さきほどのブログの続き
そうそう、もう少し先ほどのブログに付け足させていただくならば、『英語というやりさえすれば必ず上がる教科は絶対にやるべき』です。
そしてさらにいうならば、理系だろうが何系だろうが、『ごく一部の例外を除いて、英語はすべての大学で必須教科』なのです。
優先順位が桁違いです。
もちろん、当塾の石川先生や黒野先生のように、英語がニガテでも金沢大学や名古屋大学に合格してしまう受験生もいるでしょうが、それはもう桁違いに彼らは理数系科目が強いのです。
英語が6割しか取れなくても、共通テストで9割強、とてつもなく難しい国立二次の記述でも8割以上取れるというのであれば、そりゃあ英語はそこそこの勉強でもいいでしょうが、なかなかそんな受験生はいないと思います。
これは何度も断言しますが、『英語や現代文はやりさえすれば100%成績が上がる教科』です。
中学の時に学年ビリを2回、0点を2回取ったことがある山口でも、旧センター試験では9割取れましたし、英検も準1級までは取れました。
言葉ですから。
それはもう時間をかけて、何度も何度も反復することで必ず結果は出ます。
それにどういうわけか、すべての大学受験で英語は必須教科ですし、英語ができるというだけで、例外なくあらゆる社会のシーンで重宝されます。
というわけで、また脱線してしまいそうなので本題に入ります。
【①福地中学校の男の子からいただいた質問です。】
質問の内容は、『最近大阪ではコロナウィルスに感染している人が増えている。』を英語で書くならどう書けばよいですか?というものでした。
いや、素晴らしいですね。
事のいきさつですが、”increase=増える、増加する”という単語を覚えたはいいものの、使い方が分からずに自分で文章を考えてみたとのことでした。
う~ん、これを高校生にやってほしいんだけどな…。
少し脱線しますが英単語の暗記、とりわけもっとも重要である『動詞』を覚える際には、自分で文章を作ってみることがとても大切です。
高校生のみなさんによく『involve attribute contribute commit robやdeprive apply などの英単語で文章を作ってみて。』と尋ねるのですが、まず作れません。
“involve”の意味を『関与させる』とか、”attribute”を『~を…に起因する』みたいに覚えたとしても、まず何の役にも立ちません。
だから使い方が分からない動詞については疑問に感じてほしいですし、実際に自分で文章を作ってみて、誰でもいいので質問してほしいのです。
単語帳の『赤文字の意味を覚える』というのは高校1年生の勉強であって、高校2年生になったら語法と派生語もすべて覚える、高校3年生になったら、難関大を志望している受験生は英英辞典を使うなど、勉強法のレベルも上げていかなければなりません。
それでは話を元に戻します。
この『最近大阪では、コロナウィルスに感染している人が増えている。』なのですが、結論から言えば、これは高校2年生くらいの英文ですので、中学3年生ではちょっと厳しいです(※私立など、すでに高校の単元に入っている場合は除きます)。
まずこの文章に含まれている英文法ですが『関係代名詞』『他動詞の受動態』『現在完了形』が使われていますので、まだ習っていないという理由で難しいと思います。
しかしながら、高校生諸君にはぜひ書けるようにしていただきたいので解説いたします。
①These days, more and more people are infected with COVID-19 in Osaka.
この文章のポイントは、主語が”more and more people”なので、述語動詞も”are”と複数系にすること。
また、”infect”という動詞は『感染させる』という他動詞なので、『感染している』という意味にするのであれば受動態にしなければならない、というこの2点です。
続いてもう一例。
②Recently, the number of people (who are) infected with COVID-19 has been increasing in Osaka.
ポイントは、②の文章の主語は”the number”という単数形なので、今回は述語動詞を三人称単数形にしなければならないこと。
また、後に説明しますが、関係代名詞”who”の節内に過去分詞が使われているため、”who are”は省略可能であること。
そしてもう一つ、高校生に興味を持っていただきたいのですが、①の文章の冒頭では”These days(nowadaysも可)”が使われていて、②の文章では”Recently”が使用されています。
高校生必須の英文法ですが、同じ『最近』という意味でも、”These days”は現在形と進行形で、”Recently”は過去形か現在完了形でしか使えません。
…とはいうものの、ネイティブさんの文章では全然気にせずに使いまわしているようですが、受験的にはやはりアウトなのでしっかりと使い分けましょう。
それよりもニュアンスの方が大切で、同じ『最近』という意味でも”these days”は(昔と違って)『最近では』という意味で、”Recently”にはそんなニュアンスは含まれずに、ただただ『ごく最近』という意味になります。
極端な話、『1時間前に雨が降った。』くらいの最近度でも”Recently”は使えます。
というわけで、この文章は中学生にはちょっと難しいかもしれませんが、高校生は書けなければなりません。
文章だと伝わりにくいので、疑問に感じた塾生のみなさんは質問に来てくださいね!
【②吉良中学校の女の子からいただいた質問です。『関係代名詞を省略していい場合とできない場合の見極めは??』】
これは鋭い!
といういよりこれ・・・、高校生でもきちんと理解している受験生は少ないののではないでしょうか?
いや、正直なところ言われてみればいざ説明するとなると山口も難しいのですが、全力で解説させていただきます!
乱暴なことを言えば、基本的に何でも省略できると思います。
『前置詞プラスwhichという関係副詞の形』以外は何を省略しても伝わると思うのですが、その説明では身も蓋もないので、みなさんが受験で困らないように、必要最小限の説明をさせていただきます。
まずは『確実に省略できる場合』からです。
①『名詞+SV』の形なら関係代名詞は省略できる。
ex1)Please show me something (which) you bought. 『あなたが買ったもの見せて!』ですが、これなんかはむしろ”which”なんかない方がスムーズに聞こえると思います。
ex2) The man (who) you met at Nishio station is my father.『あなたが西尾駅であった男性は、私の父です。』
そんな状況ってあるの!?という例文ですが、『男性(名詞)+あなたが(S)会った(V)』という形なので、こちらも”who”は省略できますね。
これもむしろない方がスムーズだと思います。
②『~している名詞(be動詞+現在分詞)』『~される名詞(be動詞+過去分詞)』のように、『be動詞』を伴う場合も関係代名詞は省略可能。
ex3) The boy (who is) playing baseball overthere is my friend. 『The boy(名詞)who is playing baseball』とwhoの直後にbe動詞が続いているので、こちらもwho is の塊が丸ごと省略できます。というよりない方が自然。
訳は『あそこで野球をしている少年は私の友だちです。』
ex4) The boy (who was) scolded by my teacher is my friend.
こちらも”The boy (名詞)who was scolded”と、名詞の直後にwho+be動詞が続いたので”who was”の塊が丸ごと省略できます。
これもむしろ関係代名詞はない方が自然で、訳は『私の担任の先生に叱られたのは、私の友人です。』となります。
そしていよいよ『関係代名詞が省略できない場合』なのですが・・・。
これは飽くまでも、『受験英語で考えるならば無難な説明』くらいに捉えてもらえると幸いです。
言語ですので例外はいくつも見たことがあります。
【関係代名詞が省略できない場合】
結論から言えば、関係代名詞の節中の『Sがない場合は関係代名詞は省略しない方がいい』となるのですが、先に申し上げました通り例外はいくつも見たことがあります。
ただ、受験生のみなさんは受験のルールに則って、『省略しない方が無難かな』くらいに思っていてもらえたら幸いです。
ex5) The man who painted this picture is my father.” 『この絵を描いた男性は私の父です。』
もしこの英文の”who”を省略してしまうと、
“The man painted this picture is my father.” となるので、冒頭が『その男性はこの絵を描いた。』に見えてしまいます。
ex6) “The man who I believed was may friend betrayed me.” 『私が親友だと信じていた男が私を裏切った。』
この英文も訳がどうかは関係なく、”who”の節中の”was my friend”の部分のSがないので、関係代名詞は省略しない方がいいです。
省略してしまうと、
“The man I believed was my friend betrayed me.”と、結構わけの分からない文章になってしまうので、”who”は残した方がいいです。
ちなみにこれは『連鎖関係代名詞』とかいうちょっと面倒くさい文法なので、脳内(???)となってしまった高校生のみなさんは質問に来てくださいね。
ただし”A lecture introducing the system of our cram school was held last week.” 『当塾のシステムを紹介する講演会が先週開催された。』みたいな文章では関係代名詞は省略される…というよりない方が自然に見えますし、『Sがない場合は絶対に関係代名詞は省略できない。』というわけではありません。
(なんだか面倒くさいな)と思われるかもしれませんが、何よりもまずは第一に『関係代名詞のルール』をしっかりと覚えること!
その上で関係詞を省略していいのか、しない方がいいのかを考えられるようにしてください。
個人的にはですが、大学受験や英検のライティングなどではしっかりと書いておいた方が無難ですし、スピーキングなどの口語表現ではガンガン省略しちゃっていいと思います。
日本語でも『話言葉』と『書き言葉』は全然違いますよね??
もちろんそれは優劣の話をしているわけではなく、どちらもできた方がいいです。
・・・。
というわけで、こういった質問を中学生の塾生から受けたのですが、高校生諸君!
この質問は君たちがしないと!
いや、もちろん高校生でも質問に来てくれる塾生はいますが、質問しない塾生はまったくしてくれないのです…。
君たち今はいいかもしれないけど、夏過ぎると本当にテンパっちゃうよ??
そんなわけで塾生諸君!(特に高校3年生)もっともっと質問に来てくださいね!
※追記:本当のところ、厳密に言えば関係代名詞中の”ing”は”動詞のing形”であって、分詞の”ing”は”現在分詞”という、本当はまったく別のものになります。