比較はこんなに難しい(※全部を読む必要はありません)

さて、少し前のブログで『個人的に比較が一番難しい』というお話をさせていただきました。

中学生のみなさんからすると、(え!比較って超簡単じゃん!!)なんて思うかもしれませんね。

確かに、

①He is as tall as I am.

②He is taller than I am.

なんて文章ならそんなに難しくはないでしょう。

なお、厳密には”as”や”than”は接続詞なので、”me”とは書かないように!

ネイティブさんはガンガン”than me”と言っていますが、私たちがマスターしなければいけないのはとりあえず受験英語ですので、しっかりと”than I am”と書けるようにしておきましょう。

話を戻します。

ところがどっこい、

③He is no taller than I am.

ならどうでしょうか??

ちなみにですね...、これ、高校生でも結構間違えるのではないかと思われます。

③の文章は『彼は背が高くない、私と同じで。』つまり⇒『彼は私と同じで背が低い。』という意味になります。

×『彼は私よりも背が低い。』と訳してしまった中高生もいるのではないでしょうか?

中学生のみなさんはまだ知らないのでそれでいいですが、高校生がその訳をするのはちょっとまずいです。

ちなみに、『彼は私よりも背が低い。』というのであれば、”He is not taller than I am.ですね。

“no”と”not”だけでまったく違う意味になってしまいますのでご注意を…。

文章で解説するととんでもない分量になりますので、今回は大学受験で出てくる比較の超難文をいくつかご紹介させていただきます。

(1)The United Nations estimates that providing clean water and sanitation for everyone would require an additional $9billion a year. No other investment would buy more health for less money.(早稲田大学)

先日のブログで説明させていただいた、『比較対象の省略』の上位互換がこちらですね。

(もうお金の話はしたからわざわざ書かなくてもいいよね?)ってことで、最後の最後、”less money”の直後に、全文で登場した”than $9billion”が丸ごと省略されています。

おそろしい...。

早稲田大学はこれを長文の中でサラっと読むことを要求していることがひたすらおそろしいですね。

ちなみに第2文の直訳は、『投資はない!(90億ドルよりも)少ない投資で、より健康を買えるであろう投資は』(否定構文のSVOと捉える)となり、きちんとした日本語にするならば、『この投資より少ない金額で、より多くの健康が手に入るものは他にないだろう。』

つまり、『健康を得ようとするならば、最低でも90億ドルかかりまっせ。』と言いたいんですね。

次。

(2)Men were certainly found to be no more likely than woman to discuss “important” or “sophisticated” subjects such as politics, art and cultural matter. (一橋大学)

強烈も強烈、これを訳すためには

①5文型”find”の受け身

②no+比較級+than~(※俗に言う『クジラ構文』)

③比較対象の挿入

④A such as B =such A as B『BのようなA』

などなど、マスターしておくべき事柄が非常に多いのですが、これを文章で説明していたらえらいことになってしまいますので、とりあえず和訳だけ 。

『女性と同様に男性も、政治、労働、芸術、文化に関する事柄のような「重要な」または「難解な」話題について議論したがらないということがはっきりと分かった。』

なお、冒頭で紹介した③の文章、”He is no taller than I am.”『彼は私と同じで背が低い。』の構造を100%理解していないと、絶対に正答にはたどり着きません。

(3)Similarly, in our study of the natural world, never has more importance been attached to the aspects of phenomena related to time than today.(大阪女子大学)

こちらも強烈ですね。

①文頭の否定の副詞による倒置(※こちらも先日のブログでお話いたしました)

②『他動詞A to B』

③2語以上の形容詞による後置修飾 “related to~” “relative to~”、訳はどちらも『~に関する』

この文章、ほんのサラッとだけ説明させていただきますと、①により語順転倒が起きていますので、元の文章に戻してみます。すると…。

“More importance has never been attached to the aspects of phenomena related to time than today.”

よく見ると『現在完了形の受け身』になっています。

他動詞”attach A to B”が受け身になって、目的語A(ここでは”more importance”)が主語になったわけですが、まあその言及はここでは避けるとして、直訳は以下の通り。

『より重要なものが今までにひっつけられたことはない!時間に関する現象の側面に。今日以上に。』

つまり『より重要なもの』と『時間に関する現象』が今までに引っ付けられたことはなかった、逆に言えば『今は重要なものと、時間に関する現象がひっついた!』ということになります。

そこで正しい訳としては、『同様に、自然界の研究において、今日よりも時間に関係した現象の側面が重要視されたことはない。』という風になるわけですが...。

普通にとっても難しくないですか??

もちろん、中学生のみなさんが今の時点でこんなことができる必要はありません。

ただし、『中学の3年間で学ぶ英語の基本』と、『高校の3年間で学ぶ大学受験レベルの英語』はまったく異次元!もう別物であるということは知っておく必要があります。

当然、中学英語は100%理解していることが大前提。

英単語も含めてですが、80%90%の達成率ではほとんど役に立ちません。

そしてもちろん、中学生のお子さま以上に、保護者様がこの事実を理解しておく必要があります。

公立高校に進むであろう中高生は、大学受験レベルの厳しい受験を経験していないため、(まあゆーても、進学校に進めば大学受験も何とかなるんでしょ??)と心得違いをしてもおかしくないからです。

カバディをやりたくない中高生に、無理矢理カバディを勧めても、絶対に彼らがカバディに夢中になることはないでしょう。

ちなみに山口は絶対にやりません。

しかしながら、カバディのおもしろさ、もしかしたらカバディのプロになったら毎年1億円稼げるかもしれないとしったら…、もしかしたら『よし!自分はカバディ頑張る!』と本気になってくれるかもしれません。

ただ間違いなく言えるのは、お子さんの自主性に任せていて、カバディに夢中になってくれる可能性はほとんどないということです(※カバディ大好きな方、本当にすみません!)

ほとんどの中高生にとっては、きっと英語は面倒くさいものなのかもしれませんし、中学生や高校1年生の頃から自主的に夢中になることは、とても難しいという可能性もあります。

実際のところ、今回取りあげた3つの難解な文章、独学で理解しようとしたらとんでもない時間と忍耐力が必要となりますし、英語がニガテであるならばまず不可能だと思います。

ましてや、これを高校3年生まで放置してしまって、『ラスト○○ヵ月で一気に偏差値20UP、奇跡の大逆転!』というのは極めて非現実的な話です。

だから高校1年生から、願わくば中学生の頃から、英語と数学だけは本気で取り組んでほしいですし、そのようにお父様お母様からも働きかけてほしいです。

【やっぱり読書は超重要】

そもそも今回取りあげた英文、英語ももちろんなのですが、日本語も難しく感じたのではないでしょうか?

難関大学レベルとなると、英語の長文で取りあげられるテーマも『国際社会』『経済』『教育』『医学』『哲学』『科学』などなど、めちゃくちゃ難解で重たいテーマであることがほとんどです。

英語以前の前に、国語力が高くないと、『まったく読めないし理解できない』という現象が起きます。

そうは言っても、覚えたものがそのまま得点になる社会、身につけたものが得点になりやすい数学などと比べると、国語は可視化されにくい教科であると言えます。

ただこればかりは信じることができるかどうか?

現代文の得点が上がるかどうかの保証はできませんが、少なくとも読書をすることにより、活字を処理し理解する力は格段に上がりますし、すべての教科の得点アップに波及することはお約束できます。

でもこれも時間の問題。

来月に共通テストを控えた受験生に、『読書をやった方がいいよ』などとは口が裂けても言えません。

今からできることは復習あるのみ。

これまでに学んできた知識の再確認だけで、新しい何かを身につける時間の余裕はありません。

したがって、読書にしても余力のある高校1年生、または中学生の頃。

とにかく活字を読んでほしいです。

その際に、いきなり自分の力では処理できないような難文を読む必要はありません。

ギリギリ何とか自分でも読めそうだな?という文章を多読してほしいです。

しつこいようですが、土台となる日本語の力なくして、英語はもちろんのこと、その他の教科も効率よく得点力や偏差値を上げることはできません。

というわけで、今年も残すところあと4日!

え!

あと4日で今年も終わってしまうの!?

高校2年生のみなさん、しつこいようですがみなさんも『大学入学共通テストまであと385日』ですよ。

13か月弱。

5教科7科目と考えるならば、もう1科目あたり2ヵ月もかけられません。

特に重たい英語と数学は、春先には一通り終わっている状態でないと相当厳しいということを、最後にお伝えさせていただきます。