保護者様へ
今日はいろいろ考えさせていただくことがありましたので、筆に任せて思うがままに書いてみようと思います。
いつも以上に乱筆乱文となるかもしれませんので、あらかじめご了承くださいませ。
今回お話させていただくのは、現塾生の保護者様のお話ですので、可能な限りの範囲で共有させていただけたら幸いです。
現在刈谷高校に通う高校1年生の塾生の保護者様なのですが、彼が入塾してくれたのが中学1年生の冬のことでした。
元々成績も悪くはなく、順当に勉強してくれたなら、西尾高校は行けるというところで、ちょっと厳しいけれども頑張れば刈谷高校にも手が届くといった感じでした。
ただし中学1年生でしたので、その後いい方向に進む可能性もあれば、悪い方に転がる可能性も十分にありました。
最初の面談でいろいろお話をさせていただいたところ、どうやらお父様とお母様が勉強に関して厳しく言い過ぎてしまうことが多々あるとのこと。
もちろん、一番間近でお子様を見ている保護者様からすれば、受験に残された有限の時間を考慮するならば焦りも出るでしょうし、ついつい厳しい言葉が出てしまうことも無理からぬことです。
しかしこれははっきりと言わせていただきますが、勉強に関するご両親の厳しいお言葉は、百害あって一利なしです。
これは『厳しく指導しないでください』と言っているわけではありません。
学習とはそもそも辛く厳しいものですので、大変なものであることは前提です。
目標に向けてやると決めたことを、ご本人の怠惰でやらなかったのであれば、それは厳しい指導が必要です。
もう当塾なんて、『やる気がないならやめてしまいなさい』のスタンスですし、サボっているお子さんにはガンガン厳しくしてほしいくらいです。
ただし、『本人が一生懸命頑張ったのにできなかったこと』については、全力でフォローしてほしいのです。
お子様は今まさに成長の真っただ中にあります。
未熟ながらももがきながらいろんなことに挑戦し、できなかったことが少しずつできるようになっていきます。
そんな時に頭ごなしに怒られてしまったら…しかもそれが一生懸命頑張ったことに対してだったなら、やる気など起きるわけがありません。
…と、この話はおそらく終わりがないのでひとまずこの辺で。
とにかく!
こちらのお父様お母様にはやんわりとそのことをお伝えしました。
こればっかりは各ご家庭の教育方針になりますので、私からずかずかと踏み込むわけにはいきません。
しかししばらくしてから、お父様とお母様と再び面談をさせていただいたときに、驚きのご報告をいただいたのです。
なんと、『これからは今までのようにガミガミ言わないこと』をお子様と約束されてなおかつ、『これまでのことは自分たちが間違っていた』ということを伝えて、謝られたとのだそうです。
これは…本当にすごいことだと思います。
ご両親がお子様に非を認めて、謝罪をするというのはとてつもないエネルギーが必要となります。
だけどその効果は絶大です。
ご両親が彼と同じ目線まで降りてきて、一緒に悩んでくれるわけですから、彼も心強く感じたでしょうし、一人の大人として認められたことを実感できたのではないかと思います。
そしてそこからは順風満帆…と言いたいところですが、何度も何度も壁にぶつかりました。
特に山場は一番大切な中学3年生の1学期と2学期、成績ががくっと落ちてしまいます。
学年で40番くらいまで下がってしまい、そこだけ見るならば刈谷高校はかなり厳しいことは明らかでした。
ご本人はもちろんご両親も、ついでに山口もものすごく不安になりましたが、相変わらずスタンスは変わりませんでした。
山口に限って言えば、(もうこれだけ頑張ったのだから、刈谷高校に落ちても、大学受験で挽回できる)と無責任に思っていました。
もちろん、彼には『絶対に刈谷高校を諦めないように!』と言い続けましたが。
何はともあれ、もちろん第一志望合格を勝ち取ったのは彼本人の努力の賜物なのですが、その陰には、お父様とお母様の並々ならぬ決意とご尽力があったと思っています。
ご自身の非を認めて、ましてや我が子に謝るというのはとてつもないエネルギーが必要だったはずです。
でも、その努力対効果は、それを補ってあまりあるものだったと思います。
もちろん、繰り返しになりますが、何でもかんでも認めて優しくしてくださいと言っているわけではありません。
それはただの甘えであり、過保護なだけです。
定められたルールを破ること、自分の目標のための努力を怠ること、社会通念上間違っていることに対しては厳しいご指導を望みます。
ただ、一生懸命頑張ってできなかったことに対しては、厳しいお言葉は逆効果になってしまうことを改めてご確認いただけたら幸いです。
自分の話で大変恐縮ですが、自分のせいとは思ってはいますが、やはり中学2年生の時に数学の先生(しかも担任)に、『おまえが行ける高校はない』『おまえがいるとみんなに馬鹿がうつるから来なくていいぞ』『こんなのも分からないって…おまえ本当に勉強してんのか?』はやはりきつかったですね…。
人のせいにしてはいけませんが、これで数学が大嫌いになりましたし、彼の言葉は生涯忘れることはないでしょう。
でもまあ逆に、彼のおかげで人よりも英語や国語は頑張れたので、それはものすごく感謝しております。
話を元に戻します。
なんだかんだ言っても、お子様が最後に頼りにしているのは絶対にお父様お母様です。
学校の先生でも、お友達でも、ましてや塾の講師などでは絶対にありません。
もちろん、『学習指導』という専門的な分野は学習塾や予備校に丸投げしていただいて構わないのですが、最も大切な精神的支柱は絶対にお父様お母様です。
だから、厳しいお言葉も優しいメッセージも、全力で伝えてください。
お子様の背中を押してあげて、時には一緒に悩んでほしいですし、もしもご自身が間違っていたと思ったら、迷わずお子様に謝罪の気持ちをお伝えしてください。
繰り返しになりますが、大切なお子様のよすがは間違いなくご両親です。
さて、そんな彼ですが刈谷高校のレベルの高い授業に、今まさに壁にぶつかっています。
ですがまた無責任に言わせていただきますが、『絶対に大丈夫』です。
これまでの卒塾生と同様、きっと第一志望に合格できると自信を持っています。
…というわけで時間が来てしまいましたので今日はこの辺で!
まとまりがない文章になってしまいましたが、砂塵ほどでも伝われば幸甚に存じます。