三つ子の魂百まで(※こちらの記事を読むのに8分ほどお時間をいただきます)

【子は親の背中を見て育つ】

もう10年近く経ちますので、もう時効かな??ということでお話させていただきます。

これは西尾に来たばかりの頃、前塾でのお話です。

小学生6年生で入塾してきたT君(鶴城中)、とにかく勉強をしない!

宿題もまったくやってきませんし、教室でも落ち着きがなく、家でもほとんどゲームをしているとのことでした。

お父様お母様としては、見るに見かねて塾に預けて何とかしたいと考えていたようですが...。

最初に申し上げておきます。

ゲームやスマホにのめりこむのは、お子さまのせいでもなく、当然塾のせいでもありません。

『ご両親の責任』、それ以外にあり得ません。

少し話は逸れますが、最近では街を歩いていても、飲食店などでも、お子さまと一緒にいるのに堂々とスマホを触っているご両親が増えたように見受けられます。

もちろんこの環境では、子どももスマホにのめりこむようになります。

それをお子様のせいにしてはいけませんし、ましてや塾の責任にされてはたまったものではありません。

話を元に戻しまして。

このT君、よく山口のところに来てはゲームの話ばかりしていまして、でも何となく憎めない、かわいらしい男の子でした。

でもある日、さすがに見るに見かねて、(なぜこんなにゲームにのめりこんでいるんだろう?)と思いお母様に話を聞いてみたら...。

なんとお父さんがご自宅の一室を『ゲームとガンプラ(※ガンダムのプラモデル)の部屋』にしていたらしく、どうやらお父様公認でゲームをやっていたのだそうです。

T君のお父さんは特に車のゲームが好きだったようで、何と本当の車のように室内を改造していたのだそうです。

※こちらはイメージ写真。

お父さんやお母さんは、T君が生まれてから小学6年生になるまで、この環境で子育てをしてきたわけですが、察するに、小学6年生になりテストの結果が芳しくなく、どうやらゲームばかりやっていて勉強しないからこの状況を打破したいと考えたのでしょう。

それが分かったので、まずお母様に『お父様に一切ゲームをしないようにお願いしてもらっていいでしょうか?』とお願いしました。

山口は塾の一責任者ですので、ご家庭の環境や教育方針に口を出すのは本来越権行為なのでしょうが、見るに見かねてそうお声がけをしました。

この文章を読んでいるお父様お母様は、きっと(それはそうだろう、何てひどい話なんだ!)と思われるかもしれません。

しかし他人の話だと客観的に考えられても、自分の話となると案外『自分は大丈夫!』と盲信してしまいがちです。

またまた話を戻しまして。

お父さんの影響を存分に受けてガンダムが大好きなT君のために、山口こんな本をプレゼントしました。

いや~もう覚えていませんが、確かこんなような参考書だった気が...。

『とりあえず、アムロやシャァになり切って、英語のセリフ全部覚えてみなよ。』と言ってみたところ、何とT君は本当にこの本に載っているセリフを全部覚えてしまったのです!

ウソのような本当の話で、なんと英語の定期テストの点数が10点台だったのに、常に90点以上取るまでに成長しました。

いや~これはビックリ!

これはさぞかしお母さんも喜んでくれるだろうと、お母様とT君と山口の3人で三者面談をやったところ...。

お母様は残念そうに、『でも先生、Tの数学の点数は相変わらず悪いままなんです。これじゃあ○○高校には行けないですよね??せっかく塾に通っているのに、英語の成績だけ上がっても仕方ないですよね??』

本当に肩の力が抜けてしまったことを覚えています。

でもそれ以上に、山口以上にT君は本当にしょんぼりしていて、お母様と目を合わせようともしません。

僭越ながら山口、その場でお母様と色々なお約束事をさせていただきました。

月並みですが、子どもは良いところを褒めてもらって、肯定してもらって伸びていくのです。

そりゃあね、マイナスな面もあるでしょう。

でもT君がゲームやガンダムにのめりこんで勉強をやらなくなったのは、はっきりと申し上げてお父様とお母様の責任であって、T君には何の非もありません。

ただただ、絶対的に無条件で信頼しているお父様とお母様が作り上げた環境が、たまたま『ゲームとガンダムが当たり前の環境だった』というだけの話であって、彼が生まれ持った性格やアイデンティティでゲームにのめりこんだわけではありません。

ちなみに余談ですがT君、その後紆余曲折ありまして、第一志望の高校には合格できませんでしたが、見事に大学受験では、東京理科大学の合格を勝ち取りました。

一番肝心なのはそこの部分だとは思いますが、それは当塾のノウハウですのでこのへんで…。

ただひとつ、お子さまはお父様やお母様を無条件に頼っています。

お子さまが一番の影響を受けるのはお父様やお母様ですので、お子さまに変ってほしいと願うのであれば、まずはお父様とお母様が変わらなければなりません。

【親の過保護や過干渉が子どもをダメにする】

これも前塾でのお話。

高校2年生のK君(西尾高校生)、とにかく勉強をしない!

いや、本人は『やってます』というのですが、まあそんなの見てれば本気で勉強しているのかどうかは分かります。

彼は明らかに『やっていなかった。』のです。

まあ見てれば分かります。

とにかく自習にも来なければ質問にも来ない。

担当講師からも『あまり課題やって来てくれないですね・・・』と報告が入れば、そりゃあどちらかと言えば『勉強は頑張れていないのだろう』と判断します。

今も昔も変わらないのですが、そんなときも山口は、三者面談で今の状況を生徒・保護者様・山口の三人で、現状を再確認、共有し改善を図ります。

山口『自習にはあまり来れていないみたいだけど、勉強できてる??』

K君『(露骨にふてくされた態度で)家でやれてます。』

山口『お母さん、K君はスマホが手放せないとのことでしたが、自宅で勉強している時にスマホは一切触れない環境になってますか??』

お母さん『一切触ってないかと言われたら...、それは分からないのですが、前よりは触っていないと思います。』

山口『僕は勉強中は一切触らないでほしいと思っています。ですので、もしもK君がスマホを少しでも触る可能性があるのであれば、お母様の方からもK君に自習室に通うよう促してください。』

お母さん『はあ、そうですね...。でもわたしが言っても反抗するだけですので...。』

少し話は逸れますが、中学生が勉強をしないのは親の責任だと思いますが、高校生となるとこれはもう半分以上『本人の責任』でもあります。

もちろん、中学時代にそのように過ごしたので、いずれにしましてもお父様とお母様の責任は大きいのですが...。

またまた話を戻します。

山口『K君さ、冷静に考えてみて、スマホが触れる自分の部屋と、みんなが一生懸命勉強している塾の教室、どっちがK君の勉強にプラスだと思う?』

K君『(相変わらずふてくされた感じで)そりゃあそんな言われ方したら自習室の方でしょうけど...、僕は自宅で頑張れているんで自宅でいいんです。』

※もうここまでくると、塾側が介入する余地など何もないのですが、山口は諦めません。

山口『そうか。じゃあ本当に勉強できているか確認しておきたいんだけど、先日の模試の直しって終わってるの??』

K君『もちろんそんなのとっくに終わってます。』

山口『じゃあ今から、先日の英語の模試から質問してみてもいい?本当にテスト直ししてるなら即答できるはずだけど?』

K君『今お母さんの目の前でそんなこと言われても困ります!』

まあとどのつまり、K君はテスト直ししてなかったんですね。

そもそも、お母さんの目の前だと困るという理論もよく分かりませんが...。

しかしながら本当に困ったのはこの後でした。

お母様の目には、山口がK君を理不尽に責め立てているように見えてしまったのか、お母様からこのような発言が飛び出したのです。

お母さん『でも先生、Kは家事も手伝ってくれますし、わたしのことも気遣ってくれる優しいところもあるんです!』

お母さん…、今そんな話してないんですけど...。

その時すぐに察しました。

きっとお母さんはことあるごとに、K君から反発されて、そのたびごとに変な落としどころをつけて折れてしまったがために、K君は『自分に落ち度があっても許される、母親には横柄な態度を取ってもいい!』と錯覚してしまったのです。

勉強をしないことと、彼が本当は優しい性格であることには何の因果関係もありません。

論点が全くズレてしまって、K君を悪い意味でかばってしまったがために、K君が普段勉強を頑張っていないことが正当化されてしまったのです。

山口はすぐに、『あ、いや、K君が優しいことはもちろん僕も知ってますよ??でもお母さん、受験勉強を頑張ることと彼が優しいことは、何にも関係がないんです。そのことはご理解ください。』とお伝えしましたが、K君はもう勝ち誇った表情をしています。

『おれは間違っていないんだ!』K君のそんな心の声が聞こえてきそうでした。

本当に申し訳ないのですが、こうなると本当に修正するのが難しいです。

少なくとも、塾側からの軌道修正は困難です。

そんなわけでK君はその後も自習には来ませんでしたし、成績もみるみる下がってしまいました。

それを『山口の力不足だ!』というのであれば、その厳しいお言葉は甘んじて受けますが、今でもはっきりと思います。

そこまでお母さんが過保護だと、塾や学校にできることは何もありません。

少なくとも、山口の力ではどうすることもできないのです。

幸いにも今の塾になって、似たようなことは起こっておりませんが、もしも万が一同じようなことが起こったら、迷わず転塾をお勧めすると思います。

私たちは安くはないお月謝をいただいて、大切なお子さまをお預かりさせていただいています。

できもしないことを『できる!』と言いながらお金を頂戴することは、詐欺にも等しい行為ですので...。

お子さんを大切にすることと、甘やかすことはまったく別の話です。

これがたかだか受験程度ならばいいのですが、大学に通い始めて自分の意志で勉強するようになったとき、自分が本当にやりたい仕事を探すとき、いざ就職活動が始まったとき、実際に就職して自分が思い描いていたものと違ったとき、結婚を意識するような相手が見つかったとき…、人生の節々で重大な決断を迫られたときに、自分の意志で道を切り拓いてく力が身につかないと山口は考えています。

『こどおじ』『5080問題』『6090問題』、子どものままに大人になってしまう可能性はそこら中に転がっているのです。

そしてそれは、お子さんには一切の責任はありません。

子どもはただただ無心に、お父様やお母様を見て育っていくのです。

勝手に成長していくわけではありません。

ですので、お父様やお母様がお子さまを見て、何か不満があるのだとすれば、それはご自身を省みる機会なのかもしれません。

僭越ながら失礼いたしました。

(『子どもが育つ魔法の言葉』-ドロシー・ロー・ノルド、レイチャル・ハリスーより抜粋)