している段階ですので、スタートの時期などはもう少し先になります。

 

また、これが大切なのですが、条件があります。

・学習習慣がついている

・出された課題はしっかりとこなす

・いずれ英検準1級を受ける予定である(それくらいのやる気がある)

・現時点で高校3年生ではない

 

一言で言えば『やる気があるかないか』です。

今のところ1名決定しておりますが、ゆくゆくは5人くらいで『4技能対策』ができればと考えております。

 

さあそんなわけで、今日も一日頑張りましょう!

 

 

 

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