時代に逆行しているようですが・・・
ありがたいことに、今年は当塾としては珍しく、数件のお問合せを頂戴いたしました。
当塾は世にも珍しい、『新規高校3年生は一切お断り』のスタイルを貫いているので、毎年夏場のお問合せはほとんどありません。
世の中の大手学習塾は、『もう後がない、切羽詰まった高校3年生をターゲットにしている』ため、1年のうち、夏の集客を一番に見込んでいるところがほとんどです。
ただ残念ながら、『夏から大学受験対策の準備をする』ということは、『たったの半年で、共通テストの6教科8科目、私立や国公立二次対策に取り組む』ということを意味しており、まずうまくいきません。
毎回同じ例えで恐縮ですが、『30分でフルマラソンを完走しろ』と言っているのと同じで、そんなことはフルマラソン世界記録保持者、キプチョケ選手でも不可能です。
それでも、塾に行かないわけにはいかないので、『毎月10万円を超えるようなお月謝、プラス夏期講習や夏合宿で100万円以上』などという何の意味もないものに大金を投じなければならなくなってしまいます。
私は常々、『大学受験対策には4,200時間以上かかるから、高校1年生の4月から、願わくば中学生からその対策に取り組むべき』、と申し上げておりますが、自分でもびっくりするくらい親切だと思っています。
本当に理不尽なのは、『絶対に間に合わない!』と分かっているのに、もう後がなく切羽詰まった高校3年生と保護者様に、こなせないほどの授業や講習を、受験生価格の高額月謝で提案する悪徳学習塾の方です。
とはいえ、私が今回言いたいことはそういうことではありません。
【本当に申し訳ございません】
本当に断腸の思いではありましたが、先月から今月にかけて複数のお問合せをいただきましたが、3名はお断りさせていただきました。
理由は、『おそらく当塾の厳しさとは相性が良くないだろう』と判断させていただいたからです。
塾生や保護者様はご存知の通り、当塾では
・教室内でのスマホは一切禁止
・教室内での私語は、学習に関する内容であっても禁止
・居眠りは船を漕ぐくらいのものでも禁止
・離席は40分まで(※これも長すぎるので、今後はもっと短くしようと思っています)
これが最低限のルールで、授業態度が悪かったり、学習姿勢が悪かったりした場合は注意させていただきます。
また、宿題や課題の達成率が低い、自習にほとんど来ない(※西尾市在住の中高生に限ります)などの場合も厳しくお声がけさせていただきますし、それでも改善が見られないのであればご退塾いただいております(※残念ながら毎年2、3名は退塾者が出ており、今年もすでに1名おやめいただいております)。
我ながら時代に逆行する、本当に厳しい塾だと思っています。
なお、こういった厳しいルールを設けたのは都築先生でして、都築先生がこのルールを提案してきた時、恥ずかしながら自分は反対しました。
『こんな厳しいルール作ったら誰も来てくれないよ!』
そうなんです。
私も大手学習塾でどっぷり漬かってしまい、前職を退職したばかりの頃はバリバリの営業マン。
何はともあれ、とにかく『来るものは拒まず!誰でもいいから入塾してもらう!』というスタイルでした。
ところが開校して半年、待てど暮らせど問い合わせは一切なし。
もう本当に『これは終わった…』と思っていました。
ところがこの厳しいルールを設けてから、驚きなことに問い合わせが激増したのです。
当然ですが、この厳しいルールに賛同していただけた保護者様、また、『この厳しい環境で一生懸命頑張りたい!』と思ってくれた中高生が当塾を選んでくれたからです。


(8月4日の教室の様子)
その昔、サ〇ルさんが愛知県に進出してきたころ、当時はサ〇ルさんも『入塾試験』などを設けて、一定数の学力に届いていない中学生は入塾できなかったのだそうです。
今は違うようですが。
そうなんです。
普通に利益のことを考えたなら、入塾の制限なども設けず、厳しいルールも作らず、誰にでも来てもらった方がいいですからね。
しかしうちはこの時代錯誤なやり方を貫いていきます。
デジタルデバイスがどれだけ中学校や高校に浸透しようが、この空間では一切触ることは許しません。
世の中の試験がどれだけマーク一辺倒になったとしても、『文章を読み、自分の言葉で書く』という当たり前の学習の基本を貫きます。
だからこそ、当塾の卒塾生達はものすごい合格実績を積み上げてくれたのです(※もちろん、塾生諸君のたゆまぬ努力によるものであることは言うまでもありません)。
ただし、それは当塾の指導理念であって、もちろん万人に当てはまるとは思っていません。
私個人は、東〇さんや武〇塾などは(本当にひどい塾だな・・・)と思ってはいるのですが、もちろんそこでものすごい結果を出す受験生もいるわけです。
難関大の合格実績で見たならば、東〇さんは圧勝ですからね。
ですので、『僕は東〇がいい!』『わたしは武〇塾で頑張りたい!』というのであれば一切否定はしません。
受験生が100人いたら、性格も考え方も、目標も何もかも100通りなのですから。
だからご自身が『自分にはここが合っている!』と思ったところを選んでほしいです。
そしてもちろん、私から見ても(多分うちには合わないだろうな・・・)と判断させていただいた場合はお断りさせていただくこともあります。
それについてはお子様が悪いわけではありませんし、もちろんうちに非があるわけでもありません。
ただ単に、『合うか合わないか?』というだけの問題です。
そしてもしもうちを選んでいただけたのであれば、ルールは絶対に守ってください。
なぜならこの空間には、自ら厳しい環境に身を置き、目標に向かって全力で頑張る他の塾生たちがいるからです。
そしてもちろん、塾生諸君のお母様やお父様も、この環境を信頼していただいた上で、安くはないお月謝を払ってくださっています。
本当に申し訳ございませんが、再三のお声掛けでも改善が見られなかった場合は、現生徒でもおやめいただいておりますので、そういう塾なのだとご理解いただけたら幸いです。