勉強に集中できないなら、スマホは解約した方がいいですよ

さて、これについても幣ブログで散々申し上げていることではありますが、最初の前提として、山口は『スマホの存在そのものが悪』とは思っていません。


『スマホに依存しまくっている』

『スマホで集中力がそがれる』


こういったことが害だと思っているだけで、デバイスとしてはこんなに便利なものはないでしょう。


現に、山口はこちらの高校2年生から、『ブログを読みましたが、デジタルデバイスとどのように付き合っていけばいいでしょうか?』という質問をいただきました。


何度も使わせていもらってすみません、こちらの高校生です。



これだけの結果を出していますし、もちろん宿題もほぼ完璧にこなしてくれていますので、彼女の場合は『スマホが学習を阻害していない』ということが分かります。


ですので彼女には、『今のままでいいですよ~』と伝えました。

もちろん、この先で何か悪い影響が確認できれば、それは改善すべきだとは思いますが。


そしてこちらの中学生もそう(※こちらも何度もご登場いただいて本当にすみません)。


常に西中で上位を維持し続けていますし、彼に至っては高校生と同じか、それ以上の課題を出していますが、常に80%以上の精度で維持できています。

もちろん、年頃の男の子らしく、身近にはゲームもスマホもあるようですが、自分の意志でしっかりと管理できています。


余談ですが先日、『最近どんなゲームやってんの??』と聞いたところ、『あー・・・、最近はゲームやってないっす。』と返ってきました。


自分の意志でこれができるのであれば、スマホやゲームが手元にあっても問題なしです。


しかし、それは相当に大変なことなのです。

この話も既出ですが、岡崎高校⇒東京大学にストレートで合格したS原先生は、『僕は大切な試験の前には、誘惑になるすべてを処分します。脳に直接作用する誘惑を断ち切れるほど、僕の精神力は強くはありませんので。』と言っていました。


実際のところ、国家試験などを控えたときのS原先生の部屋は何もない。

本当に何もないんです。

机と勉強道具しかない。

勉強を苦にしていないS原先生ですら、大切な試験の時はそこまで追い込まなければならないのだそうです。



【たとえ2~3分でも、スマホに気を取られることが問題だと思わなければならない。】

なかなか成績が伴わない、勉強時間はそれなりに長いはずなのに、思うような成果が出ていない中高生は、見ていれば大体分かります。

教室で勉強していても、ほとんど手が動いていないのです。


もちろん、考える時間などはあるのでしょうが、まったくと言っていいほど『書く』ということをしていない。

『単語帳を眺める』

『参考書を眺める』

それだけで何とかなるほど大学受験の勉強は甘くはありません。


そういう中高生は個別に呼び出して、『勉強集中できているの?』と聞くと、大抵はお茶を濁したような、煮え切らない反応をします。


そこで『スマホ触る時間、ゼロにできているの?』と聞くと、『たまに触ってしまいます。』と正直な答えが返ってきます。


ここで保護者様にも共有していただきたいのですが、もしかしたら『ちょっとくらいならスマホも触っていいんじゃないの?』と思われるかもしれません。



確かに、ほんのちょっとスマホを触ることで息抜きになって、また勉強に集中できるのであればそうですね。


しかし、『勉強中に少しでもスマホが気になっている』ことが、もうすでに勉強に集中できていないということですし、おそらくは『たったの2~3分スマホを触るだけ』で、学習者の脳はリセットされていて、もういちど集中できる状態に持っていくことは難しいです。

これについては山口の蘊蓄などよりも、実際に『スマホ 依存症』『スマホ 集中力の低下』『スマホ 学力破壊』『スマホ WHO』などで検索してみてください。


スマホに何時間も依存してしまうのは論外としても、もしも勉強に集中できていないのであれば、『スマホの存在そのものが、学習を阻害している』と考えるべきです。



もちろん、これが中学生くらいならば、時間も存分に残されているので、気長に取り組んでもいいのかもしれません。


しかしこれが高校生ともなるとかなり厳しい。


おそらくはこの時点で、ご両親が『スマホを解約しない?』と提案してみたところで、お子さんはあの手この手で全力で抵抗してくるはずです。


こうなってしまうと、もう塾にはどうしようもありません。


もちろん、私たちは余計なお世話であることは存分に承知の上で、塾生本人に『スマホが学習を阻害していること』を伝えます。

しかし、まず響きません。


ほとんどの高校生は(なんで塾にスマホのことまで言われなきゃならないんだよ…。)と思うことでしょう。

だから投げやりなようで申し訳ないのですが、スマホの問題はご家庭で解決していただく他はありません。


ちなみにショッキングな内容ではありますが、0~1歳児の頃に1時間以上スマホを見せるだけで、もう学力崩壊が始まっているのだそうです。

さらに1歳児の頃は、スマホの画面は全く見せてはならない、チラッと見せただけでもその後の人生に大きな悪影響を及ぼすのだそうです。


・・・。


しかし、そんなことを言ったら今のほとんどの中高生はそれに該当してしまうでしょう。



『覆水盆に返らず』の言葉通り、過ぎてしまったことは取り返しがつきません。

だからこそ今、逆に過剰ともいえるほどの対策が必要なのではないかと個人的には思います。


ただししつこいようですが、もちろん一塾講師である山口に、そこまで強制することはできませんし、こうしてブログなどでお話するくらいのことしかできません。


また、今年の1月には、スマホの使用を注意された中学生の女の子が、自分の母親を殺害してしまったというショッキングな事件が起こりました。

『スマホの買い替えはできるけれども、人の命は替えがきかない』、そんな当たり前のことも分からなくなるほど、スマホは正常な思考を妨げるものともいえるかもしれません。


なお余談ですが、ユーチューバーなどが作る精巧な動画は、『派手な効果音が3秒に1回は出るように』『画面にもエフェクトをかけて』『セリフに合わせてテロップが流れるように』作られているそうで、見ている人がまったく何も考えなくても、大量の情報が流れてくるのだそうです。


そのため、YouTubeなどに依存している中高生は、簡単なことでも思考することができなくなり、その影響は英語や現代文、数学や物理などの学習にも甚大な悪影響を及ぼすのだそうです。




とはいえ、重ねて申し上げますが、最終的なご決断はご家庭に委ねる他ありません。

しかしはっきりと申し上げておきますが、どれだけ当塾が親身に指導をしても、どれだけ熱心にお声がけをしても・・・、スマホがやめられなかったばっかりに成績が上がらなかった、受験で思うような成果が得られなかった場合には、一切の責任を負えません。


いかに今当塾に通ってくれている塾生といえども、スマホの問題が改善できないのであれば、いくら当塾に通い続けたとしても、期待できる成果は得られないかもしれないことはお伝えしておきます。



【最後に】

山口の人生で一番きつかったことは、最後の受験シーズンに睡眠時間4時間で勉強し続けたことでも、野球部で毎日水を飲まずに20㎞走り続けたことでもありません。


そんなことよりも、『禁煙』が一番きつかったのです。

禁煙を始めた頃は、『1日の本数を少しずつ減らしてみよう!』と挑戦してみたのですが、これがまったくだめ。


自分は一日にタバコを40本も吸うようなヘビースモーカーだったのですが、一日の本数が5本になろうが1本になろうが、ゼロにはできませんでした。



そこで思い切って、『いきなりゼロにする!』という荒療治に出たのですが・・・結果としてそれがなければ、自分はタバコをやめられなかったと思います。


タバコもね、スマホと同じで脳に直接働きかける中毒性の高いものなんです。


強い意志が無ければとてもじゃないけどやめられない。

ただみなさんに同じやり方を押し付けるつもりはありません。


みなさんが自分の力で、『勉強とスマホはきちんと分けて、勉強の集中力も一切切らさない!』という自信があるのであれば、ぜひそうしてください。

しかしながら、みなさんが第一志望の高校や大学に合格できるか否かに、スマホが大きく関わっていることも事実です。

『あの時スマホをやめていればよかった・・・。』なんてことはね、終わってしまえばいくらでも思えるんですよ。


今できるかどうか、それが大切です。


とにもかくにも、スマホが断ち切れるかどうかに塾や学校は関与できませんので、後々後悔することのないよう、自分の意志で決めてください。