岡崎や刈谷に入る必要はなくても、岡崎や刈谷に通う高校生がどんな学習をしているかは知る必要がある
常々『勉強は量より質ではなく、量も質も大切』という話をさせていただいております。
大学受験対策のために量を担保するというのは当たり前の話で、量を確保した上でその質も追及しなければなりません。
仮に量がこなせるようになったとしても、自分自身に負荷のかかっていない、ダラダラした学習を何時間重ねても・・・、そりゃあやらないよりはマシかもしれませんが、大して得られる効果は期待できないでしょう。
『新研究の答えを埋めるだけ』『ただぼんやりと英単語帳を眺めているだけ』、こういった学習はその最たる例だと思います。
言うまでもありませんが、甲子園に出場するようなチームは全国から野球エリートが集まってきて、そのエリートたちがプロ顔負けの設備で、専門のコーチ陣の指導を受けて、高校によっては昼から夜中の23時まで練習したりするのですから、そりゃあ強いに決まっています。
そういったチームに勝とうとするならば、少なくとも彼らに負けないような質の練習をしなければなりません。
【ド田舎の公立高校が甲子園で優勝した話(しかも割と最近)】
現在の高校野球ですが、なんと甲子園に出るチームの9割が私立高校です。
愛知なんか本当にいい例で、ここ数十年は私立4強のみ(※春の選抜は除く)。
圧倒的に私立一強です。
理由はもちろん先ほど申し上げました通り、この4強には東海地区のものすごい選手たちが集まってきて、なおかつ球場付きの最高の環境で、専門のコーチが指導にあたるわけですから弱いはずがありません。
これは愛知だけではなく、九州の一部地域を除いて全国的にその傾向が強いです。
そんな中で、たったの数年で全国準優勝、優勝を成し遂げたド田舎の公立高校があります。
もう既出ですが、長崎の清峰高校という公立高校ですね。



かいつまんでお話すると・・・。
・人口1万4,000人の小さな町(※西尾市の10分の1以下)
・甲子園で優勝する7年前の部員の数は5名(※ちなみに野球は9人でやるスポーツ)
・監督の方針で、地元の中学校の部員のみで構成(※越境入学はすべてお断り)
・普通の公立高校なのでグラウンドは他の部活と共用。使えるのは内野のみ
とまあ大体こんな感じですね。
言うまでもありませんが、この環境で全国優勝というのは本来なら夢のまた夢。
正直県大会の1回戦すら危ういレベルです。
そんな夢物語を成し遂げた要因は、言うまでもなく『練習の質』にあります。
当時の清峰高校の吉田監督は、まずは選手の意識を高めて、練習の質を改善していくことに着手したのだそうです・・・が。
当然そんなの誰もやらない(笑)。
残念ながら地方の田舎の公立高校に通う普通の高校生ですからね。
やれ甲子園だの、猛練習だの言ったところでピンと来なかったのだそうです。
そこでこの吉田監督、地元のバス会社から古くなったバスを譲り受けて、猛練習で有名な『鳴門工業(※こちらも甲子園常連校ですね)』の練習に参加させてもらったのだそうです。
結論から申し上げますと、当時の清峰高校の野球部員は泣きながら、吐きながら練習したのだそうです。
当然と言えば当然なのですが、直接体験をしなければ、本当に甲子園を目指しているようなチームの練習を知ることはなかったでしょう。
【大学受験もまったく同じ】
この清峰高校、先ほども申し上げましたが地元の中学生ばかりなので、決して野球エリートというわけではありません。
プロになれるかどうかはまた別問題として、『甲子園で優勝する!』という目標においては、持って生まれた才能などはそこまで重要ではないことが伺えます。
これは勉強も同じです。
もうしつこいほど紹介させていただきましたが、当塾には一色高校に通いながら常時偏差値60以上をキープし続けた高校生がいました。

関係ないんですよ、能力なんてものは。
だから何高校に行こうが関係ないんです。
清峰高校は別に野球の超強豪校でもないですし、部員だって普通の軟式上がりのプレイヤーしかいなかったんですから。
でもそれは『練習の質や量も低くても構わない』と同義ではありません。
むしろ野球強豪校と同じ練習をやってはじめて追いつけるかどうか。
彼ら以上の練習をやって初めて同じ土俵に立てるのです。
勉強も同じです。
岡崎高校や刈谷高校に通う必要はないかもしれませんが、少なくとも『彼らの勉強の質と量』は確保しなければなりません。
それで初めて彼らに追いつけるかどうか。
彼らほどの努力もしていないのに、彼らと同じように戦えると思ったら、それは大きな心得違いというものです。
もしも君が難関大を目指していて、偏差値ギャップが5以上離れているならば・・・、そして岡崎高校や刈谷高校に通っていないのであれば、君が参考にするのは周りのお友達ではありません。
少なくとも、本当に本気で難関大を目指していて、実際に結果を出している高校生のお友達です。
申し訳ないが、今君の周りにいる、同じように燻っているお友達ではない。
だから、今難関大を目指していて、自分の学習の質と量が伴っていないという自覚があるのであれば、今すぐ変えなければなりません。
君たちに残された時間は、たったの数年しかないのですから。
いや、数年あるならまだいい。
もし君が今高校2年生ならば、残された時間はあと『340日』です。
本気になってください!