(前回の続き)”He is not taller than I am.” と “He is no taller than I am.” はまったく違うんやで!

いたた…。

あいたたた…。

本日全ての親知らずを引っこ抜き、悶絶するほどの激痛戦ってきた山口です!

いや~歯の痛みは本当にキッツい…。

もう大分収まりましたが、みなさんも歯磨きはしっかりとやってくださいね!

どんなに成績を上げても、試験当日に歯が痛くなったら元も子もありませんので。

それでは昨日の続きです!

ちなみに先にお伝えしておきますが、”He is no taller than I am.”は公立高校入試では出ません。

出ませんが、『形容詞と副詞の働き』はとても大切なので、興味があれば中学生のみなさんにも読んでほしいですね。

【まず最初に・・・形容詞と副詞の働きのおさらい】

・・・とその前に、前回のブログを読んでくれた中学生からご質問をいただきました。

『じゃあ”He is no taller.”は、”彼は背が高い。”という意味なんですか?』。

素晴らしい!

素晴らしい質問ですね!

ただ結論から言わせていただきますと、『彼は背が高くない。』という意味です。

“no”とはっきり否定していますので。

“no”にしても”not”にしても、否定であることには変わりはないので、どちらにせよ『彼の背は低い。』のでご安心を。

(※ただし、”no less”と続いた場合は、『彼の背は低くない⇒背が高い』となりますので注意!)

『背が低いことは前提』として、『”no”は”than”も否定する』と思ってほしいのですが、それは中学生には理解が難しいので、とりあえずは”He is not taller than I am.”『彼は私よりも背が低い。』だけ抑えておけばOKですよ!

さらに同じ塾生から質問がありまして。

『文法ってそこまでやらないと、高校英語は理解できないんでしょうか?』と。

これもいい質問ですが、結論から申し上げますと、こちらは二手に別れます。

(1)言語感覚が非常に優れていて、感覚で割といけてしまう

(2)残念ながら言語に関してはどちらかと言えばニガテ

なお、山口は(2)に属しています。

ただだからと言って、山口と同じような(2)タイプの人が、(1)の人に劣るというわけではありません。

少しだけ時間がかかってしまうというだけです。

そういう話をすると、『受験生に時間はないんです!』という高校2年生、3年生が必ずいるのですが、あったじゃないですか。

あったんですよ、2年も3年も前に。

英語は言語ですので、決して楽な教科とは言えません。

しかしながら同じく言語ですので、正しいやり方で頑張りさえすれば『必ず成績があがる教科』でもあるのです。

少なくとも、中学英語で0点を取ったことのある山口ですら、今程度の英語力は得られますので、みなさんにできないはずがありません。

何を信じるかは自由なのですが、(2)タイプの学習者が高校2年生、3年生になったときに、『超効率の良い学習法で、一気に英語力アップ!』となるかどうかは疑わしいと言わざるを得ません。

なお、今回質問してきてくれた塾生のIさん。

君は大丈夫。

なぜなら今の時点で、これだけ英語に興味を持っていて、危機感を感じているのですから。

さて、それでは本題に戻ります!

ちなみに勝手な自分ルールで、『形容詞=赤』『副詞=青』とさせていただいております。

指導の際もそうですね。

理由は特にないのですが、『SVOCは重要な情報だから赤』『M句(今回だと副詞)はそれほど重要ではないので青』って感じです。

例えばですが最初に書いた例文ですと、

①SVO『I can speak English.』⇒重要な情報

②副詞『very well』⇒そんなに重要ではない情報

②だけ言われても(え!何が??)ってなってしまいますよね??

なので副詞は重要ではないことが多いです(※ただし”not” “hardly” “scarcely” のような否定の副詞は超重要!)

それはいったん置いておいて…。

“I can speak fluent, beautiful English, very well.”

ですと、”fluent” “beautiful”が形容詞なので、名詞である”English”にかかります。

副詞である”very”は同じ副詞の”well”にかかって、さらにその”well”は動詞の”can speak”にかかります。

なお、日本語でも英語でも、形容詞はいくらでも重ねることができますね。

『白くて(形)大きい(形)高価な(形)机(名)』

白い、大きい、高価な、3つともすべて机を修飾しています。

【”no”は形容詞だから名詞を修飾、”not”は副詞だから動詞を修飾】

あらためまして!

今度は比較の文章に戻ってみましょう。

そう、①”He is not taller…”

この”not”は副詞なので、もちろん名詞にはかかることは”絶対にできません”。

絶対に。

ですので、この”not”が修飾しているのは、直後の形容詞”taller”

だから、『彼は背が高くない 私よりも』⇒『彼<私』になります。

しかしながら最後の文章、②”He is no taller than I am.”

この”no”がかかっているのは”than”という接続詞、正確には名詞節(名詞のカタマリ)を否定しています。

“than”という接続詞は『~よりも』という風に『差』を表しているので、その『差が”no”によりゼロになる』ということから、何とこの文章は、

『彼は 背が高くない 私との差はゼロ』⇒『彼は私と同じで背が低い。』という意味になります!

なおしつこいようですが、前提として”no!”という単語は完全否定ですので、背が高いか高くないかで言えば、当然『高くない』ということになります。

①『彼は私より背が低い。』

②『彼は私と同じで背が低い。』⇒”He is not as tall as I am.”と同じ。

そう、”no”と”not”の違いだけで、この二つの文章はまったく違う意味になってしまうのです。

【これらを踏まえて、昨日の一橋大学の問題を考えてみる(※高校2年生以上のみ対象)】

そして以下が昨日の文章ですね。

“Men were certainly found to be no more likely (than women) to discuss “important” or “sophisticated” subjects such as politics, work, art and cultural matters.”

余談ですが、比較だのなんだのの話の前に、”find”の5文型はしっかりと抑えておきたいですね。

①I found the interesting book. (SVO…『私はおもしろい本を見つけた。』

②I found the book (to be) interesting. (SVOC…『私はその本がおもしろいと分かった。』

とりあえず詳細な説明は割愛させていただきますが、この(to be)はあってもなくてもいい…というか、ほとんど省略されます。

しかしながら、今回はこの(to be)は絶対に必要です。

強いて言えば、(この後に補語が続きまっせ~)のサインですね。

とにもかくにも。

②の文章は超不自然ではありますが受け身にできます。

③The book was found to be interesting by me.

こんな言い方はまずしないでしょうが、今回の一橋大学の英文を読解するためには必要な知識です。

冒頭の、

“Men were certainly found to be no more likely…”

『男性は確実に分かられていた、=~しない確率が高いと』

“no!”という完全否定なので、当然意味的には否定である『~しない』ということになりますので悪しからず。

『分かられていた』とはこれまた奇天烈な日本語ですので、普通に能動態に戻してしまいましょう。

『男性は~”しない”確率が高いことが分かった。』

で、ここで出ました『形容詞の”no”』!。

こいつが修飾しているのはもちろんお分かりですね!

その後に続いている”than woman”ということになります。

ですので、『女性よりも』ではなく、女性と差がない、つまり『女性と同じで』という意味になりますね!

この時点で、『男性は女性と同じで、確実に~しないということが分かった。』という意味であることが分かります。

ふ~。

それではとりあえずここで一区切りということで…。