英語に対する意識改革~前回の続き~
【文法はとっても大切(特に高校生)】
たま~に受験英語に否定的ともとれるようなブログを書いている山口ですが、これは断言いたします。
受験英語は絶対に必要なのです。
否定的なのは文部科学省の指導要綱であったり受験そのもののシステムについてで、受験英語で学ぶ内容そのものは100%正しいと確信しております。
ただし『文法や受験英語が絶対に必要!』とは言っても、それが万人に当てはまるわけではありません。
例えば当塾のバイリンガル講師、都築先生は、海外留学生活4年を経て日本に帰国するわけですが、特別文法に強かったわけではないそうです。
もちろん英語はペラペラです。
受験英語の指導に携わるようになってから文法も学習したそうですが、24時間いついかなる時も英語で聞き、英語で学校の授業を受け、英語で話し、遊ぶ時も寝るときも英語漬けみたいな生活を送っていれば、そりゃあ文法を多少度外視しても、英語はペラペラになるのでしょう。
当塾の塾生でも、一番英語の成績がいい子は、実はそれほど文法は強くないです。
強くないのですが、G・TECのテスト結果が刈谷高校で学年1位なのですから、そんな英語に強い子に文法を押し付ける必要はありません(ただ、彼女の場合受験する大学が難関校ですので、それなりに文法も身につけてもらう必要がありますが・・・)。
じゃあ文法なんて必要ないじゃんという話になりますが、そんな英語がペラペラなバイリンガルや刈高でG・TEC1位を取ってしまうような生徒を比較対象にしても、何の意味もありません。
私も含め、ほとんどの場合は純日本人で、たまにある海外旅行などを除けば、英語に身を置く環境などほとんどないのですから。
まして英語がニガテだというのであればなおさらです。
先のブログでもお伝えしました通り、英語と日本語はまったく構造が異なるのですから、その違いをしっかりと理解し習得するために、当然文法は必要なのです。
取り分けその過程において、受験英語は英語に悩めるご子息の大きな助けとなるでしょう。
しかしです。
しかしながら当塾を訪れてくれる中高生のみなさんは、やはり文法にきわめて弱いのです(もちろん単語も覚えていなかったりします)。
それこそ、『中学校の頃は英語は常に90点以上でした!』なんて西高生に『自動詞と他動詞の違いを説明してみて。』と尋ねてみても、まず正しく理解できている生徒はほとんどいません。
試しにご子息に『英語の自動詞って何なの?』と聞いてみてください。
そこで『自動詞は、自分だけでも成立する動詞で・・・(実際ほとんどの高校生がこう答えます)』などと答えたならば、黄信号です。
学校の授業を正しく理解できていないということになります。
何度も申し上げますが、英語の偏差値が60を超えているような生徒は、そこまで完璧に説明できなくても構いません。
ここで対象となるのは、『英語がニガテであるにも関わらず、自動詞の説明ができない』生徒です。
自動詞は正しく『他動詞とは異なり、目的語を必要とはしないが、目的語を取る際には必ず前置詞が必要となる動詞』と、最低でもこれだけ説明ができなければなりません。
(そんなの必要なの??)と思われるかもしれません。
正直に言うと、目標が高校受験であるならば、そこまで詰める必要はありません。
ただし、最終目標が大学受験であるならば、文法は完璧にマスターする必要があります。
文章で書いていると分かりにくいかもしれませんが、実際のところ『自動詞と他動詞の違い』は、マンツーマン指導なら10分もあれば理解できます。
そして、自動詞と他動詞の違いが分からなければ、『関係詞』は全滅ですし、難解な文章の読解や英作文などにも極めて深刻な結果を招くことになります。
そもそも私たち日本人も、小学校の頃に日本語の文法を細かく指導を受けているのです。
成長するにつれて、それが当たり前になるので特別文法のことは意識しなくなりますが、実は徹底的に学んでいるのです。
だとするならば、まったく文法も単語も、果ては思想も全く異なる英語を学習するならば、文法学習は絶対に必要なのです。
当塾ではどんなに難解な文法用語でも、100%の理解に達するまで指導いたします。
『時条件の副詞節』『強調構文』『分詞構文』『関係詞の連鎖修飾』などの難解な文法も、必ず100%理解していただきます。
それこそが私たち日本人が英語をマスターする上で、遠回りのようで実は最短の近道なのですから。
そしてこれまでも再三申し上げております通り、受験英語をマスターしようとするならば1,000時間、難関大を対象とするならば1,500時間は必要となります(しかも最も効率よく学習しての話です)。
これを高校3年生の夏休みに始めようとしても相当な無理があります。
もちろん当塾でも、高校3年生の夏休みからスタートして逆転合格した例はいくつかありますが、それでもやはりお勧めはできません。
学ぶ側のお子さんの負担があまりにも大きいのです。
いくら受験において英語の比重が大きいと言っても、彼らは数学も国語も、日本史や世界史、物理も化学なども勉強しなければならないのです。
英語だけではなく、受験に必要な自主学習の時間は延べにして4,000時間強と言われています。
だとするならば、もしも学習習慣がまったくついておらず、2年間学習をサボってしまったならば、残り1年間365日、毎日10時間勉強しても追いつかないということになります。
その中で、最も学習において時間と労力とプレッシャーがかかる英語を、高校3年生の夏休みからスタートするというのは自殺行為なのです。
当塾の塾生は難関校志望組は、高校2年生の夏休みくらいには受験レベルのことはすべて終わらせています。
最後の1年間は学力をつける時期ではなく、志望校対策を立てる時期なのだと心に留めておく必要があります。
学習対策において、早すぎるということは絶対にありません。
早ければ早いほどよいのです。
もしお子様が大学受験を志していて、今の結果が芳しくないのであれば、ぜひ一度体験授業を受けてみてください。
※ただし高校3年生は締め切らせていただいておりますので、ご理解のほどよろしくお願いいたします。