目標や残された時間で英語の学習の仕方は変わります
…というわけで昨日の続きなのですが、教室が暑い!

窓全開でも汗ばむくらいです。
手前の机が散らかっておりますが、これは山口の授業準備の残骸ですね。
この陽気なら5月7日も快適に開校できそうですね。
さて、今日の本題に入る前に、高校生のみなさんにお話ししたいことがあります(特に3年生です)。
まずは多くの部活を頑張っている高校3年生、夏の高校総体が無くなってしまって本当にやるせない思いをしていることと思います。
これについて世間では、『高体連は早期に英断を下した』みたいな意見が散見されておりますが、本当にそうでしょうか?
もちろん、コロナウィルスが及ぼす影響を考えるならば、当然中止の決断は正しかったのだろうと思われます。
ただ、みなさん自身は本当にそう思いますか??
もしかしたら5月6月に国民一体となって自粛することで、コロナウィルスが鎮静化するかもしれない。
もしかしたらコロナウィルスが日本の湿気や暑さに弱くて、問題にならないくらいに弱体化するかもしれない。
今すぐは無理としても、サッカーやラグビーのように冬にずらすことはできなかったのだろうか?
などなど色々なことを考えてほしいのです。
今回の決断って、高体連が一方的に決めたんですよね?
そして今回、なぜか野球が悪者になって、『なんで高校総体が中止したのに、夏の高校野球は中止を発表しないんだ!』みたいな(同調)圧力がかかっているのです。
高野連が利権にかられているという理由を挙げておられる方もいますし、それは事実なのかもしれませんが、それが一生懸命3年間部活を頑張ってきた高校生が、最後の大会を諦めなければならない理由にはならないはずです。
だから大人が一方的に下した決断に、簡単に心を折られてはいけません。
留飲を下げるのはみなさんが建設的な議論を重ね、本当に納得したときだけです。
中止になるのは仕方ないのかもしれない、だけどそれはきちんとした納得のいく議論を重ねた上でなければなりません。
みなさん一人1人の力ではどうにもならないかもしれませんが、ぜひぜひ悩み葛藤してほしいです。
それがきっとこれから先の長い人生の、大きな糧になることと思います。
【英語の学び方は目標や残された時間によって変わる】
というわけで本題に入ります!
なんだか事あるごとに『高校3年生になってから勉強するのは遅すぎる!』を連呼している山口ですが・・・本当のところは間に合います。
ちなみに具体的にですが、山口は高校3年生の春は英語の偏差値が40前後で、最終的には75くらいまでは上がりましたし、大学で言うと関関同立は(関西学院を除いて)全て合格しました。
それくらいなら充分に可能です。
ただし楽とは言いません。
自分の場合ですと、英語の勉強だけで一日6時間は費やしましたし、体育祭も文化祭も全て不参加(なので卒業アルバムには山口はほとんど写っておりません)、学校の授業も全部そっちのけでひたすら自分の勉強だけをしていました。
もちろん褒められたものではありません。
やっぱり高校1年生からしっかりと少しずつ勉強しておくべきでしたし、必要ないからという理由で数学や生物などの時間に英語を勉強するというのは、許されるものではありません。
話がそれますが、日本国憲法で大人には『教育を受けさせる義務』というのがあり、子どもたちは『教育を受ける権利』というものを有しています。
まあよく言われることですが、小中学生・高校生(義務教育ではありませんが)は総じて勉強が本分なんですね。
山口の場合、それをサボったつけが全部最後の最後に回ってきたのです。
ちなみに、ラスト1年で関関同立に合格するくらいに成績は上がりましたが、早慶上智は厳しかったと思います。
決めつけてはいけませんが、受かる可能性はほとんどなかったと思います。
1年でやれることには限界があります。
客観的にみて、全然勉強をしなかった高校3年生が、1年で合格できる大学は、私立なら関関同立くらいまで、国公立なら旧帝大以外になるものと思われます。
そして勉強法。
ひたすら英単語とネクステの反復です。
昔も今も、国立私立問わず英語の点数は長文が大きなウェイトを占めますので、最後は長文対策です。
山口の場合は『富田の英文読解100の原則(上下)』をボロボロになるまで反復しました。
それだけです。
というか、それしかできなかったというのが正しいですね。
でも逆に言えば、みなさんが仮にまったく勉強していなかったとしても、これだけで関関同立くらいまでは合格できると自信を持って言えます。
ただ楽ではありませんが・・・。
【中学生や高校1、2年生の学習法】
もしも残された時間が2年以上ならば、旧帝大や早慶上智も含めて、その可能性は大幅に上がります。
参考までに、早稲田に合格した卒塾生も、スタートは高校2年生からでした。
もちろん、彼のたゆまぬ努力が前提にあったことは言うまでもありませんが。
ただ結論から言うと、早慶や医学部の英語は、通常の学校のカリキュラムでは間に合いませんし、市販されているいわゆる大学受験用の参考書でもカバーできません。
例えば以下は早稲田大学の会話文の選択肢問題です。
めちゃくちゃ短いですが、みなさんは一瞬で訳が出てくるでしょうか??
(a)Be my guest. (b)That’s enough (c)You bet.
次は同じく早稲田大学の並び替え問題です。
こちらも難しい単語は一切出てきませんが、みなさんはスムーズに並び替えができるでしょうか?
I’m just setting a little trap 【computer fall for into the to】.
見ての通り、【 】の中は簡単な単語しかありませんが、恐らくほとんどの高校生が間違えるのではないかと思われます。(これらの答えはまた後程!)
もちろん今は解けなくてもいいです。
でもこういった問題は、実際のところ受験勉強以上の学習が必要となります。
言うまでもありませんが、長文なんかは文の構造も、取り挙げられているテーマも、もちろん英単語も全て難しく、それでいて使用されている単語の数は3,000~4,000語と言われており、普通の勉強ではまず追いつきません。
こういった問題に対応していくためには、いわゆる『公立高校の英語の授業以外の指導カリキュラムを第三者が立てる』ことが必須となります。
誤解のないようにお伝えしておきますと、高校の英語の指導そのものはいわゆる『大学入学共通テスト(旧センター試験)~国立二次レベル』のものに対応しており、そもそも学ぶ内容がまったく違うのだということを踏まえていただけたらと思います。
しっかりと高校3年間、学校の授業を受けていて、100%復習できているならばそれで充分です。
話を元に戻します。
とにもかくにも、ただでさえ英語という教科は時間も労力もかかりますので、難関大を視野に入れていくならば、第三者が効率の良いカリキュラムを立てて、効率よく指導を受けていくことがベストです。
ちなみに英語学習にかかる時間を段階的に数字にしていくと、
①大学受験⇒2,000時間ほど
②話す、書くなども含めて、ネイティブスピーカーと意志疎通ができる⇒5,000時間ほど
③何不自由なくネイティブスピーカーと意志疎通ができる⇒10,000時間ほど
④字幕なしで映画や英語のニュースが完璧に聞き取れる
・・・みたいな感じです。
でも、ただただ受験のことを考えるなら、とりあえず①のフェーズだけでいいですよね。
当塾の黒野先生のように、英語を捨てて名大に合格してしまう例もありますので(※良い子のみなさんは真似しちゃだめ!)
そして実は、『書く』『話す』よりも『聞く』が一番難しいというのもポイントですね。
よくいう『聞き流していたら気づいたら全部わかるようになっていた!』なんてものは全てまやかしです。
あるなら世界中の英語学習は苦労しません。
アラビア語やロシア語、モンゴル語を聞き流してもいつまで経っても理解できないのと同じで、ネイティブスピーカーがこちらに忖度せずに話した英語は、ちょっとやそっとの努力では聞き取れるようにはなりません。
そんなわけで、時間余裕があるならば、受験英語以上のものも勉強した方がいいんです。
でも闇雲に学んでもあまり効率がよくないので、誰か英語の指導の専門家が傍について指導するのがベストです。
ちなみにこちらは山口のデスクの引き出しです。

もちろん、みなさんは英語だけを学べばよいというわけではありませんので、こんなに参考書を揃える必要はありませんし、英語ばかりに時間を割く必要もありません。
やるのは私たち講師です。
私たちがみなさんの志望校に合わせて必要なカリキュラムを作成し、指導に反映させていきます。
私たち講師が指導そのものよりも、予習や準備に時間をかけるのはそのためです。
受験生のみなさんは復習ベースで学習できるようにして、私たちはどんどん先回りしてみなさんが通る道を快適に歩けるように舗装しているのだと思ってください。
【しつこいですが、だからと言って公立の中学校や高校の指導に問題があるわけではありません】
公立の中学校や高校のカリキュラムは当然文部科学省が設定していて、当然現場で指導される先生は日々頭を悩ませて指導にあたられています。
私たちは塾ですので何のしがらみもありませんし、ここが決定的に違うのですが、マンツーマン指導ですので中高生一人1人に合わせたカリキュラムの作成と指導に頑張ればいいのです。
誤解を恐れずに言わせていただくならば、私たちは楽をさせていただいています。
もし仮に山口が、偏差値が40~70くらいの高校3年生が40人近く集まる教室で、集団授業で指導するように依頼されたら・・・。
多分断ります。
無理なんです。
いや、そりゃあ授業はできるでしょうが、偏差値が70の生徒と偏差値が40の生徒を同時に指導することなんて不可能ですし、どちらかに寄せればどちらかの不満が出ます。
そうなると仕方なく、マジョリティである偏差値50前後の層に合わせて指導していくことになりますが、そうなると偏差値40くらいの10人はまったく理解できないでしょうし、同じく偏差値70くらいの10人は、簡単過ぎてその時間を無駄に過ごしてしまうでしょう。
かといって、一学年200人300人すべての生徒にマンツーマン指導をすることは絶対に不可能ですし、集団授業は大人数の生徒を一斉に指導できるという点で、そうせざるを得ないところがあるのです。
もちろん、集団授業でもきちんと小学生の頃から学習習慣をつけて、中学校でも分からないところは残さずしっかりと勉強して、高校に入ってからも継続して毎日数時間自学自習をやっている子は塾にいかなくてもいいと思います。
ただしそれは本当に一握りです。
山口の人生40年強で出会ってきた友人や中高生の中で、塾にも行かず、中学校も高校も公立高校で、現役ストレートで東大に合格したのは二人だけです。
もちろん、『別に自分の目標は東大じゃないし。』なんて中高生もいることでしょう。
でもですよ?
『東大や名古屋大学、早稲田や慶應に行けるよ!』・・・ってなったらそりゃあ行っちゃわないですか??
『いや、仮に東大に行けるとしても、それでも自分は長〇国際大学に行きます!』・・・なんて言うのならもちろん止めませんし、それはそれで尊重すべきことだとは思いますが。
みなさんには無限の可能性があって、だけど与えられた時間や環境には限界があって、もしも目標を達成しようとするならば、学習効率もちろん追及しなければなりませんし、残された時間が短ければ、やはりそれ相応の努力も犠牲も払わなければなりません。
そんなわけで、なんともまあまとまりのない文章になってしまいましたが、敵に勝つには相手をよく知らなければなりませんし、対策もしっかりと取らなければなりません。
無名の公立高校が、野球で大阪桐蔭に勝とうとするならば、並の練習量や質でよいわけがありません。
【先ほどの早稲田の会話文問題の答え】
(a)Be my guest.は『ご自由にどうぞ。』 (b)That’s enough.は『それで十分だ(ちなみに都築先生によると、『いや、もういいって。』くらいの否定的なニュアンスなのだそうです。』(c)You bet.は『もちろん』(ちなみにこれも都築先生によると、『君が賭けてもいいくらい当たり前のことだよ』というニュアンスがあるのだそうです。
みなさん分かりましたでしょうか?
これはネイティブの日常会話で出てくるもので、普通の受験勉強をしていたらまずお目にかかりません。
並び換え問題の答えは、
I’m just setting a little trap 【for the computer to fall into.【】が正解です。
訳は『僕はコンピューターが陥りそうなちょっとした罠を仕掛けているだけなのさ。』なんですが、訳はどうでもいいです。
まず、最初に与えられた”I’m just setting a trap”の時点でSVCの文章が完成していますので、あとは与えられた選択肢が、名詞”trap”にかかるような文章を考えるだけです。
そうなると”I’m just setting a trap to fall into .”という文章ができると思います。
これ、中学2年生の頃に習った、”I want something to drink.”(私は飲むためのものがほしい)と全く同じですね。
後は残された選択肢の3語の組み合わせでできる”for the computer”をどこに入れるかですが、これは”It is difficult for me to study English.”が理解できるなら答えにたどり着きます。
詳細は割愛しますが、高校1年生で学ぶ『不定詞の意味上の主語』ってやつです。
上の文章、何となく”It is difficult to study for me.”というとおかしな感じがすると思います。
だから今回の問題も、”I’m just setting a trap to fall into for the computer .”ではまずいということになります。
・・・というわけで・・・。
授業もなくずっと教室にいたので、駄文に拍車がかかってしまいました。
最後までお読みいただいて、本当にありがとうございました。