高校3年生でこの文章が訳せないと、かなり危険です!

今日のブログは高校生向けです(しかも長いです)。

中学生のみなさんは一切読まなくてもいいです(すんごい英語が好きな中学生は読んでみてもいいかもしれません)。

ただし大学受験を控えてる高校生諸君には、頑張って全員に読んでほしいです(山口が担当している塾生諸君は、全員が授業でやった内容になりますので、読む必要はありません)。

 

 

 

 

早速ですがみなさん、『主役動詞』って分かりますか??

もちろん知らないと思います。

なぜなら山口が命名したから(笑)。

 

 

 

次の日本語を読んでみてください。

 

『朝起きて、ごはんを食べた後歯を磨いて、自転車に乗って西尾高校へ行った。』

 

この日本語の意味が分からない高校生は・・・というより、小学生でも分かる日本語だと思います。

 

しかしこの日本語、たったの一行に何と5つの動詞が入っています。

 

『朝起きて、ごはんを食べた後歯を磨いて、自転車に乗って西尾高校へ行った。』

 

 

中高生諸君に、『この中で一番重要な動詞はどれ??』と聞くと、間違いなく『行った。』だと答えます。

その通り。

これが『主役動詞』です。

 

 

 

で、私たち日本人は、感覚的に一番重要な意味を持つ動詞を文章の一番最後に持ってくるということを知っているので、特に考えなくても『この主役動詞』を普通に使い、普通に聞き分けて理解しています。

 

 

ただし英語は違います。

主役動詞が一つ存在するという点においては同じなのですが、判断する基準が異なります。

英語の読解は感覚の余地は一切入りません(会話は別として)。

次の文章に目を通してみてください。

 

 

“The man assigned to help her made her feel like the stupidest person in the world.”

 

 

先ほどの日本語の文章と同じように、この英文にもたくさんの動詞が含まれています。

そしてみなさんもご存知の通り、英語は主語の直後に動詞が来る場合がほとんどです。

さて、この文章の主役となる動詞はどれなんでしょうか??

 

“The man assigned to help her made her feel like the stupidest person in the world.”

 

 

(あ・・・、The man が主語だから、その直後のassignedが主役動詞だ!)

 

・・・と思ってしまった高校生諸君、その瞬間にこの英文の読解は破綻してしまいます。

そしてこの文章が長文の中にあった場合、ここで誤訳してしまうわけですから、長文全体もぼんやりとしか訳せず、大きく失点してしまうことでしょう。

 

 

ちなみにassignは『任命する、割り当てる』という他動詞です。

すべての単語帳に載っているので、ついでに覚えてしまいましょう。

 

結論から言ってしまうとこの文章中でのassigned は、動詞の過去形ではなくて、過去分詞なのです。

 

 

(ん??どっちでもいいんじゃないの???)

 

 

と思ってしまった高校生諸君は、『他動詞』と『分詞』『準動詞』の三つの単元をやり直さなければなりませんよ!

そもそも、動詞の『過去形』と『過去分詞』ではまったく意味が違います。

 

これは中学生文法のおさらいになりますが、『過去分詞』は受動態で使われます。

したがって、動詞の過去形は能動態であるのに対して、過去分詞は受動態の意味になるわけですから、まったく逆の意味になってしまうのです。

 

The man assigned her.(SVOの文章なので、『彼は彼女を任命した』と能動態で訳せばOK。)

The man was assigned by her.(be動詞+過去分詞なので、『彼は彼女に任命された』と受動態で訳せばOK。)

 

 

どうでしょうか?

見た目はまったく同じ”assigned”ですが、過去形と過去分詞である可能性があり、意味はまったく真逆になるのです。

こわっ!

『読めてた!』と思ってたら、まったく読めてなかった・・・なんてことがこういう時に起こります。

 

 

 

せやかて工藤、見た目一緒なら分からへんやないかい!

 

 

それが分かるんです・・・。

それも1秒で。

 

 

 

“assign”という動詞、元々必ず目的語が必要となる他動詞にも関わらず、この文章中では目的語が存在していません

 

“The man assignedここにあるはずのOがない!to help her made her feel like the stupidest person in the world.”

 

そう、さっきのめちゃくちゃ短い英文思い出してみましょう。

The man was assignedここにあるはずのOがない! by her.

 

 

そうなんです。

どちらも本来存在するはずの”assign”の目的語がないんです。

こんな風に、不完全な形の動詞は、軒並み『主役動詞』には絶対になりません!

で、ここでは『他動詞の目的語がないから過去分詞なんだ!』、と決めつけてください。

自信を持って。

 

 

そして、次に出てくる動詞”help”ですが、これも不完全な形の動詞ですね。

だって不定詞の”to”がついてますやん。

だからもちろんこれは不定詞の副詞的用法で訳さなければなりません。

こんな風に不完全な形の動詞を、高校では『準動詞』と教えていると思いますが、なんか分かりにくいので山口の授業では『不完全な形の動詞』と教えています。

 

 

まあ正直、日本語の部分はどうでもよいです。

みなさんが分かりやすい方で理解してください。

 

話を元に戻しましょう!

 

“I’m going to go abroad to study English.”

 

これと同じです。

この文章は中学2年生で学ぶ、不定詞の副詞的用法ですね。

 

『私は英語を学ぶために、海外へ行くつもりです。』

 

 

『学ぶために行く』、『学ぶために』は動詞の『行く』を修飾しているので副詞的用法と言っているわけですね。

ここで今回の英文に戻りましょう。

 

 

 

“The man assigned to help her ・・・“

 

まったく同じであることが分かると思います。

つまりこうです!

 

 

①ここでの”assigned”は、他動詞なのに目的語がないから、受動的な過去分詞で処理する。

×『任命した』⇒〇『任命された』

 

②”to help”は不定詞で、副詞的用法なので”assigned”にかける。

“The man assigned to help her ・・・”⇒〇『彼女を助けるために任命されたその男は・・・』

 

 

 

あとは簡単です。

文中で“make”を発見したら、真っ先に使役を疑うこと!

 

とにかく、高校英語でmake や haveが出てきたら、真っ先に使役を疑いましょう。

目的語の後に、補語となる単語があるかないかを確認するだけです(今回は長くなってしまうのでここで割愛します)。

 

 

 

・・・で、文中の”make”の後を確認すると、” made her feel “、目的語”her”の後に”feel”という補語が続いているので、ここでのmakeは使役なんだと断定できるわけです。

 

使役のmakeは『OにCさせた』と訳せばOK。

 

さあいよいよラスト!

 

つまりこの文章はこう訳します!

 

①”The man assigned to help her ”この部分全体が主語。

⇒『彼女を助けるように任命されたその男は』

 

 

②”made her feel“ この部分が主役動詞。なぜなら他の動詞は不完全な形の動詞だから主役にはなれない。

⇒『彼女に感じさせた』

 

 

③”like the stupidest person in the world.” ここから先は前置詞句なのでM句として処理すればOK。付け足す感じで訳す。

⇒『愚かな人間のように、世界で一番』

 

 

 

つなげるとこうです!

“①The man assigned to help her  ②made her feel  ③like the stupidest person in the world.”

⇒『①彼女を助けるために任命されたその男は、 ②彼女に感じさせた、 ③(彼女に)自分が一番愚かな人間だと、世界中で』

 

 

まあ日本語っぽくするならば、『彼女を助けるために任命されたはずの男のせいで、彼女は自分が世界で一番愚かな人間なのではないかと感じた。』と読んでもOKでしょう。

 

 

 

ん?

長すぎるって??

 

いや、でも本来精読ってこういうもんです。

 

『分詞』『不定詞』『他動詞』がきちんと理解できていない状態で、どれだけ英語の文章を読んでも焼け石に水です。

単語の意味だけで、何となく分かったつもりで読んで、実はまったく逆の意味で読んでいた、なんてことを繰り返すだけです。

 

『長文は慣れだ!速読だ!』確かにそうなんですが、それはきちんとした『精読の積み重ね』があってこそ。

中学生くらいの短い文章や英会話なら『慣れ』で片づけて構いませんが、大学受験の英文は、残念ながら『慣れ』で得点できるようになることは絶対にないです。

 

もし今回の文章を正確に訳せなかったのであれば、きちんと自信を持って訳せるようになるまで、1時間でも2時間でも時間をかけるべきです

 

 

 

 

さて高校3年生諸君、みなさんはセンター試験まで残り8か月を切ってしまっています。

最も得点率が高く、最も時間がかかる英語、今から最短距離でマスターしてください!

当塾では『英検1級』、もしくは『準1級』の社会人講師が、必ずどちらかが教室にいます。

ガンガン通ってガンガン質問してください!

 

 

いや、正直なところ・・・今のところ一番質問に来るのは『高校1年生』のみなさんです。

ほんとお願い!

みんなもっと質問に来て!(・・・の方が山口楽しいので)

 

 

 

さて、最後に気休めですが、山口の中学3年までの英語の点数、『ずっと一桁』でした。

 

順位じゃないですよ??

 

“I was English study yesterday”とか普通に書いていましたから(笑)。

 

 

学年ビリを2回取ったことがある山口でも英検準1級は取れたので、みなさんなら楽勝ですよ!

でもそれは正しい学習を正しくやればこそ。

もし自分の学習法に疑問を感じているのであれば、いつでもお気軽に体験授業を受けてみてくださいね!

 

 

本日も(長い長い文章を)最後までお読みいただきまして、本当にありがとうございました。

 

 

 

 

 

 

 

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