英会話と受験英語の違い ②
さて続きです!
【We all know from a study of history the progress of the working people from the stage of barbarism to that of slavery , serfdom and later individual freedom.】
これを読解していくその前に、2つほどお話させていただきたいです。
まず1つ目。
《英語は必ず前から訳すこと!》
I’m going to go abroad to study English.
これは中学2年生くらいの英文ですが、みなさんはどう訳すでしょうか?
多くのみなさんは、『私は英語を勉強するために海外へ行く予定です。』
と訳すのではないかと思われます。
もちろん、中間期末テストで、『和訳を書きなさい』という問題があれば、この通りに書いてください。
ただし読解するときは別。
さきほどの和訳は
①I’m(私は) ⑥going to(予定です) ⑤go(行く) ④abroad(海外へ) ③to study(勉強するために) ②English(英語を).
の順番で訳しているわけですが、当然ネイティブスピーカーはこんな聞き方や訳し方はしていないわけです。
①I’m going to (私は予定しています)
②go abroad(海外へ行くことを)
③to study(勉強するために、何をかというと・・・)
④English(英語を).
このように、しっかりと主語⇒述語動詞⇒目的語や形容詞、または準動詞など⇒副詞
の順番で訳さなければなりません。
でないと長文を読むときに、いちいち後ろから読むという謎の悪癖がついてしまいます。
文章を後ろから訳すって、そもそもおかしいと思いませんか?
だからだまされたと思って、英語の文章は前から読みましょう。
そして次!
これは高校生以上の生徒諸君に意識してほしいです。
英語がニガテな生徒はとにかく『SVOCとM句』を意識してください!
これは実際に先ほどの例文を読解しながら説明しておきます。
先にお伝えしておきますが、難解な英文を読解する上で『SVOCとM句』は必須です。
たまにそれを意識しなくても、スラスラ読めてしまう生徒がいますが、そんな君たちはやらなくてもよいです。
ただ先ほどの、
【We all know from a study of history the progress of the working people from the stage of barbarism to that of slavery , serfdom and later individual freedom.】
がスラスラ読めないようであればやってください!
それでは早速やっていきましょう。
当たり前ですが、英語の文章を読む上で大切なのは、『主語(S)』と『動詞(V)』ですよね。
まずはそれを特定してしまいましょう。
すごく簡単です。
主語になるのは『最初に出てきた名詞』なのでここでは当然『we』。
主役の動詞になるのは『関係詞がついていない動詞』なので『know』。
ここまではいけたという生徒諸君も多いのではないでしょうか?
ただ肝心の目的語が分かりにくい!
knowの後に続く『from a study』なの?それとも、
『of history』なの?
と悩んでしまった方もいらっしゃるのではないでしょうか?
そこに陥った瞬間に、この英文は読めなくなってしまいます。
ここで目的語となるのは『the progress 』
これも(ただなんとなく・・・)といった曖昧な理由ではなく、はっきりとした明確な理由があります。
それは、《前置詞がついた名詞は絶対に主語にも目的語にもならない!》というはっきりとしたルールです。
ですので諸君は読みながら(あぁ・・・前置詞がついてるからこの名詞は形容詞か副詞的な働きをするんだな~)と思いながら読まなければなりません。
先ほどSVOCを赤とM句を青、と色分けしたのはここに理由があります。
実際に英文を色分けしてみましょう。
【We all know from a study of history the progress ・・・・.】
赤のSVO部分だけを抜き出すと、
【We know the progress ・・・・.】
『私たちは進化を知る。』という訳になります。
つまりこの文章、すっごく長かったけど【SVO】(第3文型)だったわけです。
で、もちろん青の部分も無視していいわけではありません。
前置詞がついた名詞は『形容詞、または副詞の働きをする』というこれまたはっきりとしたルールがあるから、それにそって訳すだけです。
We all know from a study of history the progress ・・・・
私たちはみな知る 歴史を研究することによって その進歩を
あまりよくないですが、きれいな日本語にするならば
『私たちはみな、歴史を研究することによってその進歩を知るのである。』
といった感じですね。
あとはこの要領で、後半部分も前から順番に訳していけばよいです。
後半も『前置詞+名詞』ラッシュでしたね!
(the progress)of the working people from the stage of barbarism to that of slavery , serfdom and later individual freedom.】
なんだ後半は全部青、つまりM句になるわけですね。
そのまま順番に訳していくだけですよ!
その前に気を付けるのは【from A to B】の部分。
これはちょっと注意が必要ですが、実は中学2年生で習っています。
【It takes about 30 minutes from Nishio station to Shinanjo station.】
(西尾駅から新安城駅まで約30分かかります)
そのまま当てはめましょう!
(the progress)of the working people from the stage of barbarism to that of slavery , serfdom and later individual freedom.】)of the working people from the stage of barbarism to that of slavery , serfdom and later individual freedom.】
労働者の進歩を (from) 未開の段階から (to) 奴隷や農奴の段階まで 、 (and)そして後には個人的自由の段階に至るまでの
つまり後半部分の前置詞句は全て形容詞として目的語【the progress】にかかっていることが分かります。
もう一度、主節の部分を交えて、頭から順番に訳していきましょう。
【We all know from a study of history the progress of the working people from the stage of barbarism to that of slavery , serfdom and later individual freedom.】
私たちはみな、歴史の研究から進歩を知るのです (それはどんな進歩なのかというと・・・)労働者の、未開の段階から奴隷、または農奴、そして後に個人的自由に至るまでの(そんな進歩を)
この英文、後ろから訳していたら絶対に訳せません(試しにやってみてもいいです)。
で、これもきれいな日本語にするならば、
『私たちはみな、歴史を研究することによって、労働者が示す未開の段階から奴隷、農奴、そして後には個人的自由の段階に至るまでの進歩を知るのです。』
見ての通り、日本語では主語が文頭に、述語動詞が最後に来ます。
つまり日本語と英語ではもう決定的に文構造が違うので、日本語の感覚で読めるわけがないのです。
多くの受験生が長文を読んでいて時間が足りなくなるのはこのせい。
しかしそれは諸君が悪いわけではない。
『後ろから訳すんだぞ~』を徹底的に叩き込まれた諸君は、難しい英文にぶつかったときに、このようなスパイラルに陥ります。
(まずとりあえず読んでみよう・・・あぁなんだかよく分からないな・・・。次は後ろから訳してみよう・・・うぅそれでもよく分からない・・・。そもそも動詞(準動詞)も名詞もたくさんでてきているし、どれが主語でどれが主節動詞なの??)
で、時間もないからきちんと読めていないまま最後まで読んで問題に取り掛かる。
正解するわけがないですよね?
だから諸君は『しっかりと前から訳す習慣』と『SVOCとM句を意識して読解する』というこの2つの習慣を身に着けてください。
もちろん、できてる人はやらなくていいです。
これは読解がニガテな人のためのツールなので。
え?そんなの本番でやってる暇なんかない?
もちろんそうですね。
本番ではこんなに時間はかけられない。
でも最終目標は、これを意識せずにスラスラ読めるようになることです。
断言しますが、何度も何度も練習すれば、上の文章は意識せず、15秒程度で読解できるようになります。
諸君が車の免許を取るようになると分かります。
諸君が普段乗っているお父さんお母さんの車の運転ですが、最初は驚くほど時間をかけて、驚くほど地道な工程を繰り返し練習していくのです。
1 周囲を確認する
2 運転席のドアを開ける
3 運転席に乗る
4 ルームミラーを調節する
5 ドアミラーを調節する
6 エンジンキーを回してエンジンをかける
7 サイドブレーキを解除する前に、ドアミラーと目視で後方確認
・・・いや、もうキリがないんですけどね(笑)
教習所内でも時速20kmくらいで何度も何度も同じ動きを繰り返すのです。
でもお父さんお母さんの運転を見てみてください。
無意識にそれをやってるでしょ?
それに公道でも50km前後くらいのスピードで走っているはずです。
でもそれをいきなりできるわけではない。
何度も何度も同じ動きを、時間をかけて練習して、最後には無意識にそれができるようになるわけです。
英文読解も同じよ?
最初は嫌になるくらい時間をかけてください。
冠詞1つを取っても、(なぜついてないの?これは不可算名詞なの??aじゃだめなの?theはつけないの?)とかこだわってください。
ing一つとっても、動名詞なのか現在分詞なのか、それとも分詞構文なのか、疑問を持って解決するまで学んでください。
その積み重ね1つ1つが力になって、最後には何も考えずに読めるようになるのです。
・・・しまった!
長くなりすぎてしまった・・・。
(もう誰も読んでいないと思いますが)本日も最後までお読みいただきまして、ありがとうございました。