『褒めて伸ばす』『主体性を重んじる』が効果的に作用するのは小学校4年生くらいまで。
連日厳しいお話ばかりしていますが、実のところ山口自身も、本当はこのような話はしたくありません。
シンプルに、嫌なことを言えば嫌われてしまいますからね・・・。
もちろん、『褒めて伸ばす』『生徒たちの自主性を重んじる』という指導方針が大切であることは百も承知しておりますが、それが効果的に機能するのは小学生まで、甘めに見積もっても中学生までと考えております。
もう中学生にもなれば自我が芽生えていますからね。
例えば何かが解けた時、「すごーい!やればできるじゃん!」の声掛けで達成感や自己肯定感が得られるのは、せいぜい小学校中学年くらいまで。
おそらくはほとんどの中高生は、(いや、白々しいですし、そういうのいいんですけど。)と思っちゃうはずです。
それでも自分は塾生が何かできた時は全力で褒めますけどね。
本当にすごいと思ってますんで。
でも、ほとんどの中高生は、やはり厳しい現実をきちんとお伝えしないと、ピンと来ないと思うんです。
ほとんどのN高生やH高生が、ちゃんと英単語を覚えてくれないところを見れば一目瞭然です。
もちろん、私たちははっきりと伝えます。
『英単語を覚えないと、受験は絶対に失敗するよ?』
『英単語の暗記にはものすごい時間がかかるし、3年生からでは絶対に間に合わないよ?』
『英単語は見るだけじゃ覚えられないよ?』
もう彼らや彼女たちの耳にたこができるくらい言い続けますが、まさに馬耳東風。
どれだけ必死に伝えても、それを本当に理解してもらえるにはかなりの時間がかかります。
しかしそれはしょうがないんです。
小学校や中学校の頃に、その大切さをちゃんと伝えられていないから、『まあ山口はワーワー言ってるけど、なんだかんだで何とかなるんでしょ??』くらいの認識しかしてもらえないのです。
でもね高校生のみなさん。
みなさんがアラビア語を覚えようとしたら、決して『見るだけ』なんていう勉強はしないはず。
次の表はアラビア語の挨拶らしいです。
君たち、これをぼーっと眺めただけで全部覚えられます??

覚えられるわけがないですし、ましてや文章なんて書けないでしょう?
しかもこれ、ただの挨拶ですからね。
『さあこれを明日までに覚えて、書けるようにしてください。できなきゃ第一志望には永久に合格できません。』なんて言われたら、何度も声に出して、何度も紙に書くでしょう?
もう書くのなんて、1回や2回じゃダメで、おそらくこの『サバ―フ アルハイリ』のアラビア語のスペルだけでも100回は書かないと覚えられないんじゃないでしょうか?
でね、なんで英語なら『見るだけ』で覚えられると思うん??
もちろん、アラビア語は馴染みがないから、英語と同列には語れないかもしれませんが、それでも見たことが無い英単語は、アラビア語と似たようなものですって。
そしてこれはお父様やお母様にも共有していただきたい。
もしもお子さまが家で、『単語帳をぼーっと眺めているだけ』なんて時間の過ごし方をしていたら、その時間は何も頭に入っていないとお考え下さい。
ノートにたくさん書いて、ひたすら声に出して、『隙間時間に英単語を確認している』ならOKです。
でも『英単語帳を眺める』というのは読書をしているだけで、その時間ある程度分かったつもりにはなっているかもしれませんが、絶対に覚えられません。
もちろん、これまでに片手で数えられるくらいの人数ですが、『見ただけで覚えられます』という高校生に出会ったことがありますが、極めて稀な例です。
そしてよく『部活が忙しくて、そんな英単語を書いたり声に出す時間なんてない。』という高校生に出会いますが、立ったらその部活はやめた方がいい。
もちろん理想は文武両道。
だけど本当に部活動が君の勉強の邪魔をしているのであれば、それはやめるべきです。
もちろん、『いや、勉強よりも部活の方が大切ですし、第一志望に落ちても、誰のせいにもしません。』って言うのであれば話は別ですが。
そういったわけで、よく『山口の授業を受けたいです!』と嬉しいことを言ってくれる高校生がいるのですが、君たちが英単語やイディオムを覚えない限り、どれだけ英文法や精読力がついたとしても、偏差値はほとんど上がりません。
アラビア語の文法を覚えたとして、単語を覚えずして文章を読んで理解できるのでしょうか?
ましてや、文を書いたり、話したりできるのでしょうか??
だから英単語は、高校1年生の春先から、きちんと時間を確保して、地道に何度も何度も繰り返し書いて声に出してください。
山口も含めてですが、みなさんは言語を見ただけでマスターできるほど優秀ではないのです。
とんでもない時間と労力が必要になるということを高校1年生、できれば中学生の頃から理解してほしいです。