昨日高校2年生からいただいた質問2つについて
う~む…、つい1・2週間前は教室がパンパンになるくらい塾生が通いつめてくれたのに、ここ3日間はガラガラです。
理由ははっきりしていて、多分期末テストが終わったからなんでしょうが、先日のブログでもお伝えした通り、テスト前だけしゃかりきに頑張って、テストが終わった瞬間に学習量がゼロになるくらいなら、そんな勉強はやってもやらなくても同じです。
どうせきれいさっぱり忘れてしまいますから。
みんなが気が緩んでしまうテスト直後に頑張ってこそ、本当の力をつけることができます。
まあただ、こればっかりは本人の意志によるものですので、自分の強い意志で頑張ってください。
そんなこんなで、昨日は高校2年生から英語の質問を二ついただいたのですが、高校生で英語を頑張っているみなさんにはぜひ共有していただけたらと思います。
【I’m sorry to have kept you waiting .をI’m sorry to have kept waiting for you .とは言えないのか?】
結論から申し上げますと、言えません。
何となくネイティブには通じるかもしれませんが、(あぁ、それは間違ってるよ)とはっきり認識されるはずです。
とはいえ、一瞬ですが山口の頭も???となりましたが、原因は分かりました。
おそらくこちらの塾生は、”I’ve been waiting for you .”(あなたをずっと待ってます。)と混同してしまって、”waiting for you.”と言えないのだろうかと疑問に思ったのだと思います。
ただこの文章、肝になるのは”keep”の文型です。
正しい文章”I’m sorry to have kept you waiting .”の”kept”は5文型ですので、しっかりと”kept(V) you(O) waiting(C).”直訳するならば、『あなたを待たせている状態にし続けたことを申し訳なく思っています。』となります。
だから”kept”の直後には絶対に目的語、今回の場合ですと”you”が必要です。
またこちらの塾生を混乱させた理由として、”I’m sorry to have kept you waiting for a long time.”という場合もありますので、どうしても自動詞”wait”に”for”を付けたくなってしまったのだと思われます。
いずれにしても!
5文型をしっかりと理解することは絶対にマストです!
(塾生かどうかは関係なく)高校生諸君!すごく短い文章ですが、次の文章が訳せるでしょうか??
①”I had my car repaired.”
②”I had my hair cut.”
①を『私は修理した車を持っていた。』とか②を『私は切った髪の毛を持っていた。』と訳していたら、かなり危険信号だと思ってくだささい!
もちろん、日本語としてもおかしいのですが、上記の文章の”have”は、先ほどの”keep”と同じで5文型で使われています。
5文型の概念は、『OをCの状態にする』ですし、”have”の場合は使役になりますので、
①”I(S) had(V) my car(O) repaired(C).”直訳『私は してもらった 私の車を 修理した状態に。』⇒『私は車を修理してもらった。』②はもちろん、『私は髪を切ってもらった。』となります。
何がまずいのかというと、この単元は高校1年生の4月に終わる内容ですし、いかんせん見た目は簡単そうに見えてしまうので、ついつい軽視してきちんと理解しないまま時間が過ぎている場合が多いということです。
ちなみに次の文章も使役の”make”の文章です。
“There was another girl with her , an oriental girl who moved so gracefully in her blue , sleeveless dress she “made” the tall blonde Henry had previously thougt incomparable look stiff and awkward .”
上記の①や②が訳せなければ、当然この文章は訳せないはずです。
私が見ていても、公立高校の授業の進度は非常に早く、早いことそのものは問題ではないのですが、肝心の生徒諸君がついていけていない例が散見されます。
5文型というものは、英文読解においては肝中の肝で、知らなければ当然英語の文章など読めるはずもないのに、どういうわけだか高校1年生の4月の第3週目には終わってしまっています。
重ねて警告いたしますが、先ほどの①と②が訳せなければ、共通テストレベルの簡単な長文も訳せません。
①と②の訳がうまくできなかった高校生のみなさんは恐れることなく、ForestやBreakthroughの最初のページを開いてください。
遠回りに感じるかもしれませんが、結局は一番の近道です。
【at the mercy of ~はなぜ『~のなすがままに』なのか?】
これもいい質問ですね!
もちろん、受験的には『丸暗記してくれ!』となるのですが、それでは身もふたもないので掘り下げて説明させていただきます。
そもそも、”mercy”は『慈悲』という意味なので、どう考えても『~のなすがままに』とはならなさそうな感じです。
これについては都築先生がこう言っておりました。
そもそもキリスト教では、どんな大罪を犯しても、神に祈りを捧げることで許される可能性があるのだそうです。
つまり、生殺与奪の権を神様が気まぐれにもっており、『慈悲次第では、あんたの罪許してやってもええで』という感じなのだそうです。
だから『~の(気まぐれな)神様の慈悲次第で』という感じで、『~のなすがままに』という意味になるのだそうです。
なので、”I’m always at the mercy of my wife.”なんていうと、『私はいつでも奥さん(神)の言いなりです。』みたいな感じになるわけですね!
というわけで、これから授業ですので本日はこの辺で!
もっとガンガン質問に来てくださいね!