英作文も丸暗記!!!(※つまり膨大な時間がかかるということです)
これについては日本語で考えた方が分かりやすいかもしれません。
自分は毎日膨大な量のブログを日本語で書いているわけですが、断じて文法などを駆使して、あれこれ考えながら文章を書いているわけではありません。
幼児の頃から日本語に触れつつ、膨大な量の本を読み、時には実際に自分でも文章を書いてみたりして、その積み上げで書いているに過ぎません。
1語、1行ごとに、(あれ?今のは名詞だったから次は助詞で・・・、ここは助動詞で~・・・)なんてことを考えているわけではないのです。
でも冷静に考えれば、そんなことは山口に限ったことではなく、すべての人に当てはまるはずです。
私たちはいちいち文法を駆使して、頭の中で組み立ててから言葉を発したり、文章を書いているわけではないのです。
英語は非母国語ですので、日本語とまったく同じ、とまでは言いませんが、文法は飽くまでも土台、その上に膨大な量の暗記を積み上げていく他ありません。
【『3年ぶりに故郷長崎に帰りました。』程度の文ですら、知らなければパッとは出てこない】
“For the first time in three years, I came back to my hometown, Nagasaki.”
おそらくはほとんどの中高生が、『○○年ぶりに、』=”for the first time 〇〇years,”という表現があることを知らなかったのではないでしょうか?
そんなわけで、日常英会話レベルですら、『知らなければ書けもしないし話せもしない。』なんです。
よく『英語は言語だから、細かい文法や英単語は無視して、気持ちで伝えなければならない』なんてことが言われていますが、そりゃあこっちはそれでもいいかもしれませんが、聞かされる方はたまったものじゃありません。
“I want …on train train! 行きたい行きたい、名古屋まで how which I should on !”
なんて言われても、そりゃあ伝わるかもしれませんが、その人と一緒にずっと話したいとは思いませんよね。
高校生諸君、こちらは山口とあるネイティブスピーカーのやり取りなのですが、何と言っているか分かりますか??

山口『日本からです!こいつを買おうかどうかが常に悩みの種だったのですが、しかし…ついにこの最高傑作をゲットする決断をしました!しかし自分は自分がしでかしたことを奥さんに言えませんし、もしこれがばれたら・・・多分〇されてしまいます。』
ネイティブの返答『それは仕方ないよ兄弟・・・。でも、あなたがこの最高傑作を奥さんに見せびらかしたら、奥さんは多分すべてを理解するでしょうね。』
どうでしょうか?
コミュニケーションというのは、相手の言語レベルに合わせるものなので、相手も”It is what it is.”『(それはあるがままだから)仕方がないよ。』という慣用表現を使ってくれています。
もしもみなさんが、大して暗記もしていない状態で、独りよがりのめちゃくちゃな英語を使ったとしても、相手はきっと君のことを快くは思ってはくれないでしょう。
そんなわけで、もちろん言うまでもなく文法や英単語は大切なのですが、それを組み立てて英語の文章を作るためには、かなり膨大な時間が必要となります。
少なくとも、いわゆる国公立がみなさんに課す英作文などは、高校3年生からちょっと本気になったくらいでは到底間に合いません。
理想は高校1年生から、可能であれば中学生の時から、できなくてもいいので意識的に取り組んでいく必要があります。
【各国公立の英作文課題はこんなに難しい】
京都大学の英作文は定期的に紹介しておりますので、今日は他の大学を紹介します。
まずは名古屋大学

数年前までは条件英作文だったのですが、近年はグラフから情報を読み取り、『その情報からあなたはどう考えるのか?』までを要求する問題です。
いわずもがなですが、英語力は当然、情報を処理して、相手に正確に伝える能力までを要求しています。
『ただ英語ができるだけの帰国子女は結構です。』という強い意志を感じます。
次は大阪大学、こちらはお隣の京都大学に似ていますね。

とにかく尋常じゃない(笑
もちろん、これをそのまま直訳で書いても大減点必至なので、この難しい日本語をいかにして平易な表現に戻して、なおかつ英語に書き換えられるか?という力を要求しています。
そしてこちらは近年大人気の名古屋市立大学ですね。

個人的に感じたのは、『ほとんど英検準1級の英作文やんけ!』ということですね。
従って少なくとも、普段から英検準1級レベルの英作文の練習をしておかなければなりません。
制限時間は20~25分ほど。
これは相当きつい。
というのも、常に色々なものにアンテナを広げておいて、論証するクセをつけておかなければ、ぶっつけ本番で書けるわけがないからです。
例えば、『体罰は教育にとって必要か否か?』というテーマがあったとします。
普通に考えればもちろん『体罰は必要ない!』となるでしょう。
しかし、『ではなぜ必要が無いのか?誰もが納得する客観的な理由を2つ挙げて、しかも英語で書きなさい』となると、これは相当きついはずです。
例えば山口ならば、『体罰で物事を教えられた子どもは、体罰を恐れて何かに取り組む習慣がついてしまうので、主体的に考えられなくなるため、将来自分で考えて行動することができなくなるから。』などを理由に挙げるのですが、限られた時間でこれを思いついて、なおかつ相手に伝わりやすいようにパラフレーズして、さらに英語で書くというのは相当至難な業です。
抽象論で、『体罰は良くない!』というのは簡単ですが、万人が納得する理由を考えるのは、それなりに大変なはずです。
・・・。
ちなみにこれを英語にすると、どうなるんでしょうね?
(山口の解答例) “Children who have gotten education based on physical punishment wouldn’t be able to act on according to their decision. That is because it is probable that they get into a bad habit that tackle with some assignment due to being afraid of such a punishment that springs from a kind of fear.
たった今、3分ほどで適当に考えた文章なので、これでも全然堅いですし、もっと分かりやすい表現があるはずです。
しかしこれでも53単語しか使ってない・・・。
ということは、受験生のみなさんはこれの3倍近い長さの英文を書かなければならないということです。
本番一発勝負で。
ちなみにですが、『体罰を基盤としたうえで教育を受け続けた子供は、自分たちの決断に応じて行動することができなくなるだろう。なぜなら、おそらく彼らは、恐怖の類が原因となるそういった体罰に応じて何かに取り組むという悪い習慣が身についてしまっているからだ。』
かったーい!
堅すぎるでコレは!
というわけで、もっとナチュラルな表現が思いついたらまた紹介させていただきます。
(ちなみにですが、『体罰』という英単語は、”corporal punishment”という表現があるそうです。
恥ずかしながら山口は知りませんでしたので、自分で勝手に”physical punishment”と表現しました。( ..)φメモメモ・・・。)
というわけで結論、難関国公立の英作文はまずいったんは丸暗記。
だけど、もちろん語彙も英文法も完璧を目指さなければならない。
なぜなら、英語に限った話ではありませんが、国公立の記述問題は、100%減点方式だからです。
受験生は全員満点を持った状態でスタートして、ミスがあるごとに減点。
まあいいか悪いかはさておき、受験生のみなさんはごく限られた時間の中で、英文法も、英単語もイディオムも、そして英作文でさえも丸暗記しなければなりません。
もうね、『英単語がどうしても覚えられないんです・・・。』なんて低次元な悩みは捨ててほしい。
本当にスマホも含めて何もかもかなぐり捨てて、100%第一志望のために本気で頑張っても覚えられないのであれば、難関大は諦めた方がいい。
さて高校生諸君、3年間という時間はみなさんにとって充分ですか?
多分ね、本来であれば時間がいくらあっても足りないはず。
そして3年間通ってみれば分かりますが、これらの国公立二次の対策は、残念ながら公立高校の英語の授業では不可能です。
絶対にできません。
それは各高校の合格実績が物語っています。
君たちが書いた文章を見て、その場で正しくアドバイスできる人間が必要なんです。
ちなみに当塾はそういった大学も含めて、多数の合格実績を持っていますので、そこだけ切り取るならば十分に対策はできていると自負しております。