中3の女の子の鋭い質問”Playing baseball is fun.”と”To play baseball is fun.”は同じなのか?
たった今、中学3年生の塾生の女の子からすごくいい質問をいただいたので、共有させていただけたらと思います。
【①Playing baseball is fun. と ②To play baseball is fun.はどちらの方が良いのか?難易度★】
この質問、すごくいいですね!
多分中学校では、『どちらでもいいよ~。』と教わっているはずなのですが、それでも疑問に感じるという探求心が素晴らしいと思います。
厳密に言えば①の方がよくて、②は間違いではないけど避けたほうがいいです。
理由ははっきりとしていまして、もちろん②の不定詞には、名詞的用法もありますので、『野球をすること』と訳せますが、不定詞”to”の性格上、『これから起こること』『一回限りの行動』も含んでいるので、ただ単に『野球をすることは楽しいです!』だけなら、①の方が適切です。
【難易度★★】
ここから先は高校文法になりますが、例えば”decide to”は『(これからすることを)決定する』という意味ですし、”plan to”も同様に、『(これからすることを)計画する』という意味ですので、”to”という前置詞、または不定詞には『未来のイメージ』がどうしても入ってしまいます。
また高校生を混乱させる”remember to”は『(これからすることを)覚えておく』ですし、”remember ~ing”は『(すでにしたことを)覚えておく』でしたね!(高校1年生のみなさんは改めて確認しておいてください)。
【難易度(個人的に…)★★】
またもう少し掘り下げると、
①I prefer staying home to going out.
②I would prefer to stay home rather than go out.
どちらも同じようですが、厳密に言えば違います。
①は(習慣として)、『外にでかけるより、家にいる方が好きです。』と言っているのに対して、
②は(一回限りの行為、例えば『(今週末は)外に出かけるより、家にいる方がいいな~。』みたいなニュアンスになります。
“prefer~to~”は単体なら『動名詞』を取りますし、”would prefer ~ rather than~”の場合は必ず不定詞になります。
…と、これに関しては知らない高校生も多いのではないかと思われます。
多分授業でも教えていないのではないのでしょうか?
もう少しさらに掘り下げるならば、”would”という助動詞は”to”との相性が非常に良いです。
中学3年生以上ならみなさん知っているはずの”would like to~”『~したい』は、間違っても”would like ~ing”とは言いません。
もし混乱しそうなら、『”would”は不定詞と相性がよい!』と覚えておいてくださいね。
最後にもう一つ、①と②をしっかりと使い分けた方がいい理由を説明させていただきます。
【③To listen to the song is to love it .はどういう意味??難易度★★】
結論から言いますと、『その曲を聴くことは、その曲を愛することです。』ではありません。
なんだか哲学みたいですよね(笑)。
答えは『その曲を聴いたら、きっと好きになりますよ!』。
文法的な説明をするならば、主語が”to 不定詞”で、補語も”be to 不定詞”を取った場合、全体の文章は『仮定法の条件』と同じになるのです。
ということは、話し手が②のように”To play baseball is …”と切り出したら、もしかしたら聞き手は(”~すること”なの?それとも”もし~したら”なの??)と混乱してしまうかもしれませんね。
いや、それは勝手に山口が思っていることですので実際はどうなのか分かりませんが、とにもかくにも、ただ単に『~することは』と言いたいのであれば、動名詞”~ing”で統一した方が良いかと思われます。
というわけで、今回中学3年生の女の子が持ってきてくれた質問、おそらくほとんどの中高生は意識すらしないような内容だと思いますし、実際に中学校でもそこまでの違いは指導されていないと思います。
でも、こういうシンプルことに疑問を持つことが、文法を掘り下げて理解していくことにつながりますので、中高生諸君は恐れずに、些細なことでもどんどん質問してほしいです。