実際の入試で”I”や”You”が主語になることはほとんどない
ほとんどないは言い過ぎたかな?と思いましたが、それくらいで思っていた方がいいです。
なぜなら、大学入試、特に難関大で問題になる箇所は、”I” “You”で書き出されているような平易な文章ではなく、読解が困難な『無生物主語(名詞構文)』だからです。
論より証拠、とりあえず適当に手に取った早稲田の政経の英文を例に説明させていただきます。
すみません、いざ数えたら結構大変だったので、この二つのパラグラフだけ調べさせていただきました。
15の文章の内、”I” “You”などの人を主語に取る文章は、なんと”たったの三つだけ”でした。
極端な物言いになりますが、大学入試、特に偏差値が60を超える大学で、”I can speak English.”のような、人を主語に取る文章はほとんど登場しません。
ちなみに大学入学共通テストですと、大問3までは会話やチラシなどが問題になりますので、割と人が主語になるのですが、大問4からは様子が一変します。
共通テスト模試などで、『大問3まではそこそこ取れるけど、大問4からはまったく取れない』という理由の一つに、この『無生物主語』があります。
というわけで、昨日東高生から無生物主語について質問をいただきましたので、簡単にまとめてみました(5分ほどで書いたものなので、ミスがありましたら平にご容赦を…)
こんな感じです。
なお余談ですが、これくらいの5分、10分で終わるような内容は、すべて質問で対応させていただいております。
山口がその場でひねり出したような文章ですので、もしかしたらこの程度なら分かるよ~という高校生もいるかもしれません。
しかし、これが実際の大学入試の文章となるとどうでしょうか??
『The discovery by computer scinece of the technical challenges overcome by our everyday mental activity is one of the great revelations of science, an awakening of the imagination comparable to learning that the universe is made up of billions of galaxies or that a drop of pond water is full of microscopic life. 』
このレベルになると『無生物主語』だけでなく、『主格のby』『過去分詞による後置修飾(overcomeは過去分詞です)』『, which isの省略』『同格のコンマ』などなど、大変な文法事項をいくつも抑えておく必要がありますが、飽くまでも核になるのは、”The discovery”という主語をどのように訳すかということです。
そもそも、『私たちの日常的な知的活動によって克服されている技術的難題を、コンピュータ科学によっての発見は…』などと訳しては日本語としてもおかしいわけで、出だしがまずければ、その後の和訳も破綻するであることは目に見えています。
そしてこの内容を学習しようとするのであれば、『遅くとも高校2年生の夏には一通りの英文法が終わっていること』『高校3年生の時点で、少なくとも英語の偏差値が60はあること』が大前提です。
ちなみに先ほどの英文ですが、『私たちの日常的な知的活動によって克服されている技術的難題をコンピュータ科学”が”発見したことは、科学の偉大な啓示の一つであり、つまりは、宇宙が何十億もの銀河から成り立っているということや、池の水の一滴にも微生物がいっぱいいるということを知ることにも匹敵する、創造力の覚醒なのである。(ー京大入試に学ぶ英語難構文の真髄より抜粋ー)』
正直に言えば、こんな超難文を理解できなくても、大学入試は何とかなります。
ただ、これだけ高い負荷をかけられるのであれば、旧七帝大や早慶、医学部などの超難関大にも余裕を持って挑戦できます。
事実、昨年度名古屋大学、広島大学、愛知県立大学、関関同立、南山、名城などに合格した卒塾生は、全員この文章を理解しておりました。
もちろん楽とは言いません。
しかしながら、『大学入学共通テストレベル』をゴールに設定していたら、果たしてそこに到達できるのかも怪しいですし、その後の国立二次の難しい記述問題など対応できるわけがありません。
本当に難関大対策を取っている受験生は、少なくとも高校2年生の冬には共通テスト対策レベルのことは終わらせています。
そうじゃないと間に合わないのです。
これは別に、『高校2年生の冬に高偏差値を取っていなければならない』という意味ではありません。
たとえ偏差値が芳しくなくても、『英単語やイディオムの暗記は一通り終わっている』『基本的な文法は一通り終わらせている』ならば問題ありません。
何の対策もせず、貴重な高校1年生と2年生という時間をダラダラと過ごして、高校3年生の春を迎えて『そろそろ本腰を入れようかな。』という山口タイプのお気楽な受験生が間に合わないと言っています。
そんなわけで、とても難しい文法を理解することは1人では難しいかもしれませんが、英単語の暗記はどこでもできます。
先ほど西尾駅前のバス停に並んでいた、10名ほどの高校生が全員スマホを触っていましたが、単語帳を触ってください。
スマホなんてなくても命を取られることはありませんが、大学受験に成功するか否かはみなさんの人生を決めると言っても過言ではありません。
もちろん、一流と言われる大学に行っても不本意な人生を送る人もいるでしょうし、その逆も然りです。
でもやっぱり、第一志望や難関大に合格していった卒塾生は、本………っ当に楽しそうなんです!
もう本当に羨ましい…。
だからみなさんも悔いのないように頑張ってください!