英語を話せるようになるためにはどうすれば良いのか??
『英語を話せるようになるためにはどうすれば良いのか??』という本当に素晴らしい質問を、中学生の女の子からいただきました。
こういうことを疑問に感じて、質問に来てくれる姿勢がとても嬉しいですね。
ちなみに少し前のブログで書かせていただきました通り、実はスピーキングは4技能の中で2番目に難しいです。
普段さんざんやっている超難関大の長文読解などは、実は4技能の中では一番簡単です。
多くはないかもしれませんが、考える時間が与えられていますので。
一方、『聞いて』『話す』という行為は全てが一瞬です。
いくら英語に不慣れとはいえ、何度も何度も”I beg your pardon??”、”Please louder and slowly.”を連呼されては、話している相手も嫌になるでしょうし、会話のたびに(えぇっと…、これは英語でなんて言えばいいんだ??)なんて途切れ途切れになっていたら・・・、そんな相手と会話をしたいとは思われないでしょう。
『聞く』と『話す』は一番難しいのです(特に『聞く』は)
【実は中学校の教科書の例文をひたすら丸暗記が一番いい】
例えばですが、服屋などで『これと同じものの赤いのってありますか?』を英語で言えるでしょうか??
もしかしたら頭の中で(”Is there ~” “same thing ?” “red one?”なのかな~??)などと頭の中をめぐるのかもしれませんが、多分そんなことを考えている間に5秒は時間が経っており、相手もげんなりしてしまうと思います。
そもそも日本語で、『これ=代名詞』『と=助詞』『同じ=形容動詞』『物=名詞』『あり=動詞の連用形』『ます=助動詞』『か=疑問詞』などとは考えないと思うのです(そしてそもそもこれが合っているのかどうかも分かりません。分かりませんが日本語で不自由することはありません。)
英語でも同じで、これはもうひたすら”Do you have it in red?”を丸暗記して終わりです。
他にも何でもいいのですが、『え~いつからギター弾いてるの?』を英語で言いたいと思ったなら、(”いつ?”だから”when”なのかな~…)ではなく、
“How long have you been playing the guitar?” 『どれくらい長くギターを弾いているんですか?』⇒『いつからギターを弾いているんですか?』が一瞬で出てくるようにしなければなりません(もちろん中学校の教科書に載っています。というより、中学3年生の期末テストで絶対に出るのでしっかりと復習しておきましょう)。
そう考えると実は中学校の教科書はものすごく優秀で、あれに載っている例文を全部覚えてしまえば、とりあえず日常会話で困ることはないと思われます。
つまり日本語と同じで、”How=疑問詞” “long=形容詞” “have =完了形のhaveが疑問文でSの前に出てきた” “you =主語” “been=be動詞の過去分詞” “playing=動詞の~ing形” “the=冠詞” “guitar=名詞”・・・などと考えてしゃべっていたら、それこそ会話になりません。
『考えて発話する』ではなく、『発話と思考は同時』なのです。
もちろん、『だから文法はやらなくてもいい』ではなく、当然文法は英語のド基礎なので、一番初めにやるべきことです。
ただスポーツなどと同じで、例えば野球部に入ったなら、そりゃあまずルールを覚えたりするのでしょうが、『ルールや正しい練習法を全部覚える!⇒さぁいよいよ練習だ!』ではないはずです。
もちろんルールや練習法を学んでいきながら、同時に実践的な練習を積み重ねていくはず。
英語も同じで、文法は100%の理解を目指して、円滑な会話のために、ひたすらフレーズを丸暗記しなければなりません。
ちなみに山口の場合ですと、毎日色んな会話の例文が載っている本を持って、ぶつぶつつぶやきながらジョギングしております。

(こんなの簡単じゃん!)と思うかもしれませんが、いろんな会話のパターンをひたすら頭に叩き込んで、会話の際に必要なフレーズを引っ張り出すのはそれなりに大変・・・というか、受験英語なんかよりも全然大変だと個人的には思っています。
【こんなことができるのも高校2年生の夏くらいまで】
そして個人的には、こんな手間暇のかかることができるは、『高校2年生の夏まで』だと思っています。
リスニングにいたっては、外語大や南山大学、一部国立大学で記述とリスニングの比率が『1:1』の大学以外はやる必要がない・・・というか、コスパが最悪に悪いです。
ただラッキーなことに、日本の大学受験の英語では、『リスニング』も『スピーキング』も必要ありませんので、一番簡単な『英単語とイディオムひたすら暗記』と『文法を100%にして難文を読めるようにする』『国公立志望者は、英文法を駆使して英作文を書けるようにする』、ここまでしか求められません。
ただ、”ここまでしか求められない”とは言ったもの、『英単語の暗記』にはおそらく1,000時間はかかりますし、文法を完璧にして、偏差値を70くらいまで上げようと思うならば、さらに500時間は必要になります。
ですので、高校2年生や3年生が、『どうしたらリスニングやスピーキングができるようになりますか??』と聞いてきたなら・・・、その時のご本人の偏差値にもよりますが、60を切っていたら『その暇はないからまずは英単語とイディオムを覚えてほしい』と伝えます。
それでも『どうしても英検準1級を受けたいんです。』と言われたなら、『一次試験は英単語と長文、ライティングで乗り切って、二次試験は中学校の教科書で乗り切ろう』と伝えます。
いずれにしましても、英語という教科は、『とんでもなく時間と労力がかかる上に、受験では必須の科目』となりますので、その時その時に応じて作戦を立てなければなりません。
そして厳しいようですが、英語をさぼりにさぼって、高校3年生から本気で取り組んだとしても、当塾では『間に合わない』と判断します。
いや、本当のところ間に合う可能性はあるのですが、その場合はラストの1年間で3年間分のお月謝が必要になりますし、(当たり前ですが、3年分を1年に圧縮して成績を上げるなんてことはできません)、それはつまり、生徒ご本人に、1年間で3倍の負荷をかけるということになりますのでお勧めしません。
『あの塾を選んだけれど、高い月謝がかかった上に結果も出なかった』なんて言われてはたまったものではないので、高校の2年間勉強をさぼってしまった受験生はお断りさせていただいています。
結局のところ、受験勉強は高校1年生から始めようが、高校3年生から始めようが、『かかる労力とお月謝の総量は同じ』なのです。
でもラストの1年で3年分を詰めこむ、なんてことはできないので、スタート時期に合わせて現実をみて志望校を決めていくことになります。
究極のところ、その最たる例が『中学受験』であって、それが良いかどうかはさておき、彼らは『最低でも8年間かけて難関大を目指している』のです。
1年やそこらの付け焼刃の努力で彼らに勝てるわけがありません。
これはもう地頭とかそういう問題ではなく、ただただ『時間の問題』です。
ですので、大学受験を視野に入れているのであれば、少しでも早くスタートを切ってください!
特に、大学受験において、配点の比率が高い『英語と数学はマスト』。
これらを放置することは、大学受験を成功させる確率を著しく下げてしまうことを心に留めていただけたら幸いです。