英語・国語・数学の3教科とその他の教科のバランスについて

公立高校入試と大学入試の最大の違いが、『各教科の不平等性』にあります。

公立高校入試では『1教科あたり22点、5教科合計110点満点』で勝負ができたので、多少ニガテ教科があっても何とか対策が取れました。

例えば数学がニガテな山口タイプの中学生でも、

①暗記のウェイトが大きい社会や理科の第二分野に時間を割く

②英語はひたすら短めの例文を暗記しまくる

③数学は大問1の基礎問題9問にかける。最後の空間図形と相似の(3)は最初から捨ててしまう

④あとは①~③を守り、演習時間を増やしていく。9月以降はひたすら過去問を少なくとも5年分は解く。

乱暴な物言いになりますが、これだけを徹底できるなら、おそらくは第一志望に合格できます。

(そんなバカな!)と思われるかもしれませんが、当塾で岡崎高校や刈谷高校に合格した中学生も、これだけしかやっていません(英語に関しては大学受験のことを考えて、高校の内容までやっていましたが…)。

なお余談ですが、慶應高校に合格した2名だけはまったく違う学習法です。

最難関私立はこの①~④の対策だけでは、おそらく2割も得点できません。

大学受験レベル、なんなら大学受験レベルを超えるような問題も出題されますので…。

話を元に戻します。

5教科全て均等で、なおかつ思考問題を除けば、『易問も難問もすべて同じ1点』なのですから、もう難問に手をつける意味がないです。

世の中に大学受験対応の学習塾が少なく、高校受験対象の塾が圧倒的に多いのも頷けます。

圧倒的に高校受験の方が対策が取りやすいからです。

(※そしてさらに言わせていただけるならば、そのシステムのせいで、進学校に進んで高校の授業についていけなくなってしまう生徒も出てくるのです。)

【大学受験では5教科全ては均等でないどころか、大変な不平等が生じている】

結論から申し上げます。

大学入学共通テストですが、文系を例にとっても

①英語・国語・数学の3教科で600点満点

②地歴、理科基礎の4教科で300点満点

合わせて900点満点です(※配点圧縮は例外とします)。

もう圧倒的に不平等です。

私は学習塾の人間なので言いたい放題言わせていただきますが、力を入れるのは圧倒的に①、とりわけやはり英語と数学の重要度は高いです。

そして理由をもう一つ。

高校の授業でも、日本史Bや世界史Bを本格的にスタートするのは高校2年生からです。

理由は簡単で、『1年生から社会や理科基礎を詰めても、忘れてしまうから』です。

ですので、高校1年生や2年生の頃に頑張るのはとにかく『英語と数学』、もうこの2教科のみといっても過言ではありません。

推薦の比重が高い私立高校などは話が別です。

しっかりと毎回の中間期末テストで5教科7科目フォローしてください。

ただし、一般受験で難関大を狙う高校生は、とにかく『英語と数学の重要性』を認識してほしいです。

共通テスト本番で、配点が50点や100点しかない地歴や理科基礎を落としても、そんなにダメージはありませんが、配点が1教科で200点もある英語や数学を落とすことは致命傷です。

特に国公立などの一発勝負では、挽回は不可能といっても過言ではありません。

みなさんは、英語や数学以外の教科が多少ついていけなくても何とかなりますが、高校3年生まで英語と数学を放置してしまったら、まずその年の受験は失敗すると思ってもよいです。

論より証拠、昨年度当塾から『名古屋大学、広島大学、愛知県立大学、静岡大学』などの、いわゆる難関国公立に合格した塾生も、まったく同じように指導させていただきました。

とにかく、公立高校受験と大学受験は、教科の不平等という点において、同じような対策はとれません。

英語や数学を暗記教科では挽回できないようになっているのです。

【だからといって学校の授業をおろそかにしていいというわけではない】

・・・という話をすると、(じゃあ英語と数学だけ頑張って、他は手を抜いていいんだ!)と心得違いをしてしまう高校生が現れるのですが、もちろんそういうわけではありません。

自学自習の時間を英語や数学以外に回すのが難しいと言っているだけの話で、学校の授業は100%で聞いてほしいのです。

もし分からなければ、新しいことに手をつけるのではなく、その学校の授業の内容を分かるようになるまで反復してほしいのです。

当塾の塾生や保護者様はご存じの通り、山口は『古文や漢文は高校3年生の夏休みからで大丈夫です』とお伝えしています。

しかしそれはもちろんそこまで放置してよいという意味ではなく、少なくとも学校の授業は最低限理解しておくというのが大前提です。

例えば古文なら、動詞の活用から助動詞の活用の基本までは抑えておいてほしいですし、最低限古文単語も200単語、願わくば300単語覚えておいてほしいのですが、それは高校の授業をしっかりと聞いていれば、充分に可能なはずです。

もちろん、『学校の先生の授業が分かりにくい!』ということもあるかもしれませんが、その時はぜひぜひ山口に質問にきてください。

とにもかくにも、『自学自習は英語と数学を徹底、その他教科は学校の授業以外のことはやらない(ただし、必要最低限のテスト直しは必ずやること)』を徹底してほしいです。

【ただし早稲田や慶應だけは別】

さて山口ですが、実は『早稲田大学に行きたい!絶対に行きたい!』と思っていたのですが、高校3年生の夏に断念しました。

理由は『日本史と古文』です。

とにかくこれは当時の自分のリサーチ不足だったのですが、『日本史の難易度が桁違い』だったのです。

英語についてはありがたいことに偏差値が78まで上がっていたので、(何とかなるかな~…)と高を括っていたのですが、日本史の過去問を見て唖然としました。

自分は日本史は得意な方で、旧センター試験でも88点取ったのですが、早稲田や慶應の問題では半分も取れませんでした。

(マークだからまぐれ当たりがあるかも…)とも思っていたのですが、これは問題を見ていただければ分かるのですが、まぐれでは絶対に正解できないように作られています。

もちろん、東大や京大を受けるような受験生が、早慶の歴史対策をせずに合格するような例もあるのでしょうが、やはりそれは難しいと言えます。

大多数の早慶受験生は、早い段階から早慶用の日本史、世界史対策を取っているはずです。

ただ早慶だけはちょっと例外だと思っていただたらと存じます(※このへんは『早稲田 慶應 日本史 難易度』などで調べてもらえると分かりやすいです)。

というわけで話を戻しますが、とにかく大学受験においては『英語と数学に力を入れたものが勝つ』ようにできています。

例えば高校1年生、2年生が今、地歴を頑張っても、すぐに忘れてしまいます。

せっかく勉強したのに忘れてしまったのでは、その時間と労力は無駄だったということになります。

重ねて申し上げますが、配点一つをとっても英語と数学を重視すべきです。

高校1年生の頃に、日本史や世界史を本格的に高校の授業では取り上げないことを鑑みても、やはり英語や数学に比べると、重要度は低いということが伺えます。

とにかく、『英語と数学を制する者が受験を制す』です。

私立大学の場合だと、ほとんどの場合は数学は選択しないでしょうから、英語が重要ということになります。

しかしながら、こういったことが考えられるのも高校1年生や2年生の間だけです。

というわけで、もう少し詳しくお話したかったのですが、授業が始まりますので本日はこの辺で!

大学入学共通テストまで、あと225日。

つまり『7か月強』です。

7科目と考えるならば、高校3年生のみなさんが1科目あたりにかけられる日数は、『1ヵ月と少し』ということになります。

とにかく時間がないということを認識していただいて、残されたすべての日数を悔いのないように過ごしてください。