高校受験と大学受験における”偏差値の違い”
いつもいつも冗長な文章を書いてしまって、(これ…もしかしたら最後まで読んでいる人は少ないのではないか??)と思ったので、先にキャッチ―な画像を紹介しておきます。

う~ん・・・、写真ド素人の山口が撮っても、こんなにそれっぽくなるんで、やっぱりハワイってすごいなと思います。
早くまた自由に海外へ行き来できる世の中になってほしいなと心から願います。
【偏差値を実際の受験で考えてみる】
偏差値が何なのかはほとんどのみなさんはご存知かと思われますが、ここでは改めて、実際の受験にあてはめてご説明させていただきます。
偏差値とは”50”を基準に平均値を表すものです。
つまり、ご自身の偏差値が50であれば、その母数の中でちょうど真ん中位であることを表しています。
ここで重要なのは、『偏差値は点数でも平均点でもない』ということです。
仮にテストで100点を取ったとしても、その集団全員が100点を取ったら、『偏差値は50』ということになります。
ざっくりとですが、偏差値が60を超えていればその母数の中ではかなり上位、70を超えていれば本当に一握り、80という数字はそのひと握りの中でもさらに上位ということになります。
ここで大切なのは、『その集団そのものの質によっても左右される』ということです。
ただその話はいったん置いておいて、偏差値を基準に実際の受験を考えてみたいと思います。
【志望校の偏差値とあなたの偏差値が同じなら、それがボーダーラインギリギリということ】
例えばつい最近、当塾の高校2年生2名が『偏差値70オーバー』の成績を取りました。
自慢ではありませんが、当塾は毎年毎年偏差値70・80オーバーの塾生を輩出しております。
いや、すみません、自慢ですねこれは。


すごい…。
いや、なんか他人事みたいに言ってしまいますが、よくこんな偏差値をたたき出せるものだと感心してしまいます。
それはさておき、では例えば名古屋大学の偏差値を調べてみると、概ね大体『70前後』という数字が出ているはずです。
理系は教科数が多いため、文系よりは若干数字が下がります。
というわけで、仮に彼らが名古屋大学を目指すのだとすれば、充分射程圏という風に考えられます。
いや、何を当たり前のことを…、と思われるかもしれませんが、ここからが肝心です。
【高校入試の偏差値と、大学入試の偏差値はまったく違う】
先ほども申し上げました通り、偏差値とは『その集団の質によって変動』するものです。
分かりやすくいえば、同じ偏差値60でも『まったく勉強をしていないグループA』の偏差値と『全員がバリバリ勉強しているグループB』ではまったく意味合いが異なってきます。
例えば高校の偏差値を見てみましょう。
これは昨年度の愛知県の公立高校の偏差値です。


三河地方の公立高校にだけマーカーをひいてみました。
これで見ると、岡崎高校や刈谷高校は、『偏差値70オーバー』のゾーンに位置しています。
ということは、岡崎高校や刈谷高校は偏差値が70だから、全員名古屋大学に合格できるのかといえば、それははっきりと『違います』と断言できます。
この偏差値は『飽くまでも公立高校を受験する層の偏差値』。
中には『明和、旭丘を目指しています!』という学年上位の中学生もいれば、『まあ公立高校に合格できればいいや・・・。』という一般的な中学生もいて、『まったく勉強などせず、西尾駅の前でたむろしている』ような中学生もいることでしょう。
厳しいことを言わせていただくならば、『公立高校を受験する全体の集団の質は、そんなに高いわけではない』ということになります。
そしてこれが大学受験となると、当たり前の話ですが当然このグループには『大学受験を志す受験生』しか存在しません。
したがって、『高校の偏差値と大学の偏差値はまったく異なるもの』と認識しておく必要があります。
偏差値60の高校に合格したから、同じような勉強で偏差値60の大学に合格できるのかといえば、それは大変な心得違いなのだということを知っておかなければなりません。
それどころか、現実的な話をさせていただくならば、高校の偏差値よりも10下げた数字が、その学校の適正な偏差値と考えた方がいいです。
つまり、例えば西尾高校ならば、偏差値は『64』なので、実数値は『54』。
西尾東高校は偏差値『54』なので、実際の数字は『44』と考えるのが妥当です。
つまり、今回の話で一番お伝えしたかったことは、『高校合格など大学受験では何の保証にもならない』ということです。
偏差値64の西尾高校に合格しても、そこでサボって偏差値が55を切ってしまうようであれば、偏差値が60を超えるような大学に合格することはまず難しいということです。
先にも申し上げました通り、大学受験を志すグループの中で高い偏差値を取らなければなりません。
勉強をまったくしないグループで偏差値を20上げるよりも、めちゃくちゃ勉強を頑張っているグループで『偏差値をたった1ポイント上げる』ことの方がはるかに難しいです。
このことをしっかりと腑に落としておかないと、何となく進学校とされる高校に合格して、何となく貴重な1年2年を過ごしてしまい、志望校に『C判定、D判定、E判定』が出てしまう…。
(まあでも何とかなるんでしょ?)と思っていても、これはもうどうにもならないんです。
しつこいようですが、『得点と偏差値はまったく異なるもの』ですので、君がどれだけ得点を上げても、周りが全員それ以上の得点を取ったならば、君の偏差値は50を下回ってしまうのです。
とにかく危機感を持ってください。
何度もしつこくしつこく申し上げますが、高校(進学校)に合格しても、大学受験においては何の保証にも保険にもなりません。
トップクラスの進学校に合格しても、その後サボりにサボって大きく偏差値を下げてしまうくらいなら、推薦に手厚い私立の高校に通って、いい成績を取っていい大学の推薦をもらった方がよっぽどいいです。
余談なのですが、以前当塾に愛知産業大学三河高校の学年主任の先生が挨拶に来てくれました。
うちのような場末の塾にもご足労いただいて、本当にありがたいな~と思いながらお話を聞かせていただきましたが、今の三河高校は国立大学の医学部の合格者も出してますし、早慶やGMARCH、関関同立などの合格者も多数出しています。
おそらくですが、三河地方に住んでおられる方々は、あまり三河高校に良い印象を持たれていないのかもしれませんが、たとえ進学校に合格したとしても、その後の3年間を頑張れないのであれば、三河高校で頑張っている高校生には負けているとはっきり言えます。
結果はすべてではありませんが、結果は雄弁にその人の頑張りを物語っていると個人的には思いますので。
断っておきますが、山口個人は『○○高校がよくて、△△高校はよくない』なんてことはまったく考えておりません。
むしろ逆です。
本人が一生懸命頑張った結果であるならば、高校はどこでもいいと思っています。
ただ、その高校で頑張れるのかそうじゃないのか?というのは大きな問題だと考えていて、だらっと1年2年過ごして、ラストの数か月で第一志望の大学に合格、なんてムシのいい話はないと考えているだけです。
何度も何度もしつこく申し上げますが大学、とりわけみんなが行きたいような人気の大学を受験する連中は、総じてめちゃくちゃ勉強してるんです。
いいか悪いかの話はさておき、小学校からバリバリ大学受験のために勉強しているライバルだってゴロゴロいます。
というわけで今回は、偏差値を実際の高校受験や大学受験にあてはめてお話させていただきました。
なんだか毎日現実的ないやな話しているな~と中高生のみなさんは思われるかもしれませんが、まだ偏差値だの得点だので平等に評価してもらえるうちはいいんです。
将来仕事をするようになったら、どんなに頑張っても評価されないこともあるでしょうし、自分よりも仕事をしていないようなずるい人間の方が、高い評価を受けるなんてこともあるかもしれません。
みなさんは今、きちんと頑張った分を公平に評価してもらえるんです。
逆に言えば、結果が出なかったのであれば、それは努力が足りなかっただけ。
ただそれだけです。
でもせっかくだから、一番行きたい高校や大学に行きたいじゃありませんか!
だから今日も明日も頑張りましょう!
