大学受験レベルの以後に対応するためには、中学生の段階からそこに合わせた学習が必要になります。

カテゴリー :

保護者様へ

こんな話をよく耳にすることがあると思います。


『○○君は中学校の頃はいつも英語のテストが満点で、もちろん公立高校入試でも22点だったのに、高校に入った瞬間に学校の授業についていけなくなってしまった・・・。』



中学校のテストでは常に90点以上、満点も珍しくなかった。


そして公立高校入試でも満点の22点を取っていても、たったの3か月後、つまり1年生の7月に受験した模試の結果が偏差値55に届かない、今も昔もそういう高校生がたくさんいます。




理由は簡単で、『中学校で学ぶ英語と大学受験レベルの英語に天と地ほどの差がある』からです。


例えるならば、公立中学校で学ぶ英語は小学生のソフトボール、大学受験は野球で、両者は共通点は多いけれども基本的にはまったく別の競技。


しかも大学受験レベルの英語は甲子園に出場できるくらいの力が求められます。




もちろんソフトボールが悪いわけではないのですが、たとえソフトボールで世界一になったとしても、いきなり野球をやらされても手も足もでないはずです。






おそろしいことに、両者は見た目が似ているからこそ、『まあソフトボールやってたし、野球も何とかなるんでしょ?』と思っている高校生が非常に多いということです。




もちろん高校1年生の中には、一見すると同じように高校に合格したお友達の中で、英語の偏差値が70や80を超えている英語モンスターがいると思います。



『自分も同じ高校に合格しているわけだし、そんなに違いはないだろう。』、その認識で1年2年と時間が過ぎてしまうと、本当に取り返しがつかなくなってしまいます。




中には帰国子女で、すでに英語がペラペラな高校生も珍しくありませんし、当塾の塾生のように、中学1年生の段階から大学受験を想定した学習を積み上げてきた高校1年生もいます。



もちろん、中学校のテストや公立高校入試の時点では、彼らと同じような点数が出るでしょう。



みんな満点です。



しかし同じ満点でも本質は全く違うんです。



例えば当塾のある中学生は、入塾から3か月ほどで中学英語を完全に終わらせて、次の3か月で高校英語の文法を一通り終了、今は京大や早慶上智などの英語難関大の過去問に挑戦しています。




もちろん、それは彼の純粋な向上心と、日ごろの努力の賜物なのですが、世の中の中学生のみなさんには同じようなものすごい可能性が眠っているのです。



知らないのはご本人だけです。



例えばの話、『自動詞と他動詞を正確に理解する』だけでも、大学受験の英語の理解度は格段に上がります。



しかしほとんどすべての公立中学校で、『自動詞と他動詞の説明』がされることはありません。




中学生に、『自動詞と他動詞って何?』と質問しても、おそらくはほとんどのみなさんが、『自動詞は自分で成立する動詞で、他動詞は~・・・』、としか答えられないはずです。



もちろんその理解では不十分ですし、その知識では高等英語の理解の助けになるどころか、妨げになるだけです。



自動詞と他動詞の理解ができていなければ、山口がパッと考えたような一見簡単そうな文章もおそらく訳せないはずです。


I tried to take in with what my energy I had what he said.



ここに難しい英単語はひとつも使われていません。


中学校レベルの英単語のみですし、もちろんネイティブが見れば簡単に理解できる程度の英文です。


しかし自動詞と他動詞が理解できていなければ、手も足も出ないはずなんです。




ちなみに余計な解説は省きますが、日本語訳は、


『持っているなけなしのエネルギーで、彼が言ったことを理解しようとした(・・・ができなかった)。』




【なぜ公立中学校の授業で自動詞と他動詞を解説しないのか?】


自動詞と他動詞は、本気で英語を理解しようと頑張ってくれる中学生なら、10分ほどの説明でみな理解してくれます。



もちろん、まっとうな中学校の英語教師であれば、自動詞と他動詞は正確に100%で説明ができるはずです。



ところが日本全国、ほとんどの公立中学校ではその説明がなされない。



理由は簡単で、『2:6:2の法則』があるからです。



例えば難関とされる中高一貫校であれば、そこにいる中学生は一律みな同じくらいの学力なので、指導する側も忖度することなく、高度な内容を指導することができます。



しかしそういった棲み分けがなされていない公立中学校には、実に多様な生徒達がいます。

『2:6:2の法則』とは、


①すごく頑張る勉強熱心な20%

②やる気も学力も普通くらいの60%

③やる気もなく素行も悪い20%



当然公立中学校の先生方は、②と③のグループに焦点を充てた指導をせざるを得ません。


マイノリティである①の層に合わせて高度な学習指導をしても、80%がついていけない授業は、もはや授業としては成立しないからです。



これで大きな被害を被るのは、もちろん①のみなさんです。



みなさんにはものすごい可能性がある。


しかし学校の仕組み上致し方なく、本来であればもっと高度なことを学べるはずなのに、大きく足止めを食らってしまうのです。




もったいなくないですか?



本来であれば、中学校の段階でもっともっとたくさんのことが学べたはずなのに、公立高校入試に焦点を充てた授業によって、その可能性の芽を摘まれているのです。



それでも学校のテストや全県模試ではいい結果が出てしまう。



もう一度念を押させていただきますが、中学校の英語はソフトボールで、高等英語、とりわけ大学受験レベルとなると、『甲子園に出場するレベルの野球』、ということになります。







ソフトボールの練習を永久にやり続けても、野球がうまくなることはありません。



もちろん、ソフトボールも競技として素晴らしいですし、公立中学校で学ぶ英語も、英語の基本という点ではとても大切です。


決して『中学校で学ぶ英語を蔑ろにしてもよい』、という意味ではありません。



しかし当り前の話ですが、野球をうまくなるためには、最初から野球の練習をやっておくべきです。





そして長いことたくさんの中高生と出会う機会をいただいてきましたが、途轍もない英語力を持っていながら、『時すでに遅し』となってしまった受験生も少なくはありませんでした。



学問に終わりはありませんが、それでも大学受験には期限があります。


たったの3~6年程度の短い時間で結果を出すためには効率化が必要になることもあります。


そして多くの場合、中高生のみなさんが地力でそこに気付くことは難しいのです。



かつての私たちがそうであったように、中学生のみなさんにとっては、普段自分が通っている学校だけがすべてであり、生徒達を指導している先生たちこそが絶対的な存在なのですから。








Monthly Archives

月別記事