一通りですが今年の国公立記述対策が終わりました

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教室長ブログ

いや~今年は本当に凄まじいきつさでした・・・。



ちなみにこれはごく一部です。



とある難関大は記述のオンパレードなので、添削も膨大な量になってしまいます。

ですので、山口の手書きでは見づらいので、Wordでまとめることもあるのですが、とある塾生の添削解説はなんと『45,000字』を超えてしまっていました!(※英語・現代文)






45,000字って原稿用紙112.5枚分ですからね。



自分の卒論より多いという…(※ちなみに山口が所属していたゼミの卒論は40,000字以上が条件でした。めちゃくちゃきつかった…)



でも本当にありがたいです。


みなさんの素晴らしい記述解答を読ませていただいて、その都度頭の中で(こうなのかな?ああした方がいいのかな?)と思案するとき、山口自身も大きく成長させてもらっていることが分かります。



ですので、『今年度は一番きつかった』とは言ったものの、自分にとっても一番成長できた1年でした。



まだ受験が終わったわけではありませんが、本当にありがとうございました。



最後の最後まで教室に来てください!




【英語の読解力を高めるために】

①とにかく語彙力を増やす

②とにかく返り読みをしない


③文法は100%にする



まあ月並みなんですけどね。



①についてはもう言うまでもありませんが、常に『自分の知識量などたかが知れているんだ』と思うことです。

私も日々新しいことを学んでおりますが、もちろん毎日新しい発見があります。


というよりもそれは死ぬまで続くでしょうし、知識量が完全に満たされることはありえません(※それはノーベル賞を受賞するような科学者とてそうです)。



そしてみなさん、日本語を覚えようとしている外国人のことを想像してください。


彼らが『日本語をマスターしたいけど、単語は覚えたくない』なんて言ってたら、(何をバカなことを・・・)と思うはず。


それは英語でも同じです。



例えば昨日のブログで紹介した『make of A =Aを解釈する』『make A of B Aの本質がBであると解釈する』なんてまず普通の大学受験では出ません。


しかしいわゆる難関大とされる大学では、ちらほら出題されています。



『そんなの受験では出ないから覚えても無駄だよ!』と思うのか、はたまた


『この単語を知ることで、自分の知識が増えて、読解力がまた上がる』と考えるのでは大違いです。


一事が万事とは言いますが、それは英語だけではなく他の教科にも波及的に影響を及ぼします。




②とにかく返り読みをしない


例えば西尾駅で、困っている外国人がいると思います。

あなたはその外国人に話しかけられます。


『ワタシ・・・イキタイです・・・ナゴヤに・・・でも分からない・・・どの電車に乗ればいいのか・・・ワタシ嬉しいです・・・どれに乗ればいいか・・・教えてもらえたら・・・』

もしかしたらこんな風に言うかもしれませんね。


もちろん、あの人たちは頭の中で、英語で考えたことを日本語で話しているからこのような語順になっています。




I’d like to go to Nagoya, but …, I don’t know which train I should get on. I’d appreciate it if you tell me which train I should.



日本語は主語から始まり、最後に動詞が来る。


英語は主語から始まり、その次に必ず動詞がきて、目的語やその他の情報は後についてくる。



日本語と英語にはこのような決定的な違いがあります。


しかしながら公立中学校で英語の授業を受けるみなさんは、あたかも漢文かのように『主語の後、文末まで飛んで下から上に読む』という、何とも奇天烈な学習法を叩きこまれます。



I’m going to America to learn English.


もちろん、左から右に読むならば、

『私は行くつもりです、アメリカへ、英語を学ぶために』と情報処理しなければなりません。


ところが、もちろんそんな日本語を書いたら×になるので、


『私は英語を学ぶために、アメリカへ行く予定です。』を鬼のように叩き込まれてしまいます。



この程度の文章ならばそれでも全然いいのですが、問題は英文がとんでもなく長くなったとき、返り読みではまったく対応できなくなるのです。

I thought, too, of the image of the mule as it appears throughout a well-known American novelist’s work, how he associates the beast always with the poor and makes of it a symbol of patient intelligence and stubbornness in the face of suffering.(昨日紹介した英文)


断言しますが、この英文を後ろから読んでも、永久に読解できる日はやってきません。



実はこの文章、ただのSVO構文です。

I bought these book, pen, and notebook at Seibunkan books.


とまったく同じ。

ただ単語が難しくなって、単語数が多くなっただけです。



ところが『私は精文館書店で、これらの本とペン、ノートを買いました。』と訳すように叩き込まれてしまった高校生は、この難文に対峙した時に手も足も出なくなります。



果たして私たちが日本語の文章を読む時、『なんか読んでみたけどよく分からなかったから、今度は下から読んでみよう』なんてことをするでしょうか?


しないんです。




【とはいえ、正しい日本語を読み書く力は必須】

そうは言うものの、先ほどの英文を頭から訳しだして解答欄に記入したら100%ゼロ点です。


I thought, too, of the image of the mule as it appears throughout a well-known American novelist’s work, how he associates the beast always with the poor and makes of it a symbol of patient intelligence and stubbornness in the face of suffering.


『私はまた、考えた、ラバのイメージについて、そのラバが至る所に登場する、ある有名なアメリカ人の小説に、どのようにして彼が関連付けているのか、その野獣といつも、貧しい人を、そしてどのようにラバを、忍耐強い知性と頑固さの象徴と解釈しているのか、困難に直面している。』


多分採点者はこの先の解答を一切読んでくれないでしょう。



だから私たち受験生は、『英語を英語のまま理解する力』と『それを正しい日本語に書き換える力』の両方が求められています。



厳しいことを言わせていただくならば、旧七帝大一工のような超難関国公立大学は、『英語だけできる帰国子女は門前払いする』と言っているのです。



ですので難関大を目指すみなさんは、英語云々の前に、同時に高度な日本語の文章を読み、自分で文章を書けるようにしなければなりません。



そのために、何か都合の良い、読解や記述の小手先のテクニックがあるわけではありません。


みなさんは前提として、膨大な量の日本語を読み、そして自分でも実際に書いてみて、それを誰かに添削してもらうというプロセスが必要になります。






『実際に書いてもいない、それどころか毎日読んですらいない』


この状態で日本語の読解力や記述力が向上するわけがありません。


ましてや、オールマークになってしまった愛知県の公立高校入試、よほどの自主性が備わっていないと、自ら読み書く中学生はなかなかいないでしょう。



次の文章は、山口が日本で一番難しいと思っている『早稲田大学法学部』の現代文です。


≪他者の顔は、〈私〉≫が望むか否かに関わらず、それ以前にスピークアウト(言語行為・発話行為)の力を持って〈私〉に自らを強要してくる。顔の歓待は、〈私〉の選択の自由に関わりなく、受動的な感受性ー「受動性より受動的な受動性」―、つまり可傷性において起こり始めている。この倫理的な関係を、自己意識、自由、自我、現前などの西洋哲学を支配してきた一連の概念から解放するためにレヴィナスは、・・・(以下、これが20倍くらいの分量で続いていきます≫




もちろん、これをいきなり読めるわけがありません。



この文章を読むためには(少なくとも早稲田の法学部を受験するような受験生は)、真摯な態度で、毎日毎日愚直なほどに、たくさんの文章に目を通し、分からない単語があればそれをすぐに調べるという勤勉さが求められます。



私の専門は現代文なのですが、残念ながら『簡単に難文を読解し、文章を書けるようになる小手先のテクニック』を知っているわけではありません。



その代わりに、世の中の現代文の教師や講師が言うような、『読解力はある程度先天的に決まっている』などということも言いません。



みなさんが毎日一生懸命文章を読み、探求心を持って自ら文章を書いてくれるならば、みなさんの読解力と記述力は確実に上がります。



ただものすごい時間と労力はかかります。



本気で難関大を目指すのであれば、『文章を読み、自分で書く』くらいの覚悟は持ってください。



そして当塾の現高校2年生にはっきりとお伝えしておきますが、みなさんにはもうほとんど時間が残されていない。



スマホなんかを見る暇はないし、はっきり言って休む暇もない。



よく、『休むことも必要ですよね?』という質問をいただきますが、もちろん休息は必要です。


でもその休息とは、『一日も欠かさず、平日4時間、休日12時間以上勉強して、その勉強の合間に10~15分ほど取るもの』のことであって、丸一日だらっと休んでもいいというわけではありません。



毎年恒例ですが今高校2年生のみなさん、現時点で第一志望に合格できそうな塾生は2人しかいません。



毎日勉強しなさいよ。


そんなこと、当たり前でしょう?


いや、そりゃあね?もちろん毎日勉強してるでしょうよ。


だけど『第一志望の大学に合格するための勉強』って、そんな生ぬるいものじゃないでしょう?



ダラダラ肘ついて単語帳を眺める、そんなのを勉強とは言えないでしょう?


そんな勉強で難関大に合格できると思っているのであれば、その大学や、本気でその大学を目指しているライバルに失礼ってもんです。



というわけで、高校2年生は毎日自習に来ること!(※西尾市内在住の高校生に限りますが)

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