とにかく…とにかく英単語やイディオムに興味を持ってほしい!そしてできるだけたくさん日本語の文章を読んでほしい!!

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雑談

大学受験において、もっとも大きな障壁となるのが『英単語の暗記』です。


んまぁ~とにかく時間がかかる・・・。


正直なところ、(こんなに英単語を覚えさせるなんて、日本は高校生に何を求めているんだろう?)とも思います。


高校生には時間が無いですからね。

たったの3年で

『大学入学共通テスト対策』

『第一志望の国公立対策(※できれば第二志望の対策もしておきたい)』

『私立大学の対策』


これを5教科7科目分やりましょう!と言っているのですから、正直高校1年生から本気で取り組んで、ギリギリ間に合うかどうかです。


そりゃあ、小学校5年生からガチンコの受験対策をやってきた中学受験組が有利なのは当たり前の話ですね。




たまに高校生のみなさんのカバンを持たせてもらうことがありますが、余りの重さに腰が抜けそうになります。



(こんな重い参考書や教科書を背負って学校へ通っているのか・・・)と頭が下がる思いです。




とはいえ、そう言ってしまうと今回の話に切り込めなくなってしまいますので、心を鬼にして『英単語を覚えること、そしてできるだけたくさんの本を読むことの大切さ』についてお話させていただきます。








【たくさんの本を読んで表現や語彙の幅を広げることで、自分が書く文章の幅もさらに広がる!】


引き続き、とある中学2年生の男の子が書いてくれた和訳文を紹介させていただきます。


まずは英文がこちら。


“For example, bumping into a stranger unintentionally while on a crowded train is considered a harmless mistake, requiring just a brief and informal “Sorry” as a response.



最初にお伝えしておきますが、山口の課題は基本ノーヒントです。
(※どうあれ、一度はノーヒントで取り組んでもらい、どこが理解できていて、どこが全く分からないのかを知ってもらうことが大切だと考えているからです。もちろん、やり方や難易度については生徒に応じて変えていますが)


そして、正真正銘ノーヒントの状態で、中学2年生の彼が書いてくれた和訳がこちらです。



『例えば、混んだ電車の中で他人とぶつかることのような問題のないアクシデントは、ただ簡潔で気楽な『ごめんなさい』という返答のみを必要とする。』(原文ママで紹介させていただきます)



・・・。




自分が中学2年生の頃は、『ドラゴンクエストⅢ~そして伝説へ~』の虜だったんだけどな~・・・、それはさておき。






実はこの英文の中には

『SVOCの受け身 “be considered (to be) C』

『後続の分詞構文』

『接続詞の主語とbe動詞の省略』

など高校生で学ぶ単元が含まれており、もちろんそれについては彼も100%で理解していたわけではないのですが、それでもこれだけの文章が書けています。


正直、受験的には減点されるでしょうが、文章の理解度であったり、誰かに思考を伝える、文章を書くという点ではほぼ完璧だと思っています。

(※もちろん、文法に関する指導については、山口が取り組むべきことなので、彼には何の落ち度もありません)。



そして彼のお母様から聞いた話では、やはり彼の読書量はものすごいとのこと。



これだけの文章がゼロから生み出されることはありません。




理数系科目は言うに及ばずですが、私たちはこういった文章を書くという行為、果ては文章読解においてさえも、先人たちが築き上げたものに学び、引用することしかできないのです。



もしも読書の習慣無くして、読解力や記述力が上がるものと心得違いをしているのであれば、そのような驕りはすぐに捨てなければなりません。





だから本気で読解力を上げたい、そして記述力を上げたいと願っているのであれば、とにかく本を読んでください。


それ以外に読解力を上げる、また文章を書く力を伸ばすことはできません。





【語彙が増えれば思考の幅もどんどん広がる】

昨日30年前の『Time(英字新聞)』を読んでいて、全く分からない表現が出てきました。


先にそのフレーズを抜き出しておきます。


“twist the arms of 人 to do”


『人に無理やり~させる』


ちなみにtwist Aは他動詞で、『Aをひねる』という意味なので、そこから『その人の腕を無理やりひねり上げて~させる』という意味につながるようです。


“Yamaguchi twisted of the arms of students who didn’t try to get started their assignments at all to tackle with.”


『山口は、まったく宿題に取り掛かろうとしない生徒に、無理やり取り組ませた。』


なんて文章もできてしまいますね。





なんだ、それだけか。・・・と思われるかもしれませんが、そうなんです。


知ってさえいれば頭を悩ませる必要なんてまったくありません。


しかし山口が『Time』で見かけた文章は、もちろん山口が考えたような簡単な文章ではありません。


“The ministry is involved in everything from the day-to-day management of troubled banks to twisting the arms of healthier banks to help failing competitors.” (March,8 , 1993)



『大蔵省(※現財務省)は、困難に陥っている銀行の日常的な経営から、健全な経営状態にある銀行に、倒産しかけた競争相手への助力を強いることまで、あらゆることに関わる。』



もうそもそも日本語の内容が専門的で難しいわけですが、この手の文章を読むときに、いちいち単語やイディオムで引っかかって思考や足を止めて読んでいたら、時間がいくらあっても足りません。



冒頭申し上げました通り、『予め単語の意味を知っていれば問題ない』のですが、知らなければアウトです。



そして受験のことはさておき、いつか高校生のみなさんが大学を卒業してさらに大きな舞台で活躍するとき・・・。



みなさんの仕事相手は高い表現力や語彙力を求めてこないでしょうか?



もしもみなさんの発言力・語彙力が乏しいと感じたとき、(あ、この人相手にはかなり会話のレベルを下げないといけないんだな。)と思わないでしょうか?




おもしろいことに、英語を話す人の人口は15億3,100万人いるのですが、実は中国語もそれにせまる勢いで、なんと『14億7,700万人』もいるのです。


しかしながら中国人の人口そのものが『約14億1,200万人』。



そう考えると中国語を話す人はほぼ中国に住んでいる土着の人々であると言えます。



中国語が世界の公用語になる可能性はほぼゼロと言っていいでしょう。




一方で、英語は実に多くの国で使用され、英語という言語に触れる機会を増やす事で、たくさんの思考に触れることができます。



というわけで、『受験のため!』だけではなく、みなさんが将来大学を卒業して、社会で活躍していくためにも、ぜひぜひ英語を頑張ってみてほしいです。



もちろん、好きか嫌いかには関係なく、残念ながら英語の出来不出来は大学受験に大きな影響を及ぼします。



厄介なことは、英語にせよ日本語にせよ、たくさんの文章を読み、語彙を蓄積し、それをアウトプットにまで生かすとなると、とてつもない時間がかかるということです。



誰にでもできる、ただ時間がかかる、だからできるだけ早く取り掛からなければならない、このことだけを念頭に置いていただけたら嬉しいです。





自分もまだまだ、英語は言うに及ばず、日本語でも分からない表現はたくさんあります。


その学びはあまりに多すぎて、死ぬまで続けても終わりがありません。



しかし、学ぶことに終わりがないこと、これほど幸せななこともありません。



みなさんにあれこれ言うだけではなく、自分自身も日々精進しなければならないと指導の日々の中で痛感させられます。



一緒に頑張りましょうね!!!













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