後悔先に立たず
野球大好きの山口、先日ドラフト会議のドキュメント番組を観ておりました。
『異色のドラフト候補生!プロ入りなるか!』
どんな風に異色なのかというと、その選手はなんと高校に行っていなかったのです。
現在の年齢は21歳。
元々は中学時代に全国大会で非常に優秀な成績を残したほどの投手で、あの名門横浜高校などをはじめとする野球強豪校からたくさんのオファーがあったのだそうです。
しかし彼はそれらのオファーを全て断ります。
理由は『いや~当時は遊びたかったんすよね。』と答えていました。
結果として建設作業員を選び、髪も茶髪にして仕事をしながら遊んで暮らしていたのだそうです。
最初に断っておきますが、それが悪いとか言っているわけではありません。
自分で選んだ道ですし、自分に責任を持って頑張っているのなら、良いも悪いもないと思っています。
話を戻します。
しかしながら彼が17歳の春、たまたまテレビで観た甲子園の中継で、躍動する横浜高校ナインを目にします。
そこで彼はこう思ったのだそうです。
(本当ならおれもここに立っていた。おれはこいつらに負けない。)
そう思って働きながら野球に打ち込める、独立リーグという選択肢を選びます。
独立リーグとは、一応プロフェッショナルではあるのですが、待遇面がプロ野球とは雲泥の差があります。
プロを目指す選手、あるいは戦力外通告を受けた元プロ野球選手が鎬を削る組織なのです。
彼は気持ちを新たに、その独立リーグで頑張って結果を残したのですが・・・残念ながら今年のドラフトにはひっかかりませんでした。
非常な世界ですね。
でも非常な世界ではありますが、もし同じ実力を持っていたとして、かたや野球の強豪校に進学し、野球にひたすら打ち込んできて、『まだまだ未熟ですが、チームが勝てるように全力を尽くします』と言っている根尾選手のようなプレイヤーと、『遊びたかったから高校には進みませんでした』と言っているプレイヤーなら、チームはどちらを欲しがるでしょうか??
非情なようですがそういうことです。
2人のプレイヤーの力量が同じならば、100人が100人前者を選ぶでしょう。
だからと言って後者に可能性が残されていないわけではありませんが、そのサボってしまった分のツケは払わなければなりません。
その他のプレイヤーよりもさらに飛びぬけた何かを持っていて、初めて対等なスタートラインに立てるのです。
これ、勉強も全く同じですし、残念ながら社会に出る時もそうなんです。
厳しい話ですが、就職の時だって、就職の後だって、君たちがどれだけ頑張ってきたかは紙切れ一枚と、申し訳程度の面談で判断されます。
いい大学に入るということは、それだけ主体性を持って、時には何かを犠牲にして頑張ってきたのだという証。
山口はあまりこの言葉は好きではありませんが、Fランクと呼ばれる大学に進んだ学生と、いわゆる一流と呼ばれる大学に進んだ学生は対等な位置には立っていないのです。
厳しい話、職業によっては面接にすらたどり着けません。
よく『学歴で判断しない』とか、『年齢制限撤廃』なんて言ってますが、そんなの何とでもできるのです。
選ぶのは人事なのですから。
君たちじゃないんです。
そんなのエントリーシートを受け取るだけ受け取って、『お祈りメール(不採用の連絡のことです)』を送るなんてこともザラにあるのですから。
そしてそれを後になって後悔しても、どうしようもないのです。
先ほど紹介した独立リーグの選手、彼が今の現状をどう思っているかはさておき、今から中学時代に戻って横浜高校に入りなおすなんてことはできないのです。
当たり前の話ですが、時間は戻りませんので。
君たちが今過ごしている時間というのは、二度とは戻らない貴重な時間なのです。
もちろん、部活も頑張るべきですし、やりたいことだってやればいいと思います。
ただし今の自分が第一志望に合格できるだけの力があるのかどうか、もしないのだとすればどのように行動するべきかは一考する必要があるはずです。
・・・ともっといろいろ書きたかったのですが、授業準備に入りますので今日はこの辺で!