本当に大切なのは、高校3年生ではなく高校1年生(もっと言えば中学生)

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雑談

昨日入塾したばかりの高校1年生の塾生に、ちょっとだけ厳しめに指導いたしました。

 

理由は、前回100%理解できていた内容をすっかり忘れてしまっていたから。

 

本当のところ、まだ中学校を卒業したばかりでしたので、ちょっと厳しかったかな・・・と思わなくもないのですが、大学受験を見据えた学習は早期の段階こそ大切です。

 

 

今テレビのCMで、受験生を煽るような夏期講習の案内が散見されますが、高校3年生で本格的な受験勉強をスタートさせるのは、はっきり言って無謀なのです。

 

いわゆる志望校に合格するために、高校3年間で必要となる学習時間が『4,000時間(それも正しい学習法で)』と言われていて、それをたったの半年程度で補えるわけがないのです。

 

4,000時間をたったの半年で補おうとするならば、なんと『1日あたり22.2時間』の学習時間が必要となります。

 

全国のライバル達は相対的に見て、質も量も伴った学習を積み上げてきているので、たったの半年で彼らに勝とうというのは無謀な話なのです。

 

 

 

話を元に戻しましょう。

 

じゃあ時間さえかければいいのかというと、もちろんそういうわけではありません。

 

 

ここで少し考えてみたいのです。

 

 

西尾市に限らず、ほとんど多くの学習塾が中学生をメインのターゲットにしていて、大学受験までカバーしている塾となると大幅に数が減ります。

 

高校生は『映像授業がメイン』なんて塾も散見されますね。

 

ここではその良し悪しを語りたいわけではなく、『高校受験』と『大学受験』に必要な学習は、質も量もまったく別物なのです。

 

 

正直、当塾が『高校受験のみ』を対象としているならば、多くの塾と同じく、基礎問題を中心に反復し、圧倒的な演習量で生徒の学習時間を確保することを最優先とします。

 

 

公立高校入試では、『数学の空間図形の応用問題』『思考力を問う問題』のような一部の問題を除けば、基礎さえできていればほとんどの場合合格点が取れます。

 

例えば今例に挙げた数学ですが、合計22点の内『空間図形の応用問題』『思考力を問う2点問題』を全て落としたとしても、中学校3年生の10月までの内容さえ抑えておけば17点は取れるのです

 

そりゃあどこの塾でも『大問1』と『大問2』を確実に取れるような指導をしますよね?

 

 

英語にしてもそうです。

 

例えば昨年の公立高校入試問題の長文で、

 

“I’m going to talk about some kinds of dogs wotking for a disabled peole.”

 

という文章が出てきますが、大学受験のことを全く考えないのであれば、これも多くの学習塾と同じく、『これから身体に障害のある人のために働いている数種の犬種に関して話してみよう。』・・・みたいに返り読み(英語の語順を無視し、理由なく文末から訳す訳し方)で指導します。

 

これくらいの短さの文章なら、確かに日本語のように後ろから訳した方がやりやすいのですが、これが通用するのは高校受験(一部私立を除く)までです。

 

断言しますが、その読み方では以下のような長い文章は絶対に手も足もでなくなってしまいます。

 

“Far more important was his finding out  that the noises he makes in his throat when he wishes to express some emotion could be developed into a system which he could use to communicate complex ideas to his fellows.

 

なんと同じ一つの文章なのに、使用されている単語は3倍以上、このサイズ感でなおかつ動詞も関係詞も多数使われているのですから、正しい英語の読み方をマスターしていないと、何もできずに終わってしまいます。

 

返り読みという日本人の語順に合わせた読み方は、平易な文章では十分な効力を発揮しますが、大学受験クラスの読解にはまったく役に立ちません。

 

 

 

ただ繰り返しますが、それでも『そうはいっても、とりあえずは高校受験を何とかしないと』というのであれば、もちろん公立高校の受験に合わせた対策を取ることは大切だと思います。

 

ただ、西尾高校や西尾東高校、もちろん岡崎高校や刈谷高校も含め、いわゆる『進学校』というところで起こる現象が、『○○高校に入れはしたけどビリになってしまった・・・。』というものです。

 

当然、どの高校であろうが300人を超える人数が集まるのですから、トップもいればビリもいて然るべきなのですが、問題はそこからどう対策を取っていくかです。

 

 

そこで話が戻るのですが、最も大切な高校1年生、または2年生の時期に、中学校と高校の学習がまったく異なるものであるかどうかを認識するかどうかは、大学受験を見据えたその後の2年間に大きな影響を与えます。

 

 

誤解を恐れずに乱暴なことを言えば、どんな高校であっても、高校受験くらいなら『基礎の反復とひたすら暗記』で何とか乗り切れるのです。

 

ただし大学受験ではそうはいきません。

 

昨日少しだけ厳しく指導した塾生は、西尾高校のテスト範囲である『助動詞の様々な意味と過去形表現、過去と大過去』という単元をすっかり忘れてしまっていたため、『そんな学習の仕方ではまずい』と釘を刺した次第なのです。

 

正直、当塾は完全1対1のマンツーマン指導なので、間違いなく理解はしやすいです(これで理解できなかったら、100%当塾の指導力不足です)。

 

そしてもちろん演習課題も宿題も出すわけですが、『100%の理解』+『一週間分の演習と宿題』が伴っているならば、覚えていないなどということはありえないのです。

 

ただの努力不足ですね。

 

もちろん、高校受験まではそれで乗り切れたのでしょうが、大学受験ではそうはいきません。

 

今回の西尾高校の期末テストの範囲である『助動詞の過去形表現(助動詞 + have + 過去分詞)』は、その先の『仮定法』や『分詞構文』などの、大学受験必須の単元で必要となる土台の知識となりますので、ここが理解できていないまま先に進むと、何度も何度もそのたびに遡る羽目になります。

 

 

数学にしても英語にしても、大学受験に必要となる学習は全てが有機的に結びついていますので、ピラミッドの底の方が不安定だと先には進めないようになっています。

 

 

高校1年生の時の成績は、何の対策もしなければ、1年後も2年後も大して変わりません。

 

言わずもがな、2年間放置してしまって、たったの数か月でそれまで入念に対策を取ってきた受験生と同じような学力をつけるというのは、100%とは言わなくてもほぼ絶望的なのです(例えば高校3年生の時点で成績が伴っていなかったとしても、それまでにきちんと土台を作ってきた高校3年生は別ですが・・・)。

 

 

高校に入学したばかりの現時点で、自分の思ったような成績が出ていなくても、それは大した問題ではありません。

 

ただし、『○○高校はレベルが高いから仕方ないよね。』で片づけて、何の対策を講じないのは大問題です。

 

結果として2年後、(これならランクが低い私立に行って、そこで推薦もらえばよかった・・・)なんてことになりかねません。

 

 

良いか悪いかはこの際問題ではないとして、改めて『高校受験の学習法』と『大学受験の学習法』はまったく異なるものだと認識しましょう。

 

『似て非なるもの』でもありません。

 

まったくの別物です。

 

そして大学受験を見据えた学習は、早ければ早いほどよいことは言うまでもありません。

 

英語の返り読みなどは『百害あって一利なし』。

 

できれば高校入学からと言わず、英語の習い出しから正しい学習法を学ぶことが望ましいです。

 

 

さあ今日も一日頑張りましょう!

 

 

 

 

 

 

 

 

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