まったく広告宣伝も勧誘もしない学習塾 FIX

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雑談

夏になると前職のことを思い出します。

 

6月くらいになると会社全体が殺気立ってきて、テレビをつけるとガンガンCMが流れ出し(もちろん今年も流れていますね。某アルプスをテーマにしたCMでして・・・)、とにかく後がない中3生や高3生をターゲットに、一気に入会者をかきこんでいくのです。

 

今当塾で山口がやっているのは、それとはまったく真逆ですね。

 

中3生はさておき、高3生は入塾を締め切りましたし、当塾は無理な勧誘も一切いたしません(※方向性がまったく違うというだけで、前職を否定しているわけではありませんので悪しからず)。

 

もちろん、開校当初は塾生が5名しかいない状態が半年以上続きましたし、当時は私たちも不器用なりに広告宣伝を頑張っていましたが、おかげさまで今では多くの塾生とお父様お母様方にご支持とご理解をいただき、無理して塾生を増やさなくてもいいような環境を作ることができました。

 

 

そしてもう一つの理由ですが・・・、厳しい物言いになってしまいますが、高校1年生・2年生という貴重な学力の土台を築く期間をサボってしまい、ラストの夏休みで何とかしてしまおうという姿勢では、まず第一志望を勝ち切ることはできません

 

一言で言えば、そんな短期間で、長期間コツコツ積み上げてきたライバルに対抗するだけのカリキュラムを作ることができないのです。

 

もちろん、利益を最優先するならば、『どうぞどうぞ、今まで勉強していなくても、E判定しか出ていなくても大丈夫ですよ!ただし受験対策でお月謝はどうしても高くなってしまいますが・・・。』なんてこともやろうと思えばできるのです。

 

でもそれは不誠実ですし、何よりも今いる現生徒塾生のカリキュラムに少なからず支障が出るので、それはやらないのです。

 

 

こんなことを言うと、『おまえは京都の料亭かい!(一見さんお断り的な意味で)』なんてツッコミが聞こえてきそうですが、そもそも考えてみてください。

 

 

なぜだか勉強だと『一発逆転』が起きるような気がしてしまうのですが、これを野球に置き換えてみてください。

 

全国からエースで4番をかき集めてきて、そんな連中を全員寮に住まわせ四六時中共同生活をして、休みは年間3日だけ、携帯やスマホは禁止、学校の授業は昼までで残りは全て野球に注いでいる大阪桐蔭に、たったのラスト半年だけ死に物狂いで練習して勝てると思いますか??

 

勉強の世界も全く同じで、進み方は違えども、ある生徒は小学生の頃から地道に毎日2~3時間の勉強を継続していたり、ある生徒は中学受験を体験し、中高一貫私立に通いながら予備校や塾に通っていたり、ある生徒は部活を謳歌はしたけれども、計画的に勉強してトップクラスの進学校に通いながら文武両道で頑張ってきた・・・そんな連中を相手に、今までサボったけれども、たったの半年で彼らと互角に戦えますよ、などとは口が裂けても言えないのです。

 

 

せめて・・・、せめて1年はないと。

 

もちろん一口に最低1年とは言っても、それは目指す学校の難易度によって変わります。

 

 

でもですね・・・本当に意地悪とか、お高くとまって高校3年生を締め切っているわけではないのです。

 

前塾でも、その前の塾でもたくさん見てきましたが、高校3年生のお子さんたちやお母様方は、それこそ藁にも縋る思いで体験授業を受けに来るのです。

 

もちろんお子さんやお母様方は、体験授業を受けるまでもなく、ほぼ入塾するつもりできますので、塾のシステムなどの説明もそこそこに入会を決めます。

 

でもそこからが大変なのです。

 

とてもじゃないですが、高3生たちは、たかだかひと夏休み程度では何もリカバーできないことを思い知らされます。

 

 

英語の単語一つとっても、文法一つとっても・・・数学や物理化学などは言わずもがな、ただ暗記するだけだと思っていた日本史であったり、古文であったり・・・生物であったり、何とかなるだろうと思っていたものすら何ともならないことを思い知らされ、授業や講習を追加していくのです。

 

 

夏期講習を200コマ希望されたお母様もいらっしゃいました(山口が説得してそれはやめていただきました。ちなみに200コマだと車が買えてしまいます)。

 

もちろん、その200コマで確実な成果が得られ、なおかつご家庭が『費用対効果を得られた』と満足されるのであれば、それはそれでよいと思います。

 

もしくは、これまでに積み上げてきたものがあって、200コマも有意義にこなせるだけのバックボーンがあるならばその講習も意義があったのでしょうが、厳しい言い方をすれば、お金をどぶに捨てるようなものだったのです。

 

当塾の卒塾生達は、本当に今最高の結果を出してくれていますが、それは一過性の努力によるものではありません。

 

少なくとも年単位、たゆまぬ努力を積み上げた結果が合格実績につながっています。

 

逆に言えば、よくネットなどで目にする『たったの半年で逆転早慶!』『高校3年生の夏休みで偏差値40から・・・』のようなメソッドはまったく持ち合わせておりません。

 

入塾時からカリキュラムを作り、何度も何度も微調整をかけながら、塾生と講師が二人三脚で第一志望合格というゴールに向かっていくのです。

 

 

う~ん・・・とはいえ・・・本当のところは短期間でものすごい結果が出せる学習法があればいいのに、なんて思いますけどね。

 

でも世の中にこれだけ色んなタイプの塾が存在しているところを見ると、そんな都合のよい学習法は存在しないということが分かります。

 

もちろん、勉強って楽ではないですよね??

 

これはいやみでもなんでもなく、みなさんに第一志望というものがなくて、とりあえず大学ならどこでもいいよというのであれば、正直そんなに頑張らなくてもいいと思うんです。

 

だけど行きたいところがあるなら頑張らなきゃ。

 

だってそこに行きたいと思って、今日も何かを犠牲にして頑張っているライバルがいるわけだから。

 

そんなわけで、今日も明日も頑張りましょう!

 

 

 

 

 

 

 

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