高等英語は段階を追ってしっかりと学習していく必要があります(続きです。こちらの内容は高校生向けです)

さて、そうなってしまうと、『じゃあ今まで英語をサボってきた高校3年生は、英作文はやっちゃダメなの??』という疑問が出てくると思います。

結論から言えば”YES”です。

まず英作文についてですが、おそらくはほとんどの受験生にとって、必要になるのは最後の最後、2月25日の国公立二次の、しかも一番最後の問題です。

英作文は確かに大きな得点源ですが、優先順位でいえば低いです。

それよりも『英単語やイディオムの暗記』『英文法の基礎』を固めた方がよほど簡単ですし、コスパも高いです。

英作文を得点源と考えていいのは、英語の偏差値が少なくとも65を超えていて、なおかつ、1年生や2年生の頃に基礎学習を怠らなかった受験生のみです。

そしてこれがもう決定的な理由なのですが、『大学入学共通テストで英作文は出題されない』『私立大学もほぼ皆無。出題されても1、2行程度』ということです。

理由は簡単で、受験生が50万人を超える共通テストや、受験者が多い私立大学では、『150字英作文』の添削などできないからです。

つまり、そもそもの話、厳しい言い方をご容赦いただけるならば、『共通テストの足切りやボーダーを突破していないのに、英作文の対策をしても意味がない』ということです。

ですので、今まで英語をサボってしまった高校3年生は、今からでも『英単語やイディオムの暗記』をひたすら反復するべきです。

そもそも動詞をきちんと使いこなせないのに、英作文を書けるはずがありません。

【だから英語は高校1年生からコツコツ積み上げなければならない】

じゃあ英作文はやらない方がいいのかというと、それは『絶対にやった方がいい』です。

私立大学などは、英検2級を持っているだけでものすごい恩恵を受けられますし、その英検では英作文がマストですので。

ただざっくりとお話させていただくならば、少なくとも以下の条件が必要です。

①高校2年生の夏くらいまでには一通り英単語が終わっている

②英文法もできれば高校1年生が終わる頃に、70%くらいの精度でよいので終わっている

③英語の偏差値が55、できれば60を超えるくらいの力があること

もちろんこれらの条件を満たさずに英作文の練習をやって、まるっきり損をすることはありませんが、『とにかく非効率的』です。

それは『大谷翔平の球を打ちたいから、マシーンを160kmに設定して、マウンドの3メートル前に置いてください』と言っているようなもので、打てるようになるまでには相当な時間がかかるでしょう。

きちんとした指導者なら、

①毎日200本の素振りを繰り返すこと

②正しいフォームで、90km/hくらいのスローボールを打ち返す練習を反復すること

③徐々にスピードを上げていく

そういう指導をされるはずです(※野球は好きですが、素人同然ですので細かい間違いはスルーしてあげてください!)

リーディングもおぼつかないのに、英語の文章が書けるわけがないのです。

だからそのために、高校3年生からスタートするのではなく、高校1年生からコツコツと英単語と英文法を積み上げてほしいのです。

結構誤解されている高校生が多いのですが、英単語学習は何も読解のためだけにあるわけではありません。

英単語を知らなければ、文章など書けるわけがないのです。

英文法も同じです。

大学入学共通テストからは文法問題がなぜか消えてしまいましたが、それでも英文法は、文法問題のためだけではなく、正しいリーディングやライティング、さらにいえばリスニングのためにも必要不可欠です。

想像してください。

ちゃんとした単語や文法の学習なしに、アラビア語がすらすらと読めるようになるでしょうか?

アラビア語のシャワーを浴びまくっていたら、アラビア語が聞き取れるようになるのでしょうか??

英語だって同じです。

『日本人は英語を勉強しまくっているのに、国際社会では通用しない』などと言われていますが、とんでもない話です。

山口も含めて、日本人が英語に弱いのは『ただの勉強不足』です。

アジアの国々やヨーロッパでは、普通に英語が第二言語になっていて、勉強どころか彼らは生活の一部になっているのです。

たかだか公立中学校で、週に数時間非ネイティブの授業を受けているだけで、英語力が上がるはずがありません。

圧倒的にただただ学習量が少ないだけです。

しかしながら、大学受験にはものすごく高い英語力が求められるのです。

一刻も早くこのことを認識し、ぜひぜひ高校1年生から、願わくば遅くとも高校2年生からしっかりとした対策を取ってください。

なお、高校3年生は、大学入学共通テストまで『あと225日』しか残されていません。

自学自習にかけられる時間は、『平日4時間、休日8時間』勉強したとしても、おそらくは計1,300時間程度です。

みなさんの1日が36時間や48時間になることはありませんから、これは覆りません。

となると、おそらく英語にかけられる時間はよくて500時間、数学に400時間、その他の教科で400時間程度と考えるべきでしょう。

本当に高校3年生のみなさんに残された時間は有限で、寸暇を惜しんで勉強しても、全然足りないくらいなのです(※だから申し訳ございません、当塾では高校3年生の入塾はお断りしているのです)。

これだけ時間が限られていても、みなさんが『英語がニガテだ』というのであれば、基礎を反復するしかありません。

高校3年生まで勉強をサボったのに難関大に合格したいというのは、『練習はまったくしていないんですけど、甲子園に出たいんで強豪校と同じ練習をしてください!』と同じくらい無謀です。

それでも何とかしたいという強い気持ちがあるのであれば、何もかもかなぐり捨てて、とにかく基礎を中心に学習してください!