英単語学習のいい例とダメな例

今回のブログでは、多くの高校生を悩ませている『英単語学習』について取り上げさせていただきます。

その前に、大学受験においていかに英単語の暗記が重要か、先にお話させていただきます。

まず、大学入学共通テスト、英語の配点は200点です。

そして、国立二次や私立本番など、文系理系問わず、英語が受験科目にない大学はまずありません。

一部の推薦やAO入試などで、英語が不必要な場合ももちろんありますが、ごく少数と言っていいです。

それを見つける努力をするくらいなら、英語を頑張った方がいいです。

【英単語の暗記は学習の基礎。単語の意味が分からなければ、日本語ですら読解は困難】

たまに『文脈や文構造から英単語の意味を類推する』という先生がいらっしゃって、それを真に受けて英単語学習をおろそかにする高校生がいますが、まったくもって非合理的です。

それができる英語感覚が鋭い人も中にはいますが、『何千人に一人』レベルです。

そもそも私たちは、単語の意味(特に動詞)が分からなければ、日本語ですら読解することは困難なのです。

例えば次の文章、”動詞だけ”を隠してみます。

『通常の認識活動の根底には、無根拠が根拠となるメカニズムがいくつも〇〇〇。ウィトゲンシュタインは、科学の営みを○○〇〇基礎概念は、扉の「蝶番」のようなものだと○○。例えば、19世紀までの物理学で光を○○〇媒体として○○〇ていた「エーテル」のような概念は、当時の研究者が研究課題や理論を○○〇〇ための大前提だったが、それ自体の根拠は〇〇〇られず、問の対象と〇〇〇さえなかった。』

たったの2~3行ですが、動詞を伏せただけでほとんど何を言っているのか分からなくなってしまったのではないかと思われます。

日本語ですら困難を極めることを英語で、しかも大学入試本番でやろうなどと、正気の沙汰とは思えません。

こんな超能力まがいの能力を身につけようとするくらいなら、コツコツ毎日1時間ずつ時間を割いて、英単語を覚えた方がはるかにコスパが高いです。

前置きが長くなりましたが、改めて英単語学習についてご紹介させていただきます。

【時間ばかりかかって非効率的な英単語の学習法】

正しい例の紹介の前に、山口が個人的にあまりよろしくないと思っている英単語の学習法についてお話させていただきます。

ずばりこんな感じです。

多くの高校生が、多かれ少なかれ単語の暗記に労力を割いているものと思われますが、上記の例のように、『1日目1~10単語、2日目11~20単語、3日目21~30単語・・・・、100日目、991~1,000単語』といった具合に、毎日毎日その日のノルマだけをこなすように学習していくと、ほとんど効果が得られません。

それはこれが起こっているからです。

出た!

このブログでしかほとんどお目にかからないであろう、『エビングハウスの忘却曲線』!

つまり上記の学習法だと、『覚えては忘れ、覚えては忘れ…、100日目には1~990の単語をほとんど覚えていない。』という結果が待ち受けているのです。

もちろんゼロとは言いません。

このグラフによれば、どんなに効率が悪かろうが”20%”は覚えていることになりますので、まあ200個前後は覚えていることでしょう。

多くの高校生が英単語の暗記を投げ出す理由がこれです。

『おれ(わたし)めちゃくちゃ頑張ったのに、全然覚えてないじゃん!』・・・と思って嫌になってやめてしまうのです。

まあ毎日毎日頑張ったのに、”8割も忘れてしまう”のであれば、そりゃあやめたくもなりますよね。

【これお勧めです!】

学年ビリを2回取り、英語で0点を取ったことがある山口でも、大学受験や英検準1級合格くらいの単語を覚えることができた学習法をご紹介させていただきます。

それはずばりこれです。

『1日目1~10単語覚える、2日目 昨日学習した1~10を復習した上で11~20の範囲を覚える 3日目 1~20単語の復習を終えてから21~30の範囲を覚える ・・・・、100日目 1~990の範囲を復習してから991~1,000の範囲を学習する』

こうすれば必ずすべての単語を覚えられます!

…となると当然、『え!100日目の”1~990の範囲を復習”ってそれだけでとんでもない時間がかかるじゃん!』と思われるかもしれませんし、事実まともにやってたら本当にとんでもない時間がかかります。

だから『前日までの範囲を復習』する時点で、うろ覚えな単語には『付箋を貼っていく』のです。

これは厳しく『1秒で出てこなかった単語は覚えられていない』判定してください。

英語がニガテな高校生諸君を見ていて思うのですが、長文読解で一つの単語に詰まって(あ~、これこないだやったのに…なんだったっけ?)と、たかだか一つの単語を思い出すのに20秒も30秒も時間をかけているのです。

1回の大学入試に使われる英単語の数が、少ないところでも2,000単語前後、多いところだと4,000単語を超えるような大学もあります。

1単語に30秒もかけていたら、4000単語の長文を読むのに何時間もかかってしまいます。

話が少しそれましたが、『1秒で出てこない単語は使い物にならない!』と自分に厳しくチェックしてください!

そうしていくと、前日までの分の確認は、『覚えていない単語だけでよい』ということになりますので、大幅に時間を削減できます。

また、確認するだけなら電車移動や放課、お風呂や寝る前などの隙間時間でできてしまいます。

個人的な意見ですが、付箋ってとっても高い・・・。

なのでせこい山口なんかはこれを買うたびに、(絶対元を取ってやるからな!)と心に誓っています。

それだけチェックしても、『なぜだか覚えられない英単語』というのが必ず出てきます。

単語暗記あるあるですね!

そんな英単語は山口の場合、すべてwordでリストアップして、英英辞典でまとめて常日頃持ち歩いて覚えるようにしています。

断言しますが、ここまでやったなら『200%覚えられます』。

・・・・て今めちゃくちゃ嬉しい合格報告のお電話が!

難関国立大学 広島大学合格のご報告をいただきました!

いや~何というタイムリー!

こちらの彼女、南山大学外国語学部英米学科も合格していたのですが、『広島大学の合格が分かるまで、ブログでは何も書かない!』という約束をしておりましたので、今の今までずっと黙っていたのです。

英検準1級も合格しているくらいなので、正直な話山口が授業をやる必要はないくらいの英語力だったのですが、約2年間、ずっと山口の授業を受け続けてくれて、本当にありがとうございました!

あかんあかん!

ここであんまりハッスルしてはいけないですね。

これは合格体験記を書いていただいた時に、改めて詳しくご紹介させていただくということで・・・。

そう!

ここまでやったなら、中学校の英語のテストで0点を取ったことがある山口でも、英検準1級の単語を覚えるくらいのことはできるようになりました。

ちなみに大学受験を志す受験生に英単語に費やしてほしい時間は、文系なら1,000時間、理系なら700時間くらいです。

高校に入学した4月1日から、大学入学共通テストまでおよそ1,000日ほどと考えると、実は高校に入学したその日から、受験本番まで、英単語の暗記だけでも毎日1時間はやらないといけないということになります。

ちなみに中高一貫私立などは、中学校3年生からターゲットなどの単語帳に取り組んでおり、一番早いところではなんと『中学2年生の夏からターゲット』という学校もあります。

公立の中学校ではそこまではやりませんし、公立高校入試でもそんな難単語は求められませんので(求められないどころか、単語にルビが振られていて、和訳までついてしまっています)、『英単語を覚える』ということの大切さを知らないまま、高校2年生、3年生になって、慌てふためいてしまうのです。

ですので、英単語の暗記は早い内から取り組んでください!

【単語を覚えるというのは、英語学習の土台。ここから先が本番】

少し前のブログでも書かせていただきましたが、英単語を暗記するのは『みなさんが頑張ること』であり、学校の先生や塾や予備校講師が頑張ることではありません。

しかしながら、『じゃあそこまで自分たちで頑張って英単語覚えたら、もう学校や塾なんていらないんじゃないの??』と思われるかもしれませんが、むしろここからが本番です。

高校生諸君、次の文章が読めるでしょうか?

難しそうな英単語はすべて訳をおつけします。

“Some even see such a prospect as a reason to be suspicious of science as a negative effect upon human belief in certainly, as though the construction of the physical Universe should have been set up with our psychological uncertainties in mind.”

prospect=見通し suspicious=疑わしい belief=気持ち set up=~を構築する

おそらくですが、単語の情報がただただぶつ切りになって頭に入ってきて、まともな訳にはならないのではないかと思います。

これをきちんと訳せるように、長い文章でもしっかりと速く読解できるように、文法問題や英作文もしっかりとした答えが出せるように、一緒に頑張っていくのが学校の先生や塾講師のやるべきことです。

ちなみにこちらの英文の和訳は、『物理的宇宙の構築は、私たちの心理面での不確実性を念頭において行われるべきだったとでも言うかのように、中にはそうした見通しを、科学は人間の確実性を信じる気持ちに対して否定的な影響を与えるのではないかという疑いを抱かせる根拠とさえみなす人たちもいるのだ。』

もしも授業が分かりにくい、単語をしっかりと覚えたのに、1年経っても2年経っても英語の偏差値が上がらないというのであれば、それは指導をさせていただく私たち教師や講師に責任があります。

みなさんのせいではありません。

みなさんに英単語を暗記するやる気と情熱があるのであれば、ぜひ当塾に来てください。

みなさんの英語の偏差値は、必ず60、70まで上がります。

ただししつこいようですが、みなさんが英単語を覚えないことには、逆にどれだけ英文法や精読に強くなっても、期待するほど英語の偏差値は上がりません。

でもね・・・ただ『覚えるだけ』なんです。

何も『フェルマーの最終定理を証明せよ』なんて言っているわけではありません。

すでにあるものをひたすら覚えるだけなんです。

だから一心不乱に取り組んでください。

毎日1時間だけでいいですから!

【あらためて今年1年、受験生のみなさん本当にありがとうございました。】

続々と今年の高校3年生から合格の報告をいただいております。

今年のメンバーは難関国公立志願者や、県内難関私立受験者が非常に多く、授業準備が本当にハードでした。

でも本当にありがたかったです。

みなさんを指導させていただくことで、私たち講師陣も本当に大きく成長させていただきました。

まだ合格が決まっていなくて、不安な毎日を送っている受験生もいると思いますが、これだけ頑張ったみなさんなら絶対に大丈夫です。

自信を持ってください!

そして現在高校2年生のみなさん、次はみなさんの番です。

大学入学共通テスト本番まで、なんとあと『312日』!

今まで努力を積み上げてきたライバルや浪人生と同じ土俵に立とうとするならば、これはもう並の努力では焼け石に水になってしまいます。

めちゃくちゃ頑張りましょう!

そしてこれまたしつこいようですが、新高校3年生の受付は今月いっぱいで終了とさせていただきます。

それでは授業準備がありますので、本日はこの辺で・・・。