副詞句が強調される場合の強調構文
さて続きです。
何やら日本語だと分かりにくいと思いますので、山口が実際に遭遇した実例を紹介させていただきます。
実はその昔、ネイティブさんがたくさん勤務している某外語学院でお仕事をしていたことがあったのですが、ある日曜日を間違えて出勤してしまいました。
その週は金曜日に出勤しなければならなかったのに、うっかり木曜日に出勤してしまったのです。
その時に言われたのが”It is on Friday that you are supposed to come here this week!”でした。
日本語にするならば、『金曜日ですよ!あなたが来なければいけないのは!』みたいな感じでしょうか?
もちろんこの文章、普通に書いたならば②”You are supposed to come here on Friday this week.”となるのでしょうが、それだと『あなたがここに来なければならないのは金曜日です。』となります。
①『金曜日ですよ!あなたがここに来なければならないのは!』
②『あなたがここに来なければならないのは金曜日です。』
どちらが気持ちが入っているように聞こえるでしょうか?
ここでそのネイティブの事務員が強調したかったのは、『金曜日ですよ!』であって、『あなたがここに来なければならないのは』ではありません。
先の『進撃の巨人』の例文でも、先に強調したいのは『アルミン』であって『夜中に移動するアイディアを思いついたのは』ではありません。
だから先のブログで『強調構文は何かを強調したいという気持ち』だと紹介させていただきました。
小難しい文法で考えると訳が分からなくなるので、簡単な例文をいくつも目にして慣れてほしいです。
ちなみに先ほどの文章、”It is on Friday that you are supposed to come here this week!”ですが、”on Friday”という前置詞の塊が『副詞句』と呼ばれています。
まあ分かりにくければ、(”It was on Friday”てなんか変な感じがするな…。強調かな??)くらいでOkです。
ついでにもう一例、実はこの『進撃の巨人』、ニュースにもなりましたが先週完結したのです。
その最新号を買うために、本屋という本屋、コンビニというコンビニを探し回りましたが見つからず…。
結局インターネットでしかゲットできませんでした。
これを強調構文で表すならば、”It was only on the internet that I could get the latest Attack on titan….”といった感じでしょうか??
『ネットだけだったよ!進撃の巨人の最新号がゲットできたのは…。』みたいなニュアンスです。
『なんだ!強調構文って超簡単じゃん!』と思われるかもしれませんが、ところがどっこいこれが難関大学の問題となるとこうなります。
“The action of baseball, then, can be conceived of as a series of travels by individuals who attempt to leave home and make a circuit through a social field marked with obstacles. (ここからが強調構文!) It is not getting through the field itself that scores, however , but returning safely home.”
そう…、山口が考える程度の例文や、アニメのセリフくらいならまあ何とかいけるでしょうが、みなさんが実際に対応しなければならないのは、大学入試の問題という、極めて高度なレベルの文章なのです。
この例文の解説を文章ですると時間がいくらあっても足りませんので、今回は和訳だけ載せておきます。
『となると、野球という活動は、家(ホームベース)を離れて障害物(野手)が配置された社会という名のグラウンドを一巡しようとする、個人が行う一連の移動(走塁)としてとらえることができる。ただし、ここで得点になるのは、球場を駆け抜けるという行為そのものではなく、無事にホームベースへと帰ることなのだ。』
山口の授業を受けた卒塾生はご存じの英文ですね。
当塾の授業で取り扱うのはこういった高度な内容です。
そしてこれに対応できなければ、これまでの卒塾生が合格してきたような難関大の合格はありえません。
さらに言うならば、これは大学受験というマクロにもミクロにも高度かつ深い内容なので、できるならば2年3年という時間をかけて習得してほしいのです。
重ねて申し上げますが、当塾が早期に高校3年生の入塾を締め切る理由はこれです。
とてもじゃないですが間に合わないのです。
そして大手学習塾の例にもれず、当塾とて間に合わないのであれば間に合わせるための指導提案をせざるを得なくなります。
『お月謝○○円です!』『夏期講習○○コマ必要です。受験生なら当然です。』みたいなお話はしたくないのです。
だから一刻も早く取り掛かってください!
受験勉強はもちろん質も大切ですが、それ以前に時間と量が重要です。
時間と量ばかりは、どんなに優秀な講師や予備校でも増やすことはできないのですから。
そんなわけで今日も一日、第一志望に向かって全力で頑張りましょう!