高校1,2年生の模試が英語、数学、国語の3教科しかない理由

これはぜひぜひ高校生のみなさんだけではなく、保護者様にも共有していただきたいです。

ただ、口調は高校生に向けたものとなりますので、その点だけご了承ください。

さて、高校1、2年生のみなさん、おそらく公立高校の模試は年に3回、あっても5回くらいだと思います。

しかもほぼ例外なく『3教科のみ』のはず。

これはもちろん、『大学入試対策は3教科だけでいいですよ』というものではありません。

現実的に、MAXで勉強しても『3教科が限界』だからです。

特に英語と数学は典型的な積み上げ教科ですので、この2教科の偏差値が60を下回るようであれば、難関大の対策はできていないものと思ってもらって差し支えありません。

ベストは、中学生の頃からこの2教科が大変であることを自覚して、高校に入ってからも継続的な学習を積み上げていくことなのですが、それが出来ていないのであれば、これはもう危機感を持ってもらう以外にはありません。

ちなみにざっくりとした指標になりますが、いわゆる難関大、愛知県を例に取りますと、①『名古屋大学・名古屋工業大学・名古屋市立大学・愛知県立大学・愛知教育大学』私立ですと②『南山大学・愛知大学・名城大学・中京大学・豊田工業大学』この辺りに合格しようとするならば、

高校1年生時点・・・①偏差値70以上、②偏差値60以上

高校2年生時点・・・①偏差値65以上、②偏差値55以上

なければかなり厳しいです。

あれ、高校2年生は偏差値が下がってもいいの??と思われたかもしれませんが、もちろん下がらない方がいいです。

ただ、偏差値というものは得点ではなく、周りとの相対評価で数値化されるものですので、1年生の時よりは2年生の方が、周囲のライバルが勉強をしているため、どうやっても偏差値は下がります。

浪人生が加わってくる高校3年生に上がれば、確実に大幅ダウンします(特に難関大を目指していれば目指しているほど)。

ちなみにですが、成績上位陣というのは、関東や関西エリアの『中受⇒エスカレート難関私立高校組』が多数ひしめいておりますので、偏差値は55を境にほとんど上がらなくなります。

55くらいまでは割と簡単にあがります。

その層はほとんど勉強しておりませんので。

55から上はもう全く別物。

60を超えてからはまず容易には上がりません。

こうして『西尾高校や西尾東高校に入学したけど、気が付いたら難関大は厳しかった』という現象が起きます。

彼らは能力の面で難関大が厳しくなったわけではありません。

正直なところ、公立高校入試の対策は新研究を中心に、ひたすら演習を繰り返せば、まあそんなに大きな失敗をすることはありません(もちろん、明和・旭ヶ丘・岡崎・刈谷・一宮高校あたりは一筋縄ではいきませんが…)。

多少の差はあれども、高校に合格した時点では、みなさんの学力はほとんど横並びと言っていいです。

もちろん、高校にも偏差値というものは存在しますが、みなさんは『公立高校入試』というまったく同じ入試問題に向けて、まったくおなじ対策を取っていたからです(全国の有名私立、または東海や滝を受験した生徒は別として)。

しかしながら、高校に入学した瞬間から差はつき始めます。

それもみなさんが想像もしないようなスピードで。

ちなみにですが、昨年度の岡崎高校の大学入学共通テストの学年平均点は『695点』、刈谷高校は『660点』、そして残念ながら、西尾高校は『550点』となっています。

しかも西尾高校の場合、いわゆる特進クラスの平均点は刈谷高校と同じ『660点』であったため、成績下位陣との開きは相当大きいです。

みなさんもご存知の通り、西尾高校は岡崎や刈谷とかけて受験する受験生も多いため、正直言って高校1年生の4月時点では、そんなに学力に差はなかったはずなんです。

それが3年経つと、100点以上の差がついてしまう。

偏差値70という数字は本当にものすごいものなのですが、それも刈谷高校だと100番台、岡崎高校だと真ん中くらいの数字だったりします。

ちなみに言うと、岡崎高校はそうでもありませんが、刈谷高校は生徒への追い込み方がものすごいです。

近々刈谷高校の2年生の単語帳をご紹介させていただきますが、もう10年くらい使い込んだのではないか?というくらいボロボロです。

ちなみにLEAPがほぼ完全に1周しています。

個人的には、先生方の指導面にもそんなに大きな差はないと思っていますし、もちろん高校生のみなさんの能力にも、そんなに劇的な差はありません。

だとするならば、これだけの差が生まれるのは『環境』であったり、ただただ単純に日々の学習の質と量が違うのです。

だから高校1年生、2年生のみなさん。

早く気づいてほしいのです。

みなさんの能力などにはそんなに差はありません。

しかしながら、たかだか3年弱の過ごし方で劇的に成績に差がついて、志望校を諦めなければならなくなり、つまりはみなさんの人生の可能性や選択肢を狭めてしまうかもしれないのです。

ピンと来なければ、今すぐ精文館書店へ行って、旧七帝大や早慶上智、MARCH、関関同立あたりの赤本でも眺めてみてください。

これをたったの1年や2年で解けるようにしなければならないのです。

時間は有限であって、君の1年が500日になることもなければ、1日が40時間になることもありません。

高校2年生ならば受験本番まで『あと516日』、高校1年生でさえ『881日』つまり1,000日もないのです。

大学受験レベルの英語に必要となる学習時間は約1,500時間、数学は1,000時間と言われており、合わせて『2,500時間』。

つまり、高校1年生でも、今から『毎日欠かさず2.5時間の学習が必要』であるということです。

ここで冒頭の話に戻るのですが、現実的にみなさんは、『毎日英語と数学の勉強だけでいっぱいいっぱい』になるはずです。

だからこそ、模試は高校1,2年生の間は『3教科のみ』なのです。

言い換えれば、高校1,2年生の間に最低でも共通テストレベル、できれば志望校の二次対策まで終わらせておいて、ラストの1年間(正確には9か月ほど)で、残りの教科も詰めていくというのが理想です。

あらためてお伝えします。

今の時点で偏差値が60を切っていたら、まず難関大はかなり厳しいです。

(いや、別に難関大なんて目指してないよ!)という高校1,2年生もいるかもしれませんが、先日弊ブログでお伝えした通り、某公立高校の高校2年生で名古屋大学を第一志望にしている生徒数は220人。

つまり、半分以上は名古屋大学を第一志望にしているということになります。

ということは、まあもちろん何となく『名古屋大学』と進路希望用紙に記入した生徒もいるのでしょうが、みなさんは高校1,2年生の段階では『難関大?まぁ何とかなるでしょ?』と高を括っているのです。

何とかなりません。

名古屋大学を本気で目指すのであれば、高校2年生は現時点で『偏差値70以上をキープ』これが絶対条件です。

先にも述べました通り、高校3年生になってからは浪人生が加わってくる上、みなさんはさらに古文・漢文・歴史・選択社会・生物・化学基礎、理系ならばそこに数Ⅲや物理なども加わってきます。

これはもう嫌がらせで言っているわけでもなんでもなく、その高校では高校3年生に上がるまでは、みな夢と希望を持って半分以上の生徒が、『第一志望は名古屋大学!』と思っているのに、実際のところ、毎年20名、多くても30名だけが名古屋大学の合格を勝ち取れないのです。

今は名古屋大学に絞った話をしておりますが、いわゆる全国の難関大を目指すのであれば、偏差値は高くて困ることはまったくありません。

さて、それでは本日も授業準備がありますのでこの辺で…。

高校2年生のみなさん、もうすぐ返ってくる模試の結果はしっかりと受け止めてください。

今の偏差値が55を下回っていれば、それはもう今の学習の量や質に問題があるということになります。

改めて申し上げますが、高校2年生のみなさんに残された時間は『500日強』。

つまり、国公立志望であれば1教科にかけられる日数は『たったの100日ほど』しかないということになります。

英語と数学合わせて2,500時間を500日で何とかしようとするならば、当然『毎日欠かさず5時間の勉強が必要』になるということです。

ただしこれは飽くまでも、『難関大が第一志望』であった場合の話。

大学はどこでもいいよというのであればその限りではありません。