英単語学習の進め方(高校生編、中学生についてはまた後日ご説明いたします)
・・・というわけで、ガラガラの教室に1人というのはかなり違和感というかさみしいですね・・・。
今現在、高校3年生・中学3年生を中心に、5月7日以降のカリキュラムの修正を進めていたのですが、ふと『英単語の学習の仕方』について、塾生はもちろんですが、保護者様にも共有していただけたらと思い立ち、遅筆ながらブログを書き始めた次第です。
【英単語さえ覚えれば、塾や学校に通わなくても7割は取れる】
飽くまでも持論ですが、そんなに的外れではないと思います。
ただし英単語だけでは7割が限界です。
7割で受験できるのは偏差値が50ちょっとくらいまでの大学でしょうし、その他の教科がニガテならば、当然8割も9割も取る必要があります。
英語という教科はなぜか優遇されていて、旧センターでも200点の配点でしたし、私立大学でもほとんどが他教科の1.5~2倍のウェイトをしめています。
文系理系問わず、『英語を制する者は受験を制す』と言えますし、英単語学習はその中でも基本中の基本、野球ならキャッチボール、サッカーならインサイドパス、バスケならレイアップシュートくらい『できなければ話にならない』ものだと認識しましょう!
【とは言っても・・・山口『ターゲット完璧に覚えたけど偏差値が40のままだった』って言ってたやん!】
そうなんです。
過去のブログでも書きましたが、偏差値が40未満で勉強もろくにしていなかった高校2年生の山口、『早稲田大学に行きたい!』と思い立ち、当時の英語の先生に相談したところ、『え・・・と、と・・・とりあえず英単語を覚えた方がいいかな・・・。』と答えが返ってきたので、早速島の本屋さんへ行って『ターゲット1900を』をゲットしました(先生、本当に無茶なご相談に乗っていただき、ありがとうございました。)。
体力にだけは自信があった山口、とにかく来る日も来る日も単語を覚え続け、ついに半年後にはターゲットの赤文字は完璧に覚えました!
(これでいける!)と思って臨んだ忘れもしない高校3年生4月の模試、見事に撃沈・・・というか偏差値40(※もともと30台だったので、実は多少上がりはしたのですが)。
後に判明するのですが、英単語はただ暗記するだけではダメだったのです。
【ここからが本番!英単語の正しい学習の進め方!】
そもそもですが、当塾の塾生の単語帳はなぜこんなにボロボロになっているのでしょうか?




ただ単語帳をペラペラめくって、音読したりする程度ならそもそもここまでボロボロにはならないですよね?
そうなんです。
一口に『英単語を覚える!』といっても、段階が3つほどあります。
それをこれからご説明させていただきますね。
【第1フェーズ : とにかく単語帳の赤文字の意味だけを覚える】
単語帳そのものは何でもOKです。
有名どころだと『ターゲット1900』『システム英単語』最近だと竹岡先生の『LEAP』などでしょうか?
個人的には『DUO』や『鉄録会』などは、大学受験だけを考えるならば内容が重たすぎるので、東大や京大、早慶上智や国際教養大学などの、英語最難関の大学を希望する生徒以外にはお勧めしません(山口は大好きなので両方持っていますが、受験生のみなさんは英語だけやればいいというわけではありませんので)。
とにもかくにもお手元の単語帳の赤文字だけをひたすら覚えてください!
1日にこなす量は、高校1年生なら10単語前後、2年生なら頑張って15単語ほど、高校3年生は現在の語彙力にもよりますが、ざっくりと夏前には文系なら2,000単語、理系なら1,500単語ほどを覚えられるような計画を立てなければなりません。
約3ヵ月弱ですので90日と考えると1日20単語ほどでしょうか?
ただし後述しますが、単語というものは『基本的に忘れるもの』です。
1日に20単語というのはまさに取らぬ狸の皮算用で、頑張って30単語ずつくらいは進めておいた方がよいです。
【第2フェーズ : 日本語でも意味が分からない単語に取り組む】
例えば山口の手元にある『ターゲット1900』で”commit”という単語を調べると、このように記載されています。
『commit (commit oneselhf または受身形で)深く関わる;(罪など)を犯す commit oneself to … …に献身する、深く関わる』
さて・・・みなさんはこれを見てcommitという単語のイメージが湧くでしょうか?
また、仮にこの解説を頑張って丸暗記したとして、実際の英文で瞬時に訳すことができるでしょうか??
またはcommitという単語を使って英作文ができるでしょうか???
おそらく相当厳しいのではないかと思います。
こういった、『単語帳の訳や説明を見てもよく分からない単語』は必ず出てきます。
訳や使い方が分からない単語というのは、実践ではほとんど役に立ちません。
そういった単語はとにかく付箋でも貼って、全部山口をはじめとする英語担当講師に丸投げしてください。
必ず納得がいくまで説明いたします。
ちなみに文章だけだと伝わりにくいかもしれませんが、”commit”という単語のイメージは、『めちゃくちゃ頑張る』でOKです。
某ラ〇ザップのCMでも『結果にコミットする』なんて言ってますよね?
あれは『結果にめちゃくちゃ頑張る』と言っているのと同じです。
コアのイメージは、『自分自身を何かに重ねて頑張る』感じ。
実際の例文ですと、”I have commited myself to studying English.”
直訳は、『わたしはめちゃくちゃ頑張っている 私自身を英語の勉強に重ねて』⇒『私は英語の勉強をめちゃくちゃ頑張っている。』。
ちなみに注意するのは、文中の”to”は不定詞ではなく前置詞なので、続く動詞は原形ではなく、動名詞にしなければなりません(もちろん名詞もOK)。
なお、この”commit”という単語は、”devote”や”dedicate”とも置き換えられます(意味も用法も)。
どうでしょうか?
第1のフェーズとは異なり、今度はたった一つの英単語に対してここまで掘り下げることができました。
『英単語を覚えれば7割は取れる』と言いましたが、実際のところは『ここまで完璧にやりこんだら』という条件付きです。
『赤文字だけを覚える』のでは7割取れることもあるかもしれませんが、運が悪ければ半分以下の点数になることもあるでしょう。
【第3のフェーズ : 語法まで完璧に仕上げる】
第2のフェーズに通じるものがありますが、ここまでやりこめば安定して7割以上の点数が見込めます。
ちなみに申し訳ございません。
先にお伝えしておくと、これを全部説明するととんでもない分量になりますので、かなり割愛して書かせていただきます。
例えば”bore”という単語を引いてみます。
すると〇『退屈させる』と書いてあります。
×『退屈する』ではなく、〇『退屈させる』なんですね。
だから”You are boring.”の訳は、『あなたは退屈していますね。』という意味ではないんですね。
飽くまでも”bore”の意味は『退屈させる』なのですから、上の英文は『あなたは(周りを)退屈させていますよ!』という真逆の意味になってしまうんですね!
その他にも、中学生が学ぶ”interest”という単語も、もしかしたら『興味を持つ』と覚えている中高生も多いかと思いますが、辞書をひいてみるとはっきり『興味を持たせる』と書いています。
実際のところ、公立の中学校ではまず例外なく『私は野球に興味があります。』を”I’m interested in Baseball.”と教えますが、ネイティブは平気で”Baseball interests me.”なんて言ってしまいます。
これは他動詞に対する概念が、そもそも日本人と欧米人では異なるというところからきているのですが、成績が良い子もそうでない子も同時に集団で指導しなければならない公立の中学校では、そこまで教えることが難しいという現状があります。
ですので、公立の中学校が間違っている、と言いたいわけではなく、『公立の中学校では教えられる内容に限界がある』というのが正しいです。
少し話が反れましたので元に戻します。
また別の単語、”allow”をひいてみましょう。
するともちろん意味は『~を許す』と書いているのですが、ここでもう少し踏み込んで細部にまで目を通してみてください。
すると語法のところに『allow A to do Aが~するのを許す』なんて書いてるわけです。
すっごいシンプルな文章で説明すると”My mother allowed me to use an i-phone.”で
『私の母はアイフォンを使うことを許してくれた。』くらいの意味になるかと思います。
ただしここでもう少し踏み込んでほしいのです。
この『動詞 人 to do 』の形って、どこかで見たことがないですか??
そう、高校1年生の最初の授業でやる、5文型『SVOC』のgetとまったく同じなんですね。
例えば、”I got him to help with my homework.”で、直訳『私は彼に宿題を手伝わせた。』⇒『私は彼に宿題を手伝ってもらった。』なんてのがあったかと思います(※本当は高校1年生は今頃これを学校の授業でやっているはずなのですが…)。
つまり先ほどの”allow”という単語も、本質は『(許して)~させる』が正しい意味なのです。
ついでに”encourage”という単語も調べてみてください。
すると、『を励ます』なんて書いてあるのですがその下に、”encourage A to do”『Aに~するように励ます』と説明があります。
そう、これもなんと”allow”とまったく同じで、『動詞 A to do』の形取っていて、正しくは『(励まして)~させる』という使役の動詞なのです。
だから似たような文章で、”My mother encouraged me to study hard.”なんて文章があったら、△『母は私が勉強をするよう励ました』というよりは、〇『母は私を励まして、めちゃくちゃ勉強させた。』という使役のイメージが正しいです。
ちなみに余談ですが、対義語の”discourage”『を落胆させる』ですが、用法が変り”discourage 人 from doing”となるので注意が必要です。
ですので例文にすると”What my mother said discouraged me from studying.”『母の言葉が私の勉強する気を無くさせた。』みたいな感じになるんですね。
ちなみにdiscourageは、prevent,keep,reflainなどの単語と同じ用法です。
【最後に】
どうでしょうか!
これまで『単語だけ覚えてればまあ何とかなります』みたいなことを言ってきましたが、実はここまで掘り下げてほしいです。
ちなみに当塾ですと、『自習室通い放題!全教科質問し放題!』ですので、これくらいの内容でしたら授業でやる必要はありません。
全て無料の質問対応で、完璧に分かるまでお答えします。
だから少人数を貫いているんですね。
100人も200人も塾生がいたら、とてもじゃありませんが対応できませんので・・・。
当塾なら、他塾が授業や夏期講習などでやるような内容も、全て無料の質問対応で解決いたします。
話を元に戻します。
山口がよくいう『ターゲットを全部覚えたのに、偏差値が40だった』というのは、『赤文字だけを全部覚えただけだった』だからなんですね。
厳しい話、それだけでは受験レベルでは使い物にはならないのです。
そこで第2フェーズ、第3フェーズまで踏み込んでいく必要があるのですが、それはなかなか一人では難しいものがあります。
だから質問に来てほしいのです。
第1のフェーズ、これは誰でもできます。
ひたすら音読してください。
隙間時間に目を通してください。
ご飯食べる時もトイレやお風呂の時も、電車で移動しているときも片時も離さず単語帳を持ち歩いてください。
だから当塾の塾生の単語帳はボロボロになるのです。
第1のフェーズ『赤文字の意味を覚える』は、ただただみなさんが頑張ることです。
第2や第3のフェーズですが、塾生諸君はどんどん質問に来てください。
わかるまでとことん付き合います。
非塾生のみなさんは学校の先生、もしくは塾の先生に質問しに行きましょう。
そのために学校や塾があるのです。
厳しいことを言えば、せっかく死に物狂いで英単語を覚えても、第1のフェーズどまりでは無駄骨です。
しっかりと時間をかけて、第2第3のフェーズまでやり切ってください。
そう考えると、実はコロナウィルスで学校の授業が停まっている今は、逆に好機ともいえるのです。
これらの労力がかかるものに、無心に取り組める時期なのですから。
昨日のブログで『1日10時間英単語の暗記だけでもいい』と申し上げたのはこれが理由です。
英単語の暗記にしっかりと時間と労力を割いてほしいと切に願います。