受験なんて失敗しても、君の命が取られるわけじゃないんやで…(※この記事は5分で読めます)。
今日はついに共通テスト初日でした。
毎年の事ながら、この日ばかりは本当に胃が痛い…。
自分の受験ではないのですが、それでもこの数年間、一緒に頑張ってきた塾生の一世一代の大勝負なのですから、その緊張感は当然私たちにも伝播してきます。
それでですね…。
まあタイトルの通りなのですが、『たかだか受験、これで君の人生が終わってしまうわけではない』ということが言いたいのです。
(なんや!いつもと言ってることが違うやんけ!!)と思われるかもしれませんが、事実そうなんです。
もちろん私たちのように学習塾や予備校に勤務する人間は、信頼して私たちを選んでくれた中高生やその保護者様のために、無心で全力を尽くす義務があります。
安くはないお月謝をいただいているのですから、それは当然のことです。
でも中高生のみなさん、みなさんももちろん同じように、第一志望合格を目指して邁進してほしいのですが、それでも自分の健康に被害が及びそうになったり、他人に危害を加えるような可能性があるのであれば、そんな受験はやめてしまった方がいいです。
『あの世にお金は持っていけない』
君がどんなに努力を積み上げて、最高の学歴を手に入れたとしても、君の健康や人生そのものに傷がついてしまったら、それは砂上の楼閣のようなもの。
何の役にも立ちません。
もちろん、勉強は全力で頑張ってください!
だけどそれ以上に大切なものを作って、ぜひ守ってほしいのです。
ちなみに山口の場合、ギターだの野球だの奥さんだの…、まあ大切なものがたくさんあるのですが、そのおかげで楽しい人生が送れているなと感じています。
もしかしたら、みなさんはそれをこれから見つけるのかもしれません。
でも見つける前に、たかだか受験ごときのために、君の人生をダメにしないでくださいね!
【君はこの世に生まれてきただけで素晴らしい】
そんなことを君のお父さんお母さんは思っていたはず。
いや、もちろん今も思っているのでしょうが…。
だけど少しずつ少しずつ時が過ぎて、小学校や中学校に入る頃にはいろんなものが分かるようになって、いつしか勉強することを求められて、結果が出なかったりすると厳しい言葉をかけられたりしてしんどい思いをしたのかもしれない。
あ、断っておきますが、勉強そのものは大切なんですよ?
もちろん学歴のためというのもありますが、大学受験というミクロな視点で見るならば、そんなものは最短で18歳には終わってしまいます。
むしろ、その後に続いていく60年、70年の方がもっともっと大切です。
そんな時、君や君のご家族や友人と楽しい時間を過ごすために、困難を乗り越えるために勉強を頑張っておいてほしいのです。
でもしつこいようですが、君の健康や人生をダメにしてしまうようならそれは本末転倒、勉強なんてやらなくてもいいです。
【その昔、医学部セミナーで出会ったとある高校生の話】
本当に大昔の話なのでもう時効かなと思って紹介させていただきます。
某大手学習塾で勤務していた前職での話、『医学部セミナー』という医学部志望の中高生たちを対象とした講演会で、とある高校3年生の面談をさせていただきました。
その高校は、医学部合格者数実績日本一の有名な超進学校、中高一貫校で、そこに通う生徒たちは全員が学年1位の集まり、いや、学年1位でも中学受験・高校受験対策をしていなければ、おそらくは半分も得点できないような超難関校でした。
しかしまだまだ残暑厳しい夏の終わり、山口が担当したその高校の3年生の男の子は、偏差値が40しかありませんでした。
正直なところ、当時の山口の勉強不足もあって、その高校に通う高校生は全員が偏差値65を超えているものと勝手に思い込んでいました。
その高校に通っている以上、ご両親からも学校の先生も、もしかしたら親戚や友人たちも、彼に対しては『医学部や東大・京大合格』の期待感や熱が高まっていたのかもしれません。
彼自身は疲弊しきっていましたし、彼のお父さんは『今からでも医学部合格は可能でしょうか??』と真剣な眼差しで山口を見つめています。
難関とされる中高一貫私立は、良くも悪くも『放任主義』。
結果を出せる生徒は頑張ればいいですし、ついていけなくなったらいつでも辞めてもらっていいですというスタイルです。
誤解のないようにお伝えしておくと、『公立の中学校や高校』『中高一貫私立の難関校』、双方に長所と短所があります。
どちらの道を選んでも、短所に対するケアは絶対に必要です。
もしも中高一貫私立の難関校に進んだとして…、もうどうしようもない苦しみや悲しみが襲ってきたら、そんなものは捨ててしまえばいいです。
また立ち直ったら、その時は20歳からでも30歳からでも頑張ればいいじゃないですか?
ラグビーの福岡選手なんて、20代後半で医学部に合格しているんですから、不可能ではないですよ。
(いつもと言ってること違うやん!)と思われるかもしれませんが、君の健康や人生、命に代わるものなんてどこにもありません。
だからどうしようもなく辛くなったら、勉強なんてやめてしまってください。
以上、塾講師とは思えない、とんでもない暴言でした。
高校3年生のみなさん、あと少しです。
しっかりと休んで明日に備えてくださいね。