思い出話

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雑談

去年の卒塾生の話です。

 

 

この塾に来る前、山口は某大手学習塾にいたのですが、その当時とある中学生の女の子を見させていただいていました。

鶴中の女の子でとにかく勉強が大嫌い!

成績も鶴中でほぼ300番前後で、成績的にはなかなか厳しいなと思っていました。

 

 

あ、もちろんこの話、ご本人の許可をいただいております。

春先にもちょこっと紹介しましたが、その時も写真付きでブログ書かせていただきましたし、本人も見ています(笑)。

 

話を戻しまして。

成績はさておき、とにかく明るくて素直な性格でした。

 

本人は英語と数学が大嫌いだったことと、受験まで残りの時間があまり残されていなかったことを考慮し、社会中心の学習に切り替えました(もちろんその他の教科もやりながらです)。

 

そこで山口、今でも覚えていますがプリント200枚分を年末に渡したのです。

『1日10枚やれば20日で終わるよ。ただし3周はしてね。』

 

かくして彼女は本当にそれをやりきり、見事第一志望に合格したのでした(ただ、世間一般でいういわゆる進学校ではありません)。

 

当時の塾では3月の終わりに継続するかどうかの面談をやっていたのですが、彼女はすごく明るくこう答えました。

 

『もう疲れたし、とりあえず勉強はいいやー!山口さん、また遊びに来るね!』

 

みたいな感じでしたね。

『もし大学とか行きたくなったら、すぐに塾に電話しなよ!』と伝えたのですが、『美容師の専門学校に行くから大学は行かないよー!』と返ってきたのを覚えています。

 

そして彼女は塾を辞め2年・・・ついでに山口も現塾へ移ってきて、ある寒い冬の日にばったり西尾のスギ薬局で彼女に遭遇したのでした。

ほんのちょっとだけ立ち話をしたのですが、相変わらず大学進学は考えていないとのことで、元気でやっていること、山口が今の塾に移ったことなどを話しました。

 

そしてまたしばらくして・・・。

 

当時ガラガラの教室で黙々とブログを書いていたときに、勢いよく教室のドアが開きました。

 

『先生来たよー!』

 

もう本当に、当時の教室は水を打ったような静かさだったので、心臓が飛び出るくらいびっくりしたのを覚えています。

アポなしで、しかもお母様もご一緒でした。

 

『この子が急に大学に行きたいと言い出したので、先生のところでお世話になろうかと思って・・・。』

 

 

ちなみに当塾、何名か前塾の生徒が訪問に来ましたが、ほとんどお断りしました。

彼女の場合、前塾をやめてすでに2年が経過していたことと、こちらから働きかけたわけではなかったので、入塾をOKとさせていただきました。

 

いや・・・やっぱりね、そういうのはよくないのでね・・・。

しかしながら入塾はOKとしたものの、元々進んだ高校も進学校ではありませんし、何と偏差値が30ちょっと・・・。

冗談抜きで『be動詞ってなんでしたっけ??』という状態でしたので、英語の鬼、都築先生に担当してもらいました。

 

 

ま~その後はすごかった!

山口は誰かれ構わず、口を開けば『1日10時間くらいやりなよ。』というのですが、彼女の場合は逆に『いや・・・稲垣さんはちょっと休んだ方が・・・。』と言ってしまうくらい勉強しまくっていました。

 

最初の面談で、『こりゃ~1日10時間コースだね!』と言ったときも、『どうやれば1日10時間勉強できますか??』と聞いてきたくらいでして・・・。

 

毎朝5時に起きる、朝ご飯まで勉強、通学の電車の中でも勉強、学校まで歩いて行く間も勉強(※危ないので真似しないように!)、放課の時間も勉強、17時くらいには教室に来て勉強、ラストの22時に帰宅・・・。

 

なんてタイムスケジュールを自分で組んで、本当に最後の最後まで続けたのです。

春のブログでも書きましたが、彼女は・・・もとい彼女たちは、入試の当日もテストの用紙を持ってきてテスト直しと質問をしていたのです。

 

今年と違って去年は高校3年生が非常に多く、気が付けば高校3年生は全員そんな感じで勉強していました。

 

 

もちろん本当はね、高校1年生2年生の頃から計画的に学習して、そんなきつい目に合わないようにするのが一番いいんです。

でも、これはこれですごいですよね。

 

都築先生の鬼のような指導にもめげず、第一志望には届かなかったものの、その他は全勝でした。

『be動詞ってなんでしたっけ?』と質問していた稲垣さんが、最後の方は『このthatは接続詞じゃなくて、同格のthatですよね??』なんて質問をしてくれるのですから、やる気になった時の人間の成長する力には本当に驚かされます。

 

そんなわけで最後の日・・・。

彼女とお友達ですね。

2人とも毎日並んで座って、一言もしゃべらず勉強していました。

 

 

いや・・・もうちょっと、思い出すだけで目から汗が・・・。

 

なんだか彼女達、進学校じゃなかったので、放課の時間とか勉強してたら、周りの友達からかわれてたのだそうです。

誘惑も多かったそうですが、この年頃の女の子が、それらを振り切って一生懸命勉強するのは、ものすごいエネルギーが必要だったと思います。

 

そんなわけで、当塾には医学部医学科や早慶上智のような難関校を目指している中高生もいれば、学習習慣はなかったけれども、そんな自分を受け入れて、目標のために一生懸命勉強している子達もいます。

 

 

ちなみに・・・山口は後者タイプなので、本当に気持ちがよく分かります(笑)。

もしこれを読んでいる諸君が後者のタイプなら、君を誘惑するもの、邪魔をするもの、かなぐり捨てて勉強してほしいです。

 

だって君の行きたい大学や高校のためでしょう??

特に行きたい大学がないってんなら、別に勉強なんてしてもしなくても構いません。

 

だけどもし目標とする学校があるのなら・・・今の自分では届かないのであれば・・・

なりふりなんて構っていられないでしょう??

 

勉強の質だ、時間がどうだとかどうでもいいので、とにかくやることです。

今まで多くの受験生とお話をさせていただきましたが、『もっと時間が欲しかった』という生徒はいても、『勉強やりすぎて時間を持て余した』なんて生徒にはお目にかかったことがありません。

 

東大に合格するような秀才も含めてね・・・。

 

どれくらいの努力や学習が必要なのかは人それぞれだとは思います。

駿台模試の偏差値が70を超えるような秀才が、偏差値60くらいの大学を受けるというなら、一日4時間くらいの勉強でもいいかもしれませんが、偏差値40くらいの受験生が偏差値50の大学を受けるのならば、一日10時間でも全然足りないくらいです。

 

今の学年、自分の学力、志望校の難易度も十分に理解した上で、自分のための学習をしてくださいね!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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