古文の学習法(大学受験)

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高校生のみなさんへ

さて、いつもいつも英語の話ばかりしておりますが、今日は珍しく古文のお話をさせていただきます。

まずは必要な学習時間ですが、『理系100時間』『文系私立150時間』『文系国立、関関同立GMARCH200時間』『早稲田のみ500時間』・・・くらいを目安にしてください。

ちなみに慶應は小論文ですので古文はありません。

早稲田の500時間は別格として、割と難易度が高めと言われている関関同立やGMARCHでも200時間ですので、新高校3年生のみなさんでも今からなら余裕で間に合う計算になりますね。

でも、もちろんそれは日ごろの学習を怠ってよいというわけではなく、少なくとも学校で先生が指導されている内容については最低限覚えておかなければなりません。

そして古文の学習で必要となるのは次の3つ、正直どれ一つ欠けてもいけないのでしっかりと抑えてください。

①文法(主に助動詞、敬語など)②古文単語③古文常識

②はもう英語と同じですね。

単語が分からずに文章が読めるわけがない。

四の五の言わずに覚えてしまいましょう。

③の古文常識。

こちらについては逐一覚えていくのは非効率的ですし大変ですので、学校の授業や模試などで知識を貯めていってください。

そして重要度マックスなのが①の文法、取り分け助動詞のウェイトは非常に大きいです。

古文の恐ろしいところは、何となく同じ日本語なので、何となく読めてしまうのではないかと錯覚させられてしまうことです。

でも、そんな何となくで読めるものを受験科目にするわけがないですし、出題者もそんな取り組みの甘い受験生を振るい落とすために、文法を絡めた問題を出題してきます。

例えばですが、『雨降らぬ』と『雨降りぬ』の区別が3秒以内につくでしょうか??

『雨降らぬ』は『降ら(未然形)』+『ぬ』、つまり未然形に接続しているため『ぬ』は『打消しの助動詞』という風に判断できます。

一方後者の『雨降りぬ』は、『降り(連用形)』+『ぬ』、つまり連用形に接続している『ぬ』なので、『完了の助動詞』となります。

恐ろしいのは前者は『雨が降らない』となり、後者は『雨が降ってしまった』と完全に真逆の意味になるということです。

これはほんの一例なのですが、このように識別によって意味が変ってしまう用例は多々あり、何となく単語の意味で取っていったらまったく違う訳になっていた、なんてことも珍しくありませんし、出題者が狙うのはまさにそこにあります。

だから四の五の言わずにとにかく文法をやりましょう!

【じゃあ結局のところ文法ってどうやって勉強するの??】

結論から言うととにかく暗記です!

しかも本当に本気でやれば、覚えるだけなら1日あれば終わります。

もう余計な疑問は持たずに、28個の平仮名をひたすら覚えるだけです。

あとは覚える順番を①接続②活用③意味にすること!

意味ももちろん大切なのですが、そういう高校生に限って意味を中途半端に覚えて活用は答えられない・・・なんてことが多いです。

だから疑問を持たず一息に覚えること。

『(未然形接続)る らる す さす しむ ず む むず まし じ まほし』『(連用形接続)き けり つ ぬ たり けむ たし』『(終止形接続)らむ らし めり べし まじ なり 』『(体言・連体形)なり たり (サ変未然・四段已然形)り (体言・連体形)ごとし』(※ちなみにこちらは山口が覚えやすいように勝手に並べ替えたものです。接続さえ正しければどんな順番でも構いませんのでとにかく覚えましょう)。

もう一度いいますが、その気になれば絶対に一日で覚えられます。

覚えられていないのはただ単に『やってないから』。

誓って言いますが、100回ずつ音読すれば絶対に覚えられます。

たかだか28個の平仮名ですよ?

とにかくひたすら見ながら音読する、目を外して音読する、覚えられていなかったらもう一度・・・、そんな単純作業の繰り返しです。

できないはずがありません。

そしてさきほどにもちょっと触れましたが、次にやるべきことは接続です。

意味を覚えるのは後回しですね。

(意味を覚えなきゃ・・・。)と思い込んでいる受験生ほど活用を覚えないので、とにもかくにも接続の次は活用と肝に銘じてほしいです。

②の単語については言わずもがなですね。

もうこれもひたすら音読です。

覚えるしかない。

③の古文常識についてですが、これはいちいち覚えようとしてもあまり効率的ではありませんので、学校の先生が話す雑談みたいなものを聞いてメモしておく程度でよいと思います。

ちなみに先日のベネッセの『大学入学共通テスト』の古文で『北の方』という単語が出てきましたが、高校2年生のみなさんは分かったでしょうか?

これは古文常識で『正妻』という意味です。

昔は今と違い一夫多妻制で、貴族のお家は主に三つの居住空間から成り立っていました。

西の対、東の対、そして北の対があって、正妻と一緒に暮らしていたのは真ん中の北の対だったんですね。

北の対に住んでいる奥さんが正妻だったので、『北の方=正妻』だったのです(ちなみに四方八方今日住空間を作ると日が当たらなくなるので、南の対というものは存在しません)。

なお・・・奥に住んでいる人⇒奥様。

なんと今でいう奥さんはここかきてるんですね。

これ、知っているか知らないかで全然違うと思いませんか?

・・・というより、知らなければかなり読解が厳しかったはずです。

でもそういった古文常識ってわざわざ勉強するにはなかなか気が滅入るのではないかと思います。

だから学校の授業をしっかりと聞いておいてください。

学校の授業だけでフォローできればいいのですが、もしできなければ質問にきてほしいです。

・・・とまあざっくりとした古文の話をしましたが、古文が伸び悩んでいる高校生は往々にして『何をやったらいいのか分からない』生徒が散見されます。

もしくは、やるべきことが分かってても、なかなかその意義が見いだせずに踏み出せていない。

例えば『助動詞が大切っていうけど実際にどう役に立つの?』なんて疑問に感じたらもうやらない。

価値があるかどうかはやってもいない人間には分かりません。

例えば野球部員ってとにかく徹底して走りこまされるわけですが、実際の試合でそんなに走ることなんてまあないんです。

でも(サッカー部でもないのになんでこんなに走らなきゃいけないんだよ!)・・・なんて思っているプレイヤーはおそらく大成しないでしょう。

ピッチャーなんて下半身できてないと多分10球も全力投球できません。

だからまずは一度やってみてください。

先にも述べましたが、助動詞の接続と活用なんて、みなさんが本気を出したら本当に一日で終わってしまいます。

それを実戦で活かしていく練習に時間がかかるのです。

あと、古文は答えが決まり切っているので、現代文と違って確実に得点につなげることができます。

だから現代文がニガテな受験生こそ・・・理系の生徒こそ確実に得点できる古文を頑張るべきです。

さあそんなわけで今日も一日頑張りましょう!

高校2年生諸君、みなさんの入試本番まであと332日、つまり11カ月です。

もう時間ないですよ?

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