高校受験は最終目標ではない
昨日教室の掃除をしていたらゴミ箱にこんなものが・・・。
いや~いいですね!
きっと自習中に己を奮い立たせるために、目の前にこれを貼っていたんでしょうね。
当塾のルールは厳しく、『自習中に寝たら即退場』『以降ブースの使用は永久禁止』となっていますが(正確には最近さらに厳しくなったのですが)、やはり眠気に任せてだらしなく寝るのと、何とかして寝ないようにするのでは全く違うと思うんですよね。
正直みなさんが眠いことなんて百も承知です。
夜も遅くまで勉強して、早朝補習のために早起きして学校で一日中勉強して、部活動も頑張って・・・なんて毎日を送っていたら、そりゃあ眠くもなるでしょう。
当然です。
ただ、眠くならないというのは不可能だとしても、眠らないよう努力をすることはできるはずです。
外に出たり深呼吸をしたり、やれることはいくらでもあるはずで、それでもどうしようもないなら、その日は帰って休んだ方がいいです。
みなさんの日常生活の事情はさておき、それでだらしなく自習スペースやブースで寝られて、他の頑張っている塾生に弛緩した空気を伝播させることは、はっきり言って迷惑なのです。
どうしようもないほど眠いなら、その日は帰ってしっかり休んで、また明日から頑張ってください。
・・・て、今日はその話ではないです。
先日担当してる刈谷高校の男の子の個表が返ってきました。
当ブログでも何度も紹介させていただいていて、もちろん成績も優秀なのですが・・・実は刈谷高校に合格してからしばらくの間は、刈高の厳しい洗礼を受けたのでした。
彼は中学校3年生の11月に入塾してくれたのですが、山口は正直刈谷高校に受かるかどうかはまったく問題視していなくて、すぐに2年後3年後のことを考えていました。
中学校の成績に関して言えば、当時の全県模試で愛知県全体で50番くらいだったので、そりゃあ刈谷高校には合格するでしょうと確信していました。
しかしながら、もちろん刈谷高校合格が彼の最終ゴールではないのです。
よく『岡崎高校○○名合格!、刈谷高校○○名合格!西尾高校○○名合格!』という宣伝を、校舎の軒先でデカデカと告知している塾がありますが、確かにそれはそれで素晴らしいことですし、高校合格が最終ゴールであれば、何も心配することはありません。
しかしながら、『高校に合格するための学習』と『大学に合格するための学習』は似て非なるもので、まったく別物なのです。
大学の第一志望合格をゴールとするならば、中学生の頃からそれを意識した学習をするべきです。
It is difficult for me to study English.を『私にとって英語を勉強することは難しい。』と訳してしまったり、I’m going to go abroad to study English.を『私は英語を勉強するために、海外へ行く予定です。』と訳してしまう中学生諸君は、高校受験には成功しても、高校入学後に大いに苦労することになります。
上記のように訳すことは、公立高校入試には大いに効果的ではありますが、下記のような文章になるとまったく手も足も出なくなります。
“To give a sports commentary in the language of the Bible or a church sermon in legal language would be either a bad mistake , or a joke.” (早稲田大学)
もちろんこの文章はかなり難しいので、バリバリの受験生でも相当厳しいはずです。
今現在高校2年生くらいまでの中高生諸君は手も足も出なくても構いませんが、公立高校に合格するためだけの学習をしてきた中高生諸君は大いに苦労することになります。
それはもちろん、中高生のみなさんのせいではありません。
公立高校に合格するためだけのテクニックを叩きこんだ、指導者の責任です。
話を元に戻しましょう。
その刈谷高校の塾生ですが、入塾時に最初に彼に伝えたのが、『刈高は全員が自分自身みたいな連中ばかりだと思った方がいいよ。』ということでした。
もちろんこれは岡崎高校、西尾高校、もちろん時習館や岡崎北高校などその他の進学校全てに当てはまります。
事実、刈谷高校に合格したばかりの頃は、おそらくは彼がこれまでに取ったことがないような悪い結果が返ってきました。
しかしながら山口個人はまったく心配していませんでした。
正直自分の予想を上回るくらい下ブレた結果ではありましたが、中学の頃から大学受験を見越した指導をさせていただけていたこと(もちろん、そのことに本人もご両親もご理解してくれていたこと)、そして何よりも、本人が不屈の精神を持っていたので、最終的には必ず上がると確信していました。
そして先日最新の結果を持ってきてくれたのですが・・・しまったー!山口としたことが本人確認を取っていなかった!
というわけで、次回確認を取らせてもらったら、刈谷高校1年生の頃の成績と、最新のものを紹介させていただけたらと思います。
よく聞く話ではあると思いますが、『刈谷高校や西尾高校に合格したけど、周りのレベルにまったくついていけなくなってしまった・・・。』という類の内容を耳にすると思います。
当たり前の話ではありますが、岡崎高校や刈谷高校は、各中学校の上位1~3%くらいまで、西尾高校なら上位の5~10%くらいまでが集まってくるわけですが、その中にも序列はもちろんあって、岡高、刈高、西高で成績トップの者もいれば当然ビリの生徒だっているのです。
その明暗を分けるのは大きく二つ。
ゴールを先の大学受験に設定しているか、また自分の予想よりも悪い結果が出ても、心を折られずに修正していける精神力を持っているかの2点です。
運悪く高校受験に合格するだけの指導を受けてしまったとしても、心配はありません。
有限ではありますが、高校3年間という時間を有効に使えたならば、その後れはしっかりと取り戻すことができます(もちろん、それが高校2年生、3年生と遅れるほど、その負荷は大きくなっていくことは言うまでもありません)。
ただし悪い習慣というものは、長い時間がかかっていればいるほど、矯正するのにも比例して長い時間が必要となるのです。
スポーツや楽器と同じです。
新しい高度な技術を伝えることよりも、間違って身に着けてしまった悪いクセを修正することの方が、はるかに大変なのです。
それはもう『百害あって一利なし』です。
進学校に進もうとしている中学生のみなさん、また進学校に進んだはいいが大きな壁にぶつかってしまった高校生のみなさん、みなさんはもちろん最終ゴールは大学合格のはずです。
もしも今の結果や学習法に疑問を感じているのであれば、今が何かを変えなければならない時なのかもしれません。
さて最後に、今回紹介した刈高生の男の子は、全国偏差値は70を超えてはいますが、先に述べた通り、高校に入学してからしばらくは、なかなか結果が出ずに苦しい思いをしたのです。
『〇〇高生だから成績がいいのは当たり前じゃん!』なんて思わないでほしいのです。
彼は西尾市内には住んでいないので、毎日塾に来れるわけではないのですが、毎週土曜日は受験生よりも誰よりも早く教室にきて、最終最後の22時に帰宅するというルーティンを、入塾以来一度たりとも欠かしたことがないということを最後に付け足しておきます(模試の日は除く)。
自分の結果が芳しくなかったのなら、間違った指導法で教わっていない限り、ほとんどはただの学習不足です。
まずは本当に自分の学習量が足りているのかいないのか、真剣に考えてみてください。
・・・と、相も変わらず長い文章になりましたが、本日も一日頑張りましょう!