みなさんは”consolidate A”という動詞の意味を知っているでしょうか??(※みなさんが受験英語を学ぶ理由とは?)

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教室長ブログ

先日とある塾生との授業で、このような英文を取り扱いました。


 The history of nearly all Europe during this period tells with variations the story of an attempt to ★consolidate monarchy, to make it absolute and to extend its power over weaker adjacent regions, and of the steady resistance, first of the landowners and then with the increase of foreign trade and home industry, of the growing trading and moneyed class, to the exaction and interference of the crown.


『この時期のほぼ全てのヨーロッパの歴史は、様々なバリエーションはあるが、君主制★を強化し、絶対的なものにして、近隣の力が弱い地域へと勢力を拡大していこうという試みの物語であり、同時に、王の厳しい要求や干渉に対して、最初は地主が、そしてその後は海外貿易や国内産業が拡大するにしたがって増えていった商人階級や富裕層が、絶え間なく抵抗する物語でもある。(北村一真先生訳)』



ちなみにとある塾生というか、先日ついに京大A判定を叩き出した刈高生なのですが、彼はこの”consolidate”という単語を『強化する』と即答したんです。




・・・あれ?


この単語って”LEAP”(※刈高の単語帳)に載ってたっけ??、と思いつつ調べてみたらば確かに『1023』に載っていました。






ちっさ!!


こんな小さくしか載ってなかったのね!



そして彼がすごいのは、この”LEAP”という単語帳を隅から隅まで覚えているんです。



もちろん、たま~に抜けているものはありますが、それでも圧倒的な語彙力です。



そこで毎度受験生にお伝えするんですが、『鉄壁(※難関大受験生が買いがちな分厚い単語帳)なんてやらなくていい』んです。


いや、本当にコンプリートできるならいいですよ?


でも”LEAP”をコンプできない高校生が、鉄壁なんてやっても何の意味もないです。



そんなものやらなくてもいいので、まずは”LEAP”を隅から隅までやってください。



・・・って今回言いたいことはそんなことじゃないです。






【難関大はみなさんの英語力なんて何も求めていない】

ちょっと語弊があるかもしれませんが、まあ大体合っています。

だって純粋にみなさんの英語運用能力を重視するのであれば、『英検準1級以上をとるか、TOEFLやIELTSで高得点を取ってください』と要求するはずです。


何も採点が面倒くさい、『完全記述』なんて採用するわけがありません。



これを何千、何万人分隅から隅まで読んで採点するんですよ?



ということは、難関大はみなさんの英語力なんてこれっぽっちも要求していないんです。


そもそも、たかだか中学校と高校の6年間程度で、異言語である英語をマスターできるわけがないです。


山口はたまに、『受験英語をマスターしても、英語を話せるようにはならないですよね?』という質問をいただきます。


そうです。


受験英語なんてコミュニケーションにはほとんど役に立ちません。


難関大が受験英語を通してみなさんに要求しているのは、

『うちという目標のために、面倒くさい暗記を一生懸命頑張ってくれたのか?』

『英語という異言語を通して、論理的に思考できて、それを達意の日本語に訳し出すことができるか?』

これだけです。



その真意を理解し、3年という時間をかけて実行できた受験生だけが結果を出すことができるんです。




だから『英単語やイディオムを覚えない』だとか、『英文法を完璧に理解していない』、そんな受験生は難関大を挑戦する土俵にすら立っていないんです。



それが面倒くさい、やりたくないというのであれば、『その努力で行ける大学へ、目標を下方修正するしかない』ということです。



ちなみに京大にせよ東大にせよ、英語の配点は非常に大きいですし、文系理系問わず同じ問題が出題されます。


理系だから英語の問題が簡単になる、などということはありません。


むしろ英語という教科は、『数学や物理と同じように、手に入れた知識を駆使して論理的に解答を作り出す教科』なのだと言えます。






【受験生のみなさんを誤った呪縛から解放することが一番難しい】

愛知県の公立高校入試がオールマークになって、そして各公立中学校の指導もそれに準ずるものになってから、愛知県の中学生の記述力は著しく低下しました。


それはたった1時間程度の体験授業でも手に取るように分かります。


試験がマークを塗りつぶすだけでよくて、さらには昔はよく宿題として出されていた『漢字や英文の書き取り課題』が出なくなったわけですから、それもさもありなんといったところでしょうか?


これで子どもたちの学力が上がったらとんでもないことですよね。



当塾が新規入塾の条件に、『高校2年生は12月まで』という項目を加えたのもこれが理由です。



高校2年生の冬くらいに、『そろそろ本腰を入れて受験勉強を始めるか!』と腰を上げてくれた受験生に、この厳しい現実を伝えると顔面蒼白になるのです。


間に合うわけがない。



例えば、弁護士の資格を取るために必要となる時間が『6,000時間以上』と言われていますが、これにはおよそ6年かかると言われています。


言うまでもありませんが、どんなに能力が高い学習者でも、それを1年でやり遂げることは不可能です。


一方、大学受験に必要となる時間は『4,200時間以上』。


司法試験ほどではありませんが、相当な量ですし、同じく1年程度の勉強では半分にも満たないはずです。



ましてや、普段から適切な課題が出ていない高校ならばなおのことです。



高校2年生の冬まで、間違った知識や学習法を叩きこまれた受験生を、その呪縛から解き放つことは相当に難しい・・・というよりも、山口の力では無理です。



私が苦労するのは、難しい知識を伝えることではありません。



『洗脳された受験生を解放すること』、これが最も困難なことで、今はもうお断りさせていただいています。



高校2年生よりも高校1年生、できれば中学生の頃から『正しい知識を、正しい理解の基に学ぶこと』が望ましいです。



・・・とまあ偉そうなことを申し上げましたが、齢50歳の山口、実はみなさんから教えていただくこともたくさんあります。


いや、もう本当にビックリですね。



塾生のみなさんならご存知の通り、山口は授業中に結構、『え!教えてくれてありがとう!』と発することがあります。



みなさんの素晴らしい、努力の結晶とも言える記述解答を見ていると、私もまだまだ学ぶことがあるんだと日々教えられます。



そんなわけで、ちょっと話は逸れましたが塾生のみなさん、一緒に頑張りましょう。



そしてみなさんが目指している難関大に合格するためには、膨大な時間と労力、そして忍耐が必要になります。


だけどだからこそ、その目標を達成した時の喜びや、その後の人生で手に入れるものは大きいのだと思います。



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