公立中学校の英語にどっぷり漬かると、大学受験にまったく対応できなくなってしまうというお話

【中学校の頃は英語が得意だったはずなのに・・・】

『中学校では成績優秀、もちろん学年上位で西尾高校に合格したのに、最初の夏の模試では偏差値が40台だった・・・』


この問題の恐ろしい所は、中学校の3年間で間違った指導を受け続けても、かなりいい成績が出ることが往々にしてあるということです。


いい結果が出ていれば、当然自身を省みることはしません。

特にその傾向が顕著に出るのが英語です。

はっきりと断言しますが、公立中学校に通っている中学生のみなさんが受けている授業、そして公立高校に合格することだけを目的としている学習塾で受けている英語の授業は、すべて間違っています。


ただその間違った指導でも、中学校の中間・定期テストや、公立高校入試では満点が取れてしまいます。


しかしその付け焼刃の…いや、付け焼刃ですらない英語では、大学受験にはまったく対応できません。



【それでは本題に戻ります】


その前にこの英文をチラッと読んでいただきたいのですが、みなさんこの文章をどう訳すでしょうか??(もしよろしければ、保護者様も挑戦してみてください)。



I have a friend who lives in Tokyo.



関係代名詞”who”を使った文章です。


ほとんどのみなさんが、

『私には東京に住んでいる友達がいます。』

と訳すのではないでしょうか?




もちろん全然正解ですし、これくらの短い文章なのであれば特に問題はありません。



しかしこの考え方が許されるのは公立高校入試まで。



というよりもまずこの文章、ネイティブスピーカーにはどう聞こえるているのかというと当然・・・




①I have a friend (私には友達がいます)

という情報が聞こえてきてその後で


②who lives in Tokyo. (その人は東京に住んでいる)

と聞こえるはずです。





というかネイティブじゃなくても、私たち日本人でもそうですよね?



だから先ほどの文章も正しくは、


『私には友達がいて、その人は東京に住んでいます。』


と脳内で処理すべきなんです。



ところがどっこい、公立中学校の英語指導のカリキュラムでは、

『関係代名詞の”who”』

①人を先行詞に取る場合は”who”

②”who”以下の文章では、主語・目的語・補語のいずれかがかけるため不完全文になる


ここまでは別にそれでいいのですが、

③”who”以下を先行詞にかける(つまり逆戻りする)

という指導をするため、先ほどのような『返り読み』という現象が起こります。






でもほとんどのみなさんはこう思うはず。


(え!でも『私には東京に住んでいる友達がいます。』でも全然問題ないし、不都合はないんだけど)ってね。



もちろん、この程度の短い文章なら不都合はありません。



しかし同じように関係詞を使った次の文章で、同じように返り読みができるでしょうか??



I graduated from Nishio high school where I had studied hard.



この文章では”where”が関係詞(※正しくは関係副詞)がふたつの文章をつないでいるわけですが、これを先ほどと同じように後ろから返り読みしてしまうと・・・


△『私は一生懸命勉強を頑張った西尾高校を卒業しました。』


この文章、はっきり言ってすごく変ですよね?


これも普通に左から右に、目に入ってくるままに



〇『私は西尾高校を卒業したのだが、そこではものすごく勉強を頑張った。』


この方が自然・・・というか山口はそう思ってこの英文を考えたわけですからこれが正しいのです。




さらにもう少し、山口が考えた文章を紹介してみます。


More and more students are absorbed in smartphones, which is bringing about reducing their grades.

(※”which is”は省略可です。その場合は分詞構文になります)



同じようにこれを後ろから返り読みすると・・・

×『多くの生徒達が、彼らの成績低下を引き起こしているスマートフォンに夢中になっている。』


もうなんかすごく気持ち悪い(笑


もちろん山口はそう思ってこの文章を書いたわけではありません。正しくは


〇『多くの生徒がスマートフォンに夢中になっていて、そのことが彼らの成績低下を引き起こしている。』




とはいえ、これはまだまだ山口が考えた程度の文章なので返り読みでも理解できなくはありません。


何となく言いたいことは分かるでしょうから。


しかしこのレベルになると、もう返り読みではお手上げです。




ここでは青字で書いた

because(接続詞)

upon which(関係副詞)

without which(関係副詞)



少し読みづらいかもしれませんが、ここに書いてあることがすべてです。




I have a friend who lives in Tokyo.




を『私には東京に住んでいる友達がいる。』という訳し方で罷り通るのは公立高校入試まで。



中学校までは普通に英語のテストで90点100点が取れていたのに、


『西尾高校や西尾東高校に入った瞬間、得意だったはずの英語がニガテになってしまった・・・』


という西高生・東高生あるあるが発生するのはそのためです。


もちろん、何も知らない中学生や高校生に罪はありません。



ただ私も、『とりあえず公立高校入試を何とかすることが最優先』と思っているのであれば、公立中学校の英語教師や、周囲の大手学習塾のような指導を優先します。



オールマークの試験で出題されるところが決まりきっているのですから、それは当然のことです。



しかしそのやり方が染みついてしまうと、今度は大学受験に必要な英語力を養うことはできない・・・というよりも、土台を作ることができません。


都築先生の言葉を借りるのであれば、『豆腐の上に家を建てようとするようなもの』というところでしょうか?



これが恐ろしいのは、中学校に通っている3年間や高校1年生くらいまでは、この問題が顕在化しないということです。



冒頭申し上げました通り、中学校の中間・定期テストや公立高校入試では、この誤った認識でも余裕で高得点が取れてしまうからです。





目に見えてその崩壊が分かるのは高校2年生の夏の模試くらいあたりから。



そしてその時にはもう手遅れであることが多いのです。



長い時間をかけて・・・しかも『それが正しい!』と信じて返り読みを繰り返してきた高校生に、



『英文も日本語と同じで、ちゃんと左から右に訳すんだよ!ただ、言語の仕組みが違うだけだよ!』


と伝えても、もう修正ができないのです。

なぜなら、今まで間違ったやり方で、間違った成功体験を積み上げてしまったから・・・。




しつこいようですが


I have a friend who lives in Tokyo.


これを『私は東京に住んでいる友達がいます。』と訳すことを叩きこまれた中高生は、間違いなく大学受験レベルの英語には対応できません。


その対策ができるのは高校2年生の夏くらいまで。






もちろん、早いに越したことがないことは言うまでもありません。




最近度々紹介させていただいている中学2年生の男の子のお話ですが、

『たったの5か月で、英語の点数が27点から71点まで上がった』という好例もこれに該当します。


彼の英語の成績が悪かったのは、彼の能力の問題ではありません。


ただただ、『中学校で間違った指導を受けていたから』、本当にただそれだけの話なのです。



余談ですが、その彼は今はもう中学校英語は一通り終わっています。



0からのスタートでしたが、わずか半年ほどで公立中学校の3年間で学ぶ内容が終わってしまったということになります。






※体感上の話になりますが、なまじ英語の成績が良くても・・・いや、成績が良い高校生ほど、こういった悪習慣を取り除くことが難しいです。


なぜなら、『今までそれでうまく行ってきたから。』です。

悪い意味での成功体験が染みついてしまっているので、これまでと違うことを伝えられても拒否反応が起きてしまうのです。(※本当にしつこくてすみません。ただし大切なことなので、何度も言わせていただきます)。



もちろん、彼らや彼女たちには何の責任もありません。



私自身、『それまでのやり方でうまくいくのであれば変える必要はありません。』と言ってあげたいところなのですが、残念ながら高度な知識の理解、膨大な量の暗記を要求する大学受験において、『悪手は妙手になり得ない』を強く念押しさせていただきたいです。




カバディの練習を何年積み上げても、野球がうまくなることはないのですから(※カバディプレイヤー、並びにカバディ協会のみなさん、本当にすみません)。