西中3年生から切れ味鋭い質問をいただきました!×How dou you think about it?は何が間違っているしょうか?また、×I didn’t know what he felt.もどこか間違っているのでしょうか??
これ、普通に高校生でも間違えそう・・・(というか、中学生でここを疑問に感じられるところがすごい)。
ちなみに、
×I didn’t know what he felt.
×I didn’t know how he thought.
そもそも意味が不自然というかおかしいのですが、とりあえずは、”whatとfeelの相性”、そして”howとthinkの相性”はそれぞれ最悪に悪い、ということだけでも念頭に置いてください。

3⃣の(1)Nobody understands ★how I feel.
『誰も私がどのように感じているのか、分かっていない。』という文章なのですが、K君からいただいた質問の内容は、『howの代わりにwhatはだめなんでしょうか?』というものでした。
おぉ・・・。
こちらのK君、1年前はほとんど、というか一度も質問に来たことがなかったのですが、少しずつ少しずつ自主性と主体性を身に着けて、最近では切れ味の鋭い質問をどんどんしてくれます。
しかもその質問が、一度自分でしっかりと考えたことがはっきりと分かるんです。
さて、今回のK君の質問内容についてですが、結論から言えば、文法的には”how I feel”でも問題はありません(※ネイティブチェック済です)。
しかし、じゃあ〇がもらえるのかというと、おそらくは×になるだろうとのこと(※そんな言い方を日常ではまずしないという理由でした)。
では理由はなぜなのでしょうか?
その前にまず、この前提をインプットしてから先に進んでください。
『彼が何を考えているのか、分からない。』
I don’t know what he thinks.
『彼がどんな風に感じているのか、分からない。』
I don’t know how he feels.
thinkなら疑問詞はwhat、feelなら疑問詞はhowと連動するのです。
ではその理由はなぜでしょうか??
【What は名詞が大好きで、Howは形容詞が大好き!】
中学校で感嘆文というものを学習します。
以下のような文章ですね。
例えば、『なんて彼女は美しいんだろう!』を”What”や”How”を使って文章を作ると以下のようになります。
〇What a beautiful girl she is!”
※”what”の直後に、冠詞を伴った”a beautiful girl”という名詞が来ています。
一方で、
〇How beautiful she is!”
※Howの直後には”beautiful”という形容詞が来ていますね。
理由は、Howというやつは関係副詞というものでもあり、副詞的な機能が非常に強いのですが、副詞は形容詞を修飾するという性格上、直後に形容詞が来やすいのです。
〇How far(形) is it from here to Tokyo?
『ここから名古屋までどれくらい遠いですか?』
〇How long have you played soccer?
『いつからサッカーをやっていますか?』
※ちなみに、『いつから~してますか?』と聞きたいときに、”from when”とは言いません!
間違いではありませんが聞いたことがないです。
というわけで、まずは頭の中に、『Whatは名詞と相性がよくて、』『Howは形容詞との相性がよい』というこの2つのルールをインプットしてください。
【×How do you think about it?は何が間違いなのか?】
『それについてどう思いますか?』という英文は100%次のようになります。
What do you think about it?
しかしながら、『どのように?』と聞きたいのであれば、Howでもよさそうな気がしますね。
しかしながらここで重要なのは、”think”という動詞が持つ性質に焦点を当てなければなりません。
※thinkを使った超簡単な例文
I think that students have to study hard.
和訳はさておき、thinkという動詞は直後に必ず名詞を取るのです。
ここでもう一度先ほどの文章に目を向けると・・・
What do you think ★ about it?
と、★の位置を質問する形となっていることに気が付きます。
もちろん、ここはthink の直後なので、元々は名詞があったのだと考えられます。
名詞について質問しているわけですから、使用すべき疑問詞は”What”ということになりますが・・・。
これは飽くまでも無理やり文法的な説明を便宜上付けただけです。
ただただシンプルに、”What do you think about ~?”をひとつの言葉として覚えてしまった方が早いですね。
【今回の問題文、”Nobody understands how I feel.”について】
ここでも実は”feel”という動詞が持つ性質がかなり重要になります。
実は”feel”という動詞には『不完全自動詞』というけったいな名前がついているのですが、そんなことはどうでもいいです。
“feel”という動詞は『~と感じる』という訳になるということだけ、とりあえず年頭に置いてみてください。
次の文章はどちらがより自然でしょうか?
①『私は寒いと感じる。』
②『私は寒気を感じる。』
どちらも正しいのでしょうが、おそらくは①の方が自然だと感じる人の方が多いのではないでしょうか?
これを英語にすると
①I feel cold(形容詞).
②I feel coldness(名詞).
どちらも正しいのですが、おそらくこちらもナチュラルなのは①の方ですね。
そう、つまり『”feel”という動詞は形容詞の方が相性がいい』のです。
そこで今回の例文ですが、
“Nobody understands how I feel★.”
I feel ★ ★の位置には形容詞があったと考える方が自然です(※しつこいようですが、もちろん名詞があっても間違いではありませんよ!)
というわけで、★の位置にあった形容詞についての関節疑問文のカタマリを作る必要があったので、
(きわめて×に近い)△what I feel.
〇how I feel.
ということになります。
これは日本語にしてみると一層分かりやすいです。
△what I feel ⇒『どんなに感じているのか』
〇how I feel ⇒『どのように感じているのか』
飽くまでも文法的に取ってつけたような説明をするのであれば、上記のようになりますが、みなさんはぜひぜひ、言葉として次の2つの文章を覚えてくださいね!
“What do you think about it?”
『それについてどう思う??』
“I don’t know how he feel.”
『彼がどのように感じているのか分からない。』
最後になりますが、もしも今回の文章、使われている単語が”feel”ではなく”think”だったならば、疑問詞も”what”でなければなりません。
〇Nobody understands what I think.
『私が何を考えているのか、誰も理解していない。』
【このような疑問を持って、質問に来てくれることが素晴らしい】
ちなみにこちらのK君、普段の学習から本当にとても主体的です。
山口は高校生の指導が専門なのですが、わけがあってこちらのK君の指導を担当させていただいています。

余談ですが、これはとある高校の入試問題です。
もうはっきりいって、大学受験レベルですね(苦笑
そしてこちらのK君、山口が渡したハードな課題はすべて100%で取り組み、分からない単語は事前にすべて抜き出して、自分である程度は質問ができる状態を作って授業に臨んでくれます。
もちろん、いきなりそこまでの主体性を求めたりはしません。
事実、冒頭でもお話しましたが、彼もいきなりこのように主体的に取り組み、考えて質問ができていたわけではありません。
1年2年かけて、色々な紆余曲折を経て、今までの膨大な彼の努力と葛藤の積み上げの上に、この学習スタイルが作り上げられたのです。
一朝一夕にできるものではありません。
だからみなさんも、焦らずに、早い段階での結果を求めないでください。
いいじゃないですか、たくさん失敗しても(高校2年生や3年生のそのゆとりはありませんが)。
今ここでたくさん失敗して、正しいものを少しずつ身に着けていけるのであれば、それは君の一生の財産となります。
こちらのK君だって、つい半年前まではこんな質問はできませんでしたし、それどころかゲームに夢中だったのです。
それにしても、中高生のみなさんのこんなに大きな成長を、目の前でみることができるなんて、本当に役得なお仕事をさせていただいているなと、つくづく幸せを感じております。
中高生のみなさん、そしてお父様お母様、いつもありがとうございます。
それでは本日はこの辺で・・・。
