英語は100%上がる教科ですが、実はコスパは最悪に悪い教科です。だからと言って受験で英語を捨てるのは自殺行為なのですが…。
英語の指導をさせていただいている身でありながらこんなことをいうのはどうかと思いますが、『英語学習はコスパが最悪』です。
それでいて、文理を問わずほとんどの大学で必須科目、配点もかなり大きいため捨てるわけにはいかないという大変な教科です。
それを高校生活の3年、長くても中学校を含めて6年で何とかしようというのですから、これは目的に応じて取捨選択する必要があります。
とても大切なことなので先に申し上げますが、4技能の難易度は以下の通りです。
右に進むにつれて難易度が上がるとお考えください。
リーディング⇒ライティング⇒スピーキング⇒(ダントツで)リスニング
これ、今見てふと思ったのですが、考える時間があるのかどうかということが難易度に比例しています。
テストにおいては、リーディングやライティングはいくらでも時間を割けます。
スピーキングは多少の思考する時間はあるかもしれませんが、基本的にすぐに発話することが求められるでしょうし、リスニングに至っては聞いた瞬間に理解しなければなりません。
最初に申し上げますが、よほど受験に必要がない限り、リスニングは(ある程度)捨てた方がいいです(もちろん旧帝大や外語大、早慶上智でリスニングを課す学部学科は別として)。
ちなみに受験レベルのリスニングに対応するために必要とされている時間が『約1,000時間』、ネイティブスピーカーの会話をある程度聞き取れるレベルになるために必要とされている時間が『約5,000時間』、海外映画やニュースなどをそれなりに聞き取れるようになるために必要とされる時間はなんと『約15,000時間』とされています。
難関大学に合格するために、5教科7科目に費やせる時間が『4,200時間』、どう考えてもコスパが最悪です。
リスニングというものはそもそも、視覚で読み取る力、文法もほぼ完璧、文法から外れるようなネイティブ特有の表現(リエゾンやリンキングも含む)、これらの下地があって初めて聞き取れるのであって、書いてあるものを理解できない、自分で文章を書くことができない状態で、ネイティブスピーカーの会話が聞き取れるわけがないのです。
とはいえ、じゃあ何もやらないのか?何もやらなくていいのか??というとそういうことではありません。
例えばリスニングが二次試験でないのであれば、共通テストレベルの対策で良いわけですし、それならば個人差はあるでしょうが、200時間もあれば間に合うと思います。
ただ、先にありきなのはやはり文法であって、『今まで全然勉強しなかったんです!』という高校3年生が、東大や早稲田の国際のリスニングを何とかできるのかというと、それはもう時間が足りないので諦めるしかないということになります。
※ちなみに余談ですが、その早稲田の国際教養ですら、リスニングは必須ではなくなりました。
リスニングに力を入れるべきと考えているのは文部科学省だけで、ほとんどの大学は冷ややかです。
京都大学などは全学部リスニングは実施しておりません(正確には医学部と総合人間ではあったのですが、それすらも廃止されました)。
はっきりと申し上げますが、よほど英語に力を入れている大学ではない限り、リスニングにそれほどおびえる必要はありません。
(そんなこといっても、共通テストの配点はリーディング100点、リスニング100点じゃん!)と思われるかもしれませんが、先ほども申し上げた通り、それなら共通テストレベルまでの対策を取ればいいだけです。
それに結構な数の国公立大学が『リスニング圧縮』です。

これを見ると東海の雄名古屋大学は『3:1』、京都大学や大阪大学でも同じく『3:1』です。
もうこれは『文部科学省がリスニングに力入れているみたいだけど、そんな非効率的なことに力を入れる必要はないですよ。』と言っているようなものです(真相は分かりませんが…)。
もちろん、大学によってはきちんと『1:1』の学校もあります。
要はみなさんの目的に合わせて、リスニングウェイトが低ければ力を入れる必要はないですし、必要であればそれに応じて対策を取ればいいだけです。
それに『リスニングはコスパが悪い』とは書きましたが、『英語系の大学に行きたい』『英語に関係する仕事がしたい』というのであれば、そんなコスパのことは考えずに、なりふり構わず英語を勉強するべきです(・・・と個人的には思っています)。
というわけで、まだまだ言いたいことはあったのですが、時間がないので本日はこの辺で!
リスニングに関する質問もWELCOMEです!