英単語を覚えるのがニガテです…という声をよく聞きますが

結論から申し上げますと、本当に英単語が覚えられないなら大学受験は諦める他ありません。

公立高校入試なら、ご丁寧にありとあらゆる単語を注釈で載せてくれているので、何とか乗り切れますが、大学受験、とりわけ偏差値が60を超えるような大学では、ほぼ注釈などありません。

日本語でもフランス語でも、スワヒリ語でも何でもいいですが、単語が分からないのに文章が読めるわけはなく、ましてや「前後の文脈から類推する」などという手品のようなことは絶対にできません。

ちなみに山口は、「単語を推測する」などというエスパーのような真似はできませんし、したくもありません(恐ろしいので。まったく違う意味で推測したらそれこそアウトです)。

具体的な目安として、高校2年生の冬や春先にターゲットやLEAP、システム英単語などの初級レベルの単語帳が終わっていなかったら、まず国立大学は厳しいです。

結局のところ、どの大学を受けるにしてもなぜだか英語は必須ですし、ウェイトが大きいので、高校3年生の時点で単語の暗記が終わっていなかったら、そこからどれだけの時間がかかろうが、英単語の暗記に時間を費やすしかありません。

しかし国立大学受験者は、数ⅠA・ⅡB、生物・社会+1、理系ならばそれに加えて数Ⅲ・物理・化学までフォローしなければならず、とてもじゃありませんが、英単語の暗記などという単純作業にそんなに時間は割けないのです。

断言しますが、英単語の暗記を後に回せば回すほど、そのツケが回って、高校3年生になってからどんどん志望校を下げざるを得なくなるのです。

前置きが長くなりましたが、それはさておき、「英単語の暗記がニガテです」なんて声はよく聞きますが、逆に『得意です!』なんて人は1人もいません。

いや、昔小学校5年生で英検準1級を取った子はもうスラスラ覚えていましたが、彼を除けば1人もいません。

もちろん山口も大のニガテです。

でも一つ言えるのは、「英単語の暗記がニガテです」と公言してしまう高校生のほとんどが、言うほどの努力をしていないように見受けられます。

①英単語をまずは10回書いてみる

②それでも覚えられなければ、文章を書いて覚えてみる

③辞書や英英辞典で調べてみる

④家で音読してみる

⑤電車の移動や放課の隙間時間なども全て英単語の暗記に費やす

これくらいやって覚えられないというのであれば、それは本当にニガテなのかもしれませんが、まあ大体そこまでやってません。

逆に苦労しながら英語の偏差値を70まで上げたような塾生は、「ニガテです」などと言う弱音は一切吐きません。

それは、英語の学習や英単語の暗記には、苦痛がつきものであることを知っているからです。

「楽しく英会話をマスター!」それは確かに可能だと思います。

でもネイティブスピーカーと自由に趣味や経済、世界情勢などについて語るとなると、楽しいだけの学習では難しいはずです。

受験英語だって同じです。

大変に決まってるじゃないですか。

異言語の長文を読んで問題に答えて、文法問題や作文をやるんですよ??

もうこれは四の五の言わずにどんな手を使っても単語は覚えてください。

ちなみに英単語の暗記に限っては、高校1年生からスタートしようが、3年生からスタートしようが、難易度にそんな大差はありません。

一生懸命2年間英語に取り組んできたらなら、高校3年生に多少のアドバンテージがあるかもしれませんが、高校3年生まで英単語の暗記を放棄していた受験生が、真剣に英語に取り組んでいたとは思えません。

したがって、取り掛かるならできるだけ早めにです。

もちろんどの大学を受験するかによりますが、高校2年生の今から取り組まないと、本当に間に合いません。

【速読というものはこの世に存在しません】

その昔、少年ジャンプの裏表紙に「脅威の速読術!学習効率が10倍以上アップ!」という広告があり、楽をしたいばかりの山口は母親に頼み込んで、その速読プログラムに挑戦しました・・・が。

効果はまったく得られませんでした。

もちろん、山口にその才能がまったくなかったのかもしれませんが、ここ最近その手の広告を見かけなくなったことを鑑みると、眉唾な商品だったんだろうなと個人的には思っています。

さて、速読プログラムの是非はさておき、受験レベルで速読を活かせるかを考えてみたいのです。

例えば以下の文章です。

「思索生活を送るために必要なことの一つは、私たちがお互いに伝達しあい、自分自身の知的な生活の中で何度も立ち戻ることになる意味が同じだということである。ひとつの命題が、まったく同じものとして、何度も繰り返し立ち戻ってくる。私たちはそれを他人に告げたり、すでに誰かほかの人によって言われたこととして引用する。そして確認をとったあとで、その主張を科学の一分野の体系的な説明の中に組み込むことができる。人が意味に与えるかもしれない解釈は様々であったり、様々な人の頭の中でその命題が帯びるかもしれない曖昧さ、明確さに違いはあったりするだろうが、意味は同じなのである。それがまったく同一の主張でなければ・・・」

この文章を目にも止まらぬ速さで読むことはできるでしょうが、100%理解することはできるでしょうか?

おそらくそれなりに時間をかけないと、ほとんど頭に残らないのではないかと思われます。

速読そのものは可能かもしれませんが、文章の内容を理解するのはまた別の話なのです。

ちなみにこの文章、元々は英語で書かれていて、京都大学の長文の一部です。

つまり本当は英語で書かれているこの文章を、しっかりと理解しなければならないということです(英語のタイピングは疲れますので今回は割愛します。英文と和訳を見たい塾生はぜひぜひ山口に声をかけてください)。

もちろん、受験では英語にせよ国語にせよ、長い文章を読まなければならず、ある程度のスピードは求められるでしょうが、それはひたすらに速く文章を読んで、何となく身に着けられるといったものではありません。

①英単語をしっかりと覚え ②文法も隅から隅まで理解し ③短めの文章から徐々に徐々に長い文章をゆっくり読む練習をして ④教育・経済・科学・哲学・心理学・グローバル化など、難関大必須のテーマの知識を増やし ⑤同じ文章を繰り返し繰り返し読み込み、そのスピードを上げる・・・といった地道な積み上げによって初めて成し遂げられるものです。

時間で言えば最低1年、上記の京都大学や東大、早慶上智ならば、少なくとも複数年単位の時間が必要になります。

当塾は完全1対1のマンツーマン指導ですので、そういった手間をすべてすっとばして、最短最速で・・・と言いたいところですが、実際のところはそうはいかないのです。

上記で述べた通り、基礎レベルの単語帳の暗記だけでも最低半年、難関レベルの単語とイディオムとなれば、それだけで最低1年はかかります(中高一貫私立が年単位の前倒しをするのはそのためです。ただただ時間が足りないからです)。

残念ながら今の日本の受験では、英語が占めるウェイトはあまりにも大きく、受験生のみなさんの負担も相当大きいです。

だからこそ、できるだけ早めに英語の対策を取ってほしいと切に願います。