笑い話

前回のブログがとってもシリアスな内容だったので、今回は笑い話を(笑えないかもしれませんが・・・)

 

多くのみなさんがご存知の通り、山口の前職は名前を知らない人はいないであろう、業界最大手の学習塾の教室長でした。

 

もったいないくらいの評価をしていだいいていましたし感謝もしていますが、辞めた理由はただ一つ、とにかく営業体質であることが山口には会わなかったのです。

 

『面談に来たら取るまで返すな!』

『売上ノルマは必ず達成しろ!(もちろん昨対比を下回ることはありません)』

 

ただ断っておきますが、大企業なので社会人として数字の責任を負わされることはいたって普通のことだと思っています。

ただただ、考え方が合わなかったんですね。

 

優先順位として、私の場合は『生徒の成績を上げて志望校に合格してもらい、全員に幸せになってほしい!』というのが一番にありましたので、そういう環境に身を置きたかっただけなのです。

 

今でも前職の同僚や上司と会ったりしますし、仲はとっても良かったりします。

 

 

そしてそんな山口とまったく考え方の合わない売り上げ至上主義の上司の間で、こんな一幕がありました。

 

とある高校3年生の男の子とお母様が面談に来たのです。

時期は夏休み前、大型キャンペーンのCMを見て体験授業に来てくれたのでした。

 

山口が体験授業と面談の担当をさせていただき、無事にご入会となったのですが、一つ問題がありました。

 

その子の偏差値は40くらいで、第一志望が立教大学とのこと。

普通に考えれば相当に厳しく、最低でも毎日2コマずつは授業を受けてもらわないととてもじゃないけど間に合わないという状況でした。

 

ただし、毎日の授業となると、お月謝がとんでもないことになるわけです。

正直なところ、お月謝が大卒公務員初任給よりも全然高くなってしまう・・・。

とてもそんな額は払えないということで、週2で頑張るというところに落ち着きました。

残りの足りない部分は自習で頑張ろうと。

 

そのことを当時の上司(売り上げ至上主義)に報告したところ、このような答えが返ってきました。

 

『でも山口さん・・・これ、全然足りなくないですか??この子全然週2の授業で立教なんて合格できないですよね??何が何でも週5で契約しないといけなかったんじゃないですか??』

 

これはとても難しい問題です。

 

もちろん、現実を見ればそうなるのですが、お月謝の問題というのは即ご家庭の問題に直結しますので、こちらとしても無理は言えません。

大学に入ってからも大変な出費がありますし、保護者様としてもご自身の老後の生活がありますから。

 

そんな中で自分としてはベストの提案をして落ち着くべきところに落ち着いたと思っていた矢先でしたので、そういわれたことに対して若干不満がありました。

 

ただ、その後に続いた上司の言葉は今でも頭に残っています。

 

『もしこれで・・・偏差値40だった子が高校3年生の夏休みから塾に通い出して、週2の授業で立教に受かったら、それはそれでいい話かもしれませんけど、中学生の頃から本当に一生懸命頑張ってきた子に顔向けできます??』

 

これは確かにと思いました。

 

上司とはよく意見がぶつかっていたのですが、こればかりは納得でしたね。

 

今現在、この塾で早期段階で入塾に制限をかけるのは、これが理由でもあります。

 

本当に行きたい第一志望の学校があるのであれば、短期決戦が可能な高校受験はさておき、大学受験ともなると最低でも1年、学習計画が必要になります。

 

それまで勉強をサボってきた高校3年生が、夏休みから勉強を始めてE判定から逆転合格できるほど、大学受験は甘くはありません。

 

でも塾的には、そういった切羽詰まった高校3年生を集めた方が利益になるんですよね。

何しろ後がないので、高額月謝の提案も通りやすいのです。

 

でもご家庭にとってはなかなか厳しい現実が待っています。

 

何せ、2年3年・・・場合によっては5年6年の長いスパンで計画を立てて勉強してきた連中と、たったの半年ほどの期間で戦えるような状態に仕上げないといけないのです。

 

下手をしたら、高いお月謝を払い続けたけれども、結局のところほとんど変わらなかったということもありえるのです。

 

場合によっては、2年3年と週1ペースで通った受験生よりも、はるかに高いお月謝がかかってしまったなんてことも全然あるのです。

 

 

・・・結果全然笑えませんでしたね。

 

でも決して前職を批判しているわけではなく、色々な考え方があるというだけの話です。

会社が存続するために利益を追求するのは当然です。

 

きれいごとだけでは生き残っていくことは難しいですから

私たちとしても決して利益を度外視しているわけではなく、結果的に塾生達の成績が上がって第一志望に合格してもらい、そのことが利益へとつながっていけばよいと考えています。

 

順番が逆なだけですね。

 

そんなわけで今でも昔の同僚とはちょくちょく会いますし、今年も隙を見て忘年会を開こうと目論んでいます(ちょっと今年はそんな暇はないかもしれませんが・・・)。

 

日本全国津々浦々、本当にたくさんの塾や予備校があります。

正解も一つではないと思いますし、ぜひぜひしっかりと悩んでいただきたいですし、その選択肢の一つに当塾があればと願っております。

 

 

 

 

 

 

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