無理して地方の公立大学を受験する必要なんてまったくありません
6年前・・・、まだ山口が西尾市内の某大手学習塾に勤務していたときのお話です。
受験までいよいよ追い込みの時期となる11月、某高校の高校3年生の女の子が泣きながら相談してきました。
『もう受験するのやめます。』
その子は南山か愛知大学に絶対に行きたい!と言っていたので、いったい何事が起こったのかとびっくりしました。
理由を聞いてみると・・・、いや、今思い出しても本当に腹立たしいのですが、こういうことでした。
その子はその高校で文系特進クラスだったのですが、その日担任の女性の先生に呼び出されてこう言われたのだそうです。
『クラスであなただけなんだけど?国公立を受験しないの。先生困るんだよね、せっかくクラス全員が国公立を受験するという記録(今でも覚えています。はっきり記録と言ったそうです)がかかっているのに、あなた一人のせいでこのクラスの評価が下がるんだけど??今からでもいいから下〇市立大学を受験してくれないかな?』的なことを言われたらしいんですね。
もうそれがどれほど彼女の心を傷つけたことか・・・。
もちろん山口ははっきり言いましたよ。
『受けたくもない大学なんて受験しなくていいよ。今まで通り、南山と愛知大学だけのことを考えておけばいいからね。』
緊急でしたがお母さんにも塾まできてもらい、ご両親にも強い気持ちを持ってもらうようお伝えさせていただきました。
あのですね~、受験って主役である受験生のためのものですよね??
だったらどこを受けようが関係ないじゃないですか。
その高校は(どことは言いませんが)やたらと毎年、〇田県立大学とか、釧〇公立大学とか、鳥〇環〇大学とか、北九〇市立大学を受験させようとするのですが、それが当の生徒達にどんなメリットがあるんですか??
私にはもうなりふり構わず受かりそうな地方の公立大学を勧めて、『国公立進学率○○%』と言いたいだけにしか見えません。
だとするならば、それはもはや受験生ファーストではなく、学校ファーストになってしまっています。
そもそもその時点で、そんなことを言う先生は君たちの4年後や10年後のことなんて何も考えていません。
これだけ全国的にも潤っている愛知県において、わざわざ県外に出ていくわけですから、仮に就職するときに愛知県に戻ってくるときにはそれなりの理由を用意しておかなければなりません。
人事面接担当はきっとこう聞いてきます。
『わざわざ地元愛知を離れて、あえて地方の大学に進んだ理由を教えてください。』
山口なら一生懸命こう返します。
『高校在学中に、広く見聞しておきたいと思い、全国の色々な大学を調べていたところ、○○市立大学の○○教授の研究内容に大変な感銘を受け、ぜひとも4年間、○○教授の指導を賜りたいと強く思いました。4年間地方で勉学に打ち込ませていただき、今度はその学んだことを地元愛知で活かすことで貢献したいと思い、うんたらかんたら・・・。』みたいなことを言うんでしょうが、そんなの海千山千の歴戦の人事面接担当のハートにはまったく響きません。
あ~、なんか一生懸命頑張って考えてきたんだろうな~・・・と思いながら、次の志望者のエントリーシート見てますよ。
誤解のないようにお伝えしておきますが、君たちが君たちの意志で、地方の公立大学を受験するのは素晴らしいことなんです。
それならきっと、こんなとってつけたような志望動機じゃなくて、面接官のハートを揺さぶるようなことが言えるでしょうから。
でも何の理由もなくて・・・ましてや自分の行きたい大学があるのに、なぜ地方の公立大学を受験しなければならないんですか?
ちなみに旅好きな山口は、上に挙げた地方の大学を全て見て回りましたが・・・、いや、もちろんいい大学でしたが、みなさんが貴重な4年間の青春時代を過ごすことを考えると、よほどのしっかりとした理由がない限りお勧めしません。
まあ不純な動機かもしれませんが、例えば『下〇 繁華街』とか『鳥〇 繁華街』とかで調べてみるとよいと思います。
何よりも、みなさんはこんなに素晴らしい愛知県というところに住んでいて、なおかつこれだけ素晴らしい大学がたくさんあるのですから、特に理由がなければ愛知県よりも地方を選ぶ理由はないと思うんです。
もちろん、当塾には関東圏の最難関の大学を志望している塾生が何名かいますが、はっきりとした明確な志望動機があるならどこでもいいと思うんです。
まずいのは、学校側の一方的な押し付けで、望んでもいない大学を受験し、言われるがままに何となくで地方の大学に行ってしまうことです。
現に他の高校では、受験生の志望大学にそこまで口を挟むことはありません。
というより、そんなに受験生の意志を無視して干渉してくるのはその高校だけですね。
大学とは言うまでもなくみなさんの人生の中で最も貴重で、最も楽しい時間なんです。
それを自分の判断ではなく、学校の判断にゆだねてはいけません。
自分の意志で決めて、決めたからにはその決意に見合う努力をして、ぜひとも第一志望を勝ち取ってほしいです。
最後になりましたが、今回紹介しました女の子、もちろん受験は全勝しました。
もう大学も卒業していますね。
きっと立派な社会人になっていることでしょう。
ちなみに余談ですが、そのときにその女の子の指導を担当していたのが当塾の都築先生でした。