本当は使いたくない(使ってはいけない)”Fラン大学”という言葉(※7分)

今日教室に来た塾生はもしかしたら気づいたかもしれません。

教室内の赤本や参考書がごっそりなくなっていることに。

赤本などは古いデータはあてにならないので、古いものはBOOKOFF西尾店へ持っていきました。

その代わりに、旅行先の大垣書店ハーバーランド店でTOEFLの英単語帳を買いました。

いや・・・ちょっとえぐすぎるんですけどこの単語帳・・・。

とりあえずこのページに載っている英単語、ターゲットやLEAP、鉄壁や単語王、どの単語帳にもひとつとして載っていません。

つまり、大学受験レベルをはるかに超えているということになります。

しかしながら、山口は京都大学や医学部の長文で、上記の単語が普通に出ていたことを知っています。

もちろん、ルビや注釈は一切振られていません。

かといって、じゃあ京大受験者や医学部受験者がここまで手を伸ばす必要があるのかというと、ないどころか手をつけてはいけないと思います。

超難関大を受験するみなさんは、他で得点を稼がなくてはならないですし、こんな単語帳にまで手をつけてしまうとコスパが最悪ですからね(苦笑

しかし個人的には、『英語が好きで頑張りたい!』『将来英語で食べていきたい!』と思っているみなさんは頑張ってみてもいいのではないでしょうか?

もちろんその前に、学校から配布されている手元の単語帳を隅から隅まで覚えることが大前提にありますが。

“reduce”『~を削減する』を知っていても、”reduce A to B”=”reduce to B A”『AをBに変える』を知らないくらいの単語力では、まったくもって勉強不足です(※もちろん、これくらいはターゲットにもLEAPにも載っていますし、受験でも普通に出題されます)。

【本来”Fラン大学”などという言葉は使ってはいけない】

常々そう思っています。

なぜなら、そういった”Fラン大学”などと揶揄されている大学にも、本当に素晴らしい教授や職員の方がたくさんいて、そこで一生懸命頑張っている学生もいるからです。

もちろん不真面目な学生もたくさんいるでしょうが、超難関とされる大学でも、不真面目であったり素行の悪い学生は一定数いますので。

昨日たまたま、多くの高校生が『絶対に行きたくない!』と口をそろえて言う、いわゆる”Fラン大学”について調べていました。

するとこんな書き込みがあったのです。

正直、『○○大学には絶対に行きたくない!』などと言いながら、まったく勉強をしない高校生よりも、こういう一生懸命な受験生の方が応援したいですね。

大して考えもせず、普段からスマホばかり触っていて、それでいて堂々と『○○大学に行きたいんです。』と口にする高校生諸君、君たちにそんな資格はないですよ。

塾なのでどうしても分かりやすい表現で、”Fラン大学”という言葉を使うことがありますが、ここで頑張っている学生や、一生懸命指導されている教授や職員の方に、本当に申し訳なく思います。

【個人的には高校1年生・2年生こそが一番重要だと考えています】

高校3年生なんてのは、みんな死に物狂いで勉強しますからね。

君が一日10時間勉強したとしても、周りはそれ以上に勉強していますので、もはや高校3年生での努力では差はつきませんし、ましてや差が埋まることもありません。

一生懸命何年も努力を積み上げてきた全国のライバルが、最後に本気を出して『平日4時間、休日10時間以上』の勉強をするわけですから、仮にそれまで君がサボってしまったとしたら、もう彼らに追いつける道理はありません。

高校3年生になって一気に偏差値が落ちたり、なかなか上がらないのはそのためです。

『アキレスと亀』の話と同じで、君がどれだけ後ろから追い上げても、その瞬間にもライバルは先へ先へと進んでいます。

ただこの話はパラドックスなので、実際にアキレスは亀に追いつけるのですが。

しかしながらみなさんがアキレスであるかどうかは分かりませんし、先を行く全国のライバルも亀ではありません。

彼らは『亀の性質を備えたウサギ』と考えるべきです。

全国の超難関中高一貫私立に通うライバルは、中学生の頃には高校の勉強を一通り終えて、高校では大学受験対策一本です。

のんびりと公立中学校に通って、公立高校で基礎学習をやっている受験生が追いつける道理はありません。

【だから高校1年生、2年生の時こそ頑張ってほしい!】

そんなことを言うと、『結局公立よりも私立がいいって言っているのか?』と思われるかもしれませんが、そうではありません。

事実、愛知県の公立高校はものすごい合格実績を持っていて、正直そこらの私立の進学校には負けていないと思っています。

ただし、それは『現実を知った上で、正しい努力を正しく積み上げている高校生(上位10%)』に限られた話です。

分かりやすいところで言えば西尾高校、名大の合格者は毎年約20~30名ほど、東大や京大、医学部や早慶の合格者も出すのですから、この層は普通に灘にも開成にも負けていないということが分かります。

しかし最近の西尾高校はトップ層と下位層の差が激しく、下位の西高生の中には、それこそ”Fラン大学”にしか合格できない受験生だっています。

その現実に高校3年生になってから気づいても遅いんです。

どうやって周りのライバルが積み上げてきた2年間を、そのたったの数か月程度の努力で挽回できるのでしょうか?

しかしながら、西尾高校に入学した『高校1年生の春には、そんな大きな差はなかった』はずなんです。

もちろん、岡高・刈高落ちの層もいるかもしれませんが、言ってみれば彼らだって、岡崎や刈谷には合格できなかったのですから、西高生学年360名にそんなに大した差はなかったはずなんです。

差がつくのはその後の1年・2年。

『西高に合格したからこれで自動的にいい大学に行けるぞ!』と思ってダラダラ過ごす西高生と、すぐに2年9か月後の受験本番を見据えて、第一志望を決めて少しずつでも努力を積み上げていく西高生の2年後の学力が同じなわけがないです。

そして、高校生のみなさんの時間は有限で、1年2年過ぎてしまうともう取返しがつかないのです。

それなのに、『Fラン大学には行きたくない。』ってそんな話が罷り通ると思います??

それは連日申し上げておりますが、『強豪校みたいな練習はしたくないけど、甲子園に行きたい』と言っている高校球児と同じで、そんなことは『無理』なんです。

というわけで、当塾の塾生や保護者様はご存知の通り、山口は『公立高校の合格発表の日』に一番厳しい話をします。

そして『第一志望の大学を決めてください』とお話させていただきます。

具体的な目標もなしに、具体的に努力ができるほど人間は強くありません。

高校球児は甲子園があるから、サッカー部員は冬の選手権があるから、バレー部員やバスケ部員は春高バレーや国体があるから頑張れるのであって、最後に公式の試合がなければ頑張れるわけがありません。

目標も持たずに勉強を頑張りなさいというのは、水が入ったバケツと空のバケツを用意して、『コップを使って水が入ったバケツから、空のバケツに水をうつしなさい。』と言われているのと同じで、そんな不毛なことは頑張れないのです。

だから高校1年生や2年生のみなさんは、すぐに具体的に第一志望を決めてください。

昨日のブログでも書きましたが、目標が決められないというのはただの怠慢です。

みなさんは数年もすれば大学で勉強をして、社会に出ていかなければなりません。

自分の目標すら決められない人間を採用してくれる会社はありません。

それでももし決められないというのであれば、東大でも京大でも早慶でも名大でも何でもいいじゃないですか。

目標もなしに貴重な高校1年生や2年生を過ごすよりははるかにマシです。

それもできないというのであれば、ダラダラと高校生活を送って、最後に不本意な大学に行かなければならないという現実を受け入れるべきです。

【さらに言えば、小学校・中学校の頃にその土台をしっかりと作ってほしい】

どちらかと言えば、これはお父様とお母様に向けたメッセージになります。

学習習慣とは一朝一夕にできるものではなく、(悪い意味で)伸び伸びと自由に育った小学6年生が、中学校に入学して突然勉強を頑張り出すなどということはありえません。

そうして中学校に入って、中間テストや期末テスト、通知表などでお子さんの成績が可視化されて、初めて現実を知るわけですが、そこで『勉強しなさい!』『スマホとゲームは我慢しなさい!』『このままだと高校も行けない!』などと言われても、お子さんには何のことだかさっぱり分からないのです。

学習を頑張る姿勢が身につかなかった、学習を頑張れないようになってしまった、スマホが手放せなくなってしまった、というのは1年2年でそうなったわけではなく、小学校の6年間、いや、もっと言えば、生まれてから今に至るまで、長い長い時間をかけて培われてしまったものです。

それをたったの数か月や1年2年で修正できるわけがありません。

願わくば、早い段階から学習の大切さを大切なお子さんに伝えてほしいのですが、それでも不本意ながら事ここに至ってしまったのであれば、これはもうお金と労力を使って、つまり塾などに通うことで半ば強制的に修正していくしかありません。

もうすでにご存知かもしれませんが、かつての私たちがそうであったように、親の『勉強しなさい!』ほど効果がないものはありません。

勉強は無理やりやらされるものではなく、本来は自分の意志で、大きな目標のために主体的に取り組むものでなければなりません。

お子さんの人生を決めるのは、18歳を過ぎてからの残りの長い時間ではなく、”18歳までに決まってしまいます。

今まさに、その貴重な時間が日々過ぎているということを再認識していただけたらと存じます。