現実的なお話を2つ
数年前、とある外語学院で勤めさせていただいていたとき(この塾が開校するまでという期間限定でしたが)、小学校の先生の英語の指導をさせていただくというお仕事がありました。
理由は『2020年の小学校の英語指導義務化』に向けて、準備が必要だからということでした。
保護者のみなさまからすると、小学校から英語を指導してもらえるのは願ったり!・・・なんて思ってしまうかもしれませんが、現場の小学校の先生たちからするとたまったものではありません。
何せ小学校の先生というのは、中には『英語がニガテだから初等教育を選んだ』という方だっていらっしゃるのです。
でも小学生相手の英語でしょう??
・・・と思われるかもしれませんが、正直中学生や高校生を教えるよりも、大きな負荷がかかります。
中高生の指導は日本語を使っても構いませんし、指導内容は主に文法や読解などのテクニカルなものですが、小学校の指導は『オールイングリッシュで指導する』が当時の条件でした(今はどういう基準になっているのか分かりませんが、後日調べてみます)。
『はーい授業始めるよ~。静かにして。』
『じゃあ出席とるね。』
『宿題はやってきたかな??』
『あれ?なんで○○君は宿題やってないのかな??理由があればきちんと話してね。』
とまあ、このように授業全てを英語でやるわけです(クラスルームイングリッシュと言います)。
・・・できますか??
正直高等英語を日本語を使って指導した方が、はるかに簡単です。
英語で思考し、英語でコミュニケーションを取るというのは、英語学習の中でも最終段階なのです。
加えてクラスにはきっと、英語教育を受けている児童や帰国子女だっています。
『先生の英語、まちがってますよ~』~・・・なんて言われたらたまったものではありません。
ですので、文部科学省が言っている『2020年より小学校の英語教育義務化』というのは、かなり無謀なのです。
全国にある全ての小学校の、全ての先生が英語でやり取りできるようにならなければならないのですから・・・。
当然自治体によって先生の指導力にもばらつきは出ます。
ですので、小学校の英語の対策は個別に立てていく必要があります。
・・・といっても、『だからぜひ当塾に!』なんて言うつもりは毛頭ありません。
もちろん、来ていただければ最高の指導を全力で提供いたしますが、そうじゃなくてもご家庭でできることはあります。
例えば、お父さんお母さんが一緒になって、毎日30分程度英会話の勉強をするだけでも充分だと思います。
今はCDつきの素晴らしい教材が、書店にゴロゴロ転がっていますし、BOOKOFFに行けば500円程度で売られています。
ディズニーなどの映画を英語音声日本語字幕で何度も観て、覚えるくらい観たあとは字幕を消してみたりしてもいいですね。
お金をかけなくても、少しの労力でできることはたくさんあります。
小学校の間はぜひぜひ楽しく、ご家庭で英語を学習してほしいです。
さて、2つ目の現実的なお話。
もう聞き飽きたよ!・・・と思われるかもしれませんが、現高校3年生のお話です。
いよいよセンター試験まであと9か月となっております。
昨日もお話いたしましたが、私立文系3教科受験のみなさんでも、1教科に残された時間は3か月程度です。
では、受験まで具体的にどのように進めていけばよいのでしょうか??
偏差値が50前後で、志望校に対してC判定くらいが出ている高校3年生の場合の話をします。
ほとんどの大学では、英語の配点が150点、多いところだと200点なんて大学も珍しくないので、文系私立の諸君は英語で全てが決まります。
したがって、何があっても英語だけで3時間は割きたいところです。
英語を勉強するのは当たり前として次。
国語です。
今は時代の流れなのか、偏差値が50未満の大学ですと、現代文だけでOKなんてところもあります。
志望校の国語が『現代文のみ』『古文のみ』『古文漢文から選択』『古文・漢文必須』なのかどうかは、ご自身で調べておく必要があります。
ちなみに個人的にですが、古文や漢文などの文法は固め打ちが可能だと考えています。
具体的には、古文100時間、漢文50時間くらいですので、夏休みの40日間で一気に終わらせてしまえばよいです。
ただし古文の単語は覚えていることが前提です。
大体250~300単語くらいでしょうか?
そう考えると、いくら固め打ちができるとはいっても、毎日1時間は暗記学習に時間を割くべきです。
そもそも、1日に1時間勉強したとして、受験まで残りあと273日しかないわけですから、当然273時間しか残されていないということになります。
古文の得意不得意は人それぞれ違うでしょうが、果たして今の自分が270時間で古文と漢文をマスターできるのかは、しっかりと見極める必要があります。
次に日本史や世界史。
山口は日本史でしたので、日本史の話をさせていただきます。
おそらくほとんどの公立高校が、現在江戸時代くらいを学習していると思います。
もちろんそのペースで構わないのですが、自分の志望校がどこを重点的に出すのかは知っておかなければなりません。
日本史の学習で最も重たいとされているのが、『近・現代』であるとされています。
今のうちにお伝えしておきますが、これまで学んだ時代とは比にならないくらい難しいです!
量ももちろんそうなのですが、鎖国が終了して海外との交渉が始まって以降のイベントは、それを網羅するだけでも大変なのに、関わった人物も紐づけて覚えていくとなるととんでもないことになります。
とりあえず、歴代の総理大臣は全て覚える必要がありますし、各年代毎に何が起こったのか?どんな人物が関わっていったのかを整理して覚えていかなければなりません。
もしもみなさんが『日本史はセンター試験まで!』と考えているのであれば、そこまで警戒する必要はありません。
センター試験の問題は、各時代ごとにバランスよく出題されますから、厄介な近・現代を捨てたとしても、残りが完璧ならば8割とれます。
しかし、私立大学は話が別です。
みなさんが問題を作るとして、高校生がしっかりと勉強をしてきたかどうかを測るとするならば、簡単な問題を出しますか??
もちろん難しい問題を作るでしょう。
そうなると必然、近・現代のウェイトは上がります。
早稲田や慶應なんて、見て見れば分かりますが9割が近・現代です。
覚えやすい旧石器時代から江戸時代の問題なんて出さないんです。
なぜならみんな覚えてくるから、差なんてつきようがないですよね??
いずれにしましても、みなさんは今の時点で、自分の志望校の日本史の傾向くらいは知っておくべきです。
例えば愛知県ですと、南山や愛知大学は記述のウェイトが非常に高いですから、マーク対策では不十分です。
そう考えると、頑張って日本史にも毎日1~2時間は割きたいところですね。
そうなると、『毎日5~6時間の学習』なんて当たり前だと思いませんか?
というより、これで他の受験生とイーブンくらいに思っておいた方がいいです。
みんなそれくらいは勉強していますし、というより、これまでも毎日それを続けてきた連中だってゴロゴロしているわけですから。
夏休みに何とかしようなんて思わないでください。
それで何とかなるのは『高校受験』まで。
大学受験は質・量共に比較にならないほど高いものを求められますので、一朝一夕の学習では絶対に太刀打ちできません。
ぜひとも今から!
何度も繰り返しますが、センター試験まであと9か月です。
ちなみにですが当たり前の話、夏休みが本格化する8月頭の時点では、センター試験まで残り5か月しかありません。
この4か月の差は圧倒的に大きいことを肝に銘じてほしいと願います。